みなさん、お疲れ様です。

トップフラワーデザイナーにお花のオーダーメイドができるwebサイトを運営している、株式会社Sakaseruの広報部の小尾です。

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先週、『自信満々の若手エンジニア社長が、起業時に絶対やってはいけない3つのこと』で、僕がやらかしてしまった3つの大失敗についてお話ししました。

失敗からの学び一つ目は、お客さまの目線で商品を作ること。二つ目は、安易に無料というキーワードでお客さまを集めてはダメ、ということでした。

 

そして今回は三つ目、僕の最大の失敗、仲間を失った時のエピソードをお話したいと思います。ごめんなさい、笑いは一切ありません。

 

お店の業績が悪いと社内がギスギスしてくる

前回お話しした通り、フラワーキッチンのコンセプトは「花を売らないお花屋さん」でした。

僕は早速スタッフの募集を始めましたが、花を売らないコンセプトに共感してもらえるか、ちょっとビビってました。花屋で働きたい人って、普通はお花が大好きですから。

でも、花を気軽に買う文化を作りたいというミッションを話せば、きっとわかってくれると自分に言い聞かせました。面接での熱い説得が効いたのか、3人が入社を決めてくれました。

 

この業界に来て初めて知りましたが、お花屋さんってすごく大変な仕事です。朝は早いし、水は冷たいし、肉体的にかなりハード。

フラワーキッチンも漏れなくハードな環境でした。それでもみんなモチベーション高く、頑張って働いてくれました。

しかし、業績は一向に伸びません。1日の売り上げが4千円とか、下手すると0円の日が続きました

「最初だから当たり前だよ!」と言って鼓舞しましたが、これだけ毎日赤字が続くと、みんなの心も途中から折れていきます。仕事は辛いわ、売り上げは上がらないわで、「本当にこれで合ってるの?」という空気がお店の中を漂い始めました。

 

やっぱり花を売りたい

自分たちのやっていることの結果が出ない。自信がなくなっていく。

そうすると、人の思考ってどうなると思いますか?

チッチッチッチッチッチッ・・・

 

 

正解は、「普通の花屋に戻ろう」となります。

色味じゃなくて、花そのものを売りたい。ラッピングも従来の花屋っぽいものを使いたい。

え?ちょ、ちょっと待ってよ。今までとは違う花屋を作ろうと頑張っているんじゃないか。それは面接でも説明したし、同意して入ってきてくれたよね?なんでこのタイミングで、普通の花屋をやろうなんて言い出すんだ。

 

イライラと、悲しみが同時にこみ上げてきます。

なんでわかってくれないの? と責める僕。

いつまでそんなこと言ってんの? と無言のメッセージを送ってくるスタッフ。

 

どうしていいかわからなくて、自分のビジョンを一方的に語り続けることしかできませんでした。しかし、時すでに遅し。僕たちは冷え切った夫婦のように口もきかず、同じ空間にいながら違う方向を見ていました

 

すれ違いが重なる中、空気の読めない僕は「都内ならどこでも1時間以内に花を届けます」という新しいサービスを始めました。たとえ大雪でも、台風でも。

暴風雨の中、女性が自転車に乗って花を届ける姿を想像してみてください。

普通に考えれば「倒れたら危ないから今日はタクシーでお願いできるかな?」ですよね。でも僕は容赦なく「チャリで行ってきて」と指示を出しました。配達する人の気持ちなんて考えすらしなかった。

 

ある日、そんな自分の横暴さにやっと気づく出来事が起きます。

一番信頼していた仲間が出社してこないのです。電話しても繋がらない。誰も消息が分からない。その後、彼は結局一度もオフィスに現れることはありませんでした。

 

創業時からの仲間で、誰よりも花を愛している人でした。

 

プライドが邪魔して現場に下りて行けなかった

花が好きな人に花を売るなと押し付ける。

なんて酷なことをしていたんだと後から気づきました。でも、自業自得ですね。僕はいつも自分の話だけして、相手の話を聞かなかった。

 

当時の僕は、周りの人がいて初めてお店を運営できるということが見えなくなっていました。

前職で成功したインターネット・サービスのやり方を、全く同じようにお花屋さんに当てはめようとしていました。頭の中でロジックを組むことばかり考えていたんです。

 

現場が大事と言いながら、本当の意味で現場に下りていませんでした。

なんで現場に下りなかったかって?

 

・・・自分で言うのも恥ずかしいんですけど、僕のエンジニアとしてのキャリアって、結構華々しいんです(すいません)。だから、つまらないプライドがあったんです。

自分が泥臭い営業に回ったり、自転車に乗って配送するのってかっこ悪いなって。それよりパソコンいじって経営することの方が、かっこいいと思ってました。我ながら最低です。

 

でも、あの時必要だったのは、自転車に乗ってお客さんの顔を直接見ることだった。それが本当の経営だった。

 

だから、全てを失ってSakaseruを立ち上げた時は、お花屋さんを回って頭を下げるところから始めました。

以上が僕の失敗ストーリーです。今後、起業を考えている方がいらっしゃいましたら、少しでも参考にしてもらえると嬉しいです。

 

あー、なんだかしんみりしちゃいましたね。僕の話はここら辺で一旦やめましょう! 

次からは皆さんに役立つ、お花にまつわるお話をしていきたいと思います。

それでは、今週もお疲れ様でした。来週もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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株式会社Sakaseru (英名 Sakaseru,inc.)

所在地:〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-2 #1307

設立:2015 10 14

https://www.sakaseru.jp/

 


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