こんにちは。スローガン株式会社、社長の伊藤です。
弊社は新卒・中途採用の領域でスタートアップやベンチャーなどの新興成長企業に入社することに特化した支援を行っている会社です。e
ハイレベル学生のためのキャリアサイトGoodfind、お
突然ですが、皆様の中に「スタートアップで働いてみたい方」はいますでしょうか?
働いてみたい、と思った方。私も完全に同意です。私は断固として「スタートアップやベンチャーで働いたほうが良い」と思います。特に若い方はもっと新興の成長企業に行くべきです。
しかし、
「不安定」
「小さい仕事しかできない」
「下請け」
「大企業からスタートアップは入れるが、その逆は無理」
といった、ネガティブなイメージをお持ちの方は少なくないでしょう。
しかし、今ではかなり状況は変わってきています。
そこで本記事では、「スタートアップ・ベンチャーで働きたい人が知っておくべき4つのこと」と題し、新興成長企業で働くことの正確な「いま」をお伝えしたいと思います。
1.スタートアップ・ベンチャーは玉石混交
スタートアップ・ベンチャーに入る、と一口に言っても、会社の数だけバリエーションがあり、一社一社カルチャーが違います。
当たり前、と思うかもしれませんが、重要な事です。
なぜなら、率直に言えばそれらの中には「玉も石もある」からです。新興成長企業に入るときもっとも重要なのは「目利き」です。
経験的に言えば、ウェブ上にたくさんの求人を出し、プロモーションがうまく、一見ノリに乗っているように見えるスタートアップであっても、中身は大量離職が続き、粉飾に近い決算をしている会社がそれなりにあります。
露出が多いのは、「マーケティングがうまい」ことの証ではあっても、「良い会社である」ことの証とはなりません。
したがって、スタートアップ・ベンチャーに入るならば、内部情報を入手することにかなりの時間を割くべきです。
実際、我々が入手しただけでも
「夜中の2時3時まで強制労働をさせられる」
「社員の怒鳴られている姿をよく見る」
「少し前に資金調達して大量に人を取ったけど、今は売上が立っていないのですぐにリストラをした」
など、聞くに耐えない話が数多くあります。
社員として働く前に、インターンの方、元社員の方、内部の方、Facebookの投稿、web上の掲示板など、あらゆる場所からできるだけ多く情報を集めることが重要です。
もちろん、成長著しい会社には様々な局面があり、上に挙げたようなことが一概に悪いとは言えません。しかし少なくとも「私たちが自信を持っておすすめできる会社」ではないと感じます。
2.経営者が「有能な人材」を本気で欲しがっている会社は少ない
我々はかつて、ほとんどの会社は経営者が本気で「有能な人材」を欲しがっている、と思っていました。
しかし、11年間にわたり様々な経営者に話を聴くと、どうもそうではない、と感じるようになりました。
「まさかそんなワケ無いでしょう。スタートアップでは人が命では?」
という方もいます。
でも事実です。
例えば我々が候補者の面談をすると、非常に高い能力を持った方にしばしばお会いします。
先日お会いした方は明晰でコミュニケーション能力も高く成果志向、すでに外資のコンサルティングファームからの内定も持っていました。はっきり言えば、なかなかお目にかかれない人材です。
でも、私がかつて過去に訪問した会社の中には、上のような人材を見ると、こんな回答をする経営者が結構いるのです。
「うちなんかに来るより、コンサルティング会社に行ったほうがいいよ。」
そして、我々に言うのです。
「あの人は、うち来てもすぐに辞めちゃうよ。多分あの人を使いこなせる人はうちの管理職の中にいないから。」
感覚的には、世の中の8割程度の会社はこんなイメージだと思います。
彼らはあまり優秀な人を採用できてこなかったので、一種のあきらめの境地に達しており、「いい人がほしい」と口では言うものの、本音では
「使いやすい」
「辞めなさそう」
な人が欲しいのです。
しかし、会社が小さいうちからこんなことをしていては、伸びるものも伸びません。
Googleの人事トップだった、ラズロ・ボックは「自分より優秀な人だけを雇う」と言っています。
私の単純な経験則—また、人を雇う方法にもたらされるべき第2の大きな変化−−−は、「自分より優秀な人物だけを雇え」と言うものだ。
私がこれまでに雇った人はすべて、何らかの点で私より優れている。*1
スタートアップ、ベンチャーだからこそ、「扱いやすい人」を採ってはいけないですし、また、そう言う会社に若い人が入るべきではありません。
3.「不確実耐性」の高い人が成功する
これだけ変化の早い世の中で、もっとも重要な能力は何か?と相談に来た方から問われることがたくさんあります。
私は迷うこと無く「不確実耐性」と答えます。要するに見通しが悪くても、肝を据えて行動できる能力です。
例えば採用サイトは「大手就活・転職サイト」しか使わず、世の中の潮流を読んだり情報収集をしたりといった知的好奇心が低い人。
「まわりがみんな選んでいるから」「なんとなく安全そうだから」という理由で大手しか受けない方々。
彼らは「不確実耐性」の低い方々です。
うちにもたまにそのような方から
「Goodfindを使っている人がどんな人なのか、教えてください」とか、
「話を聴く前に、どんな実績があるか教えてください」
という、問い合わせがあります。
我々からすれば、「来てみて、話を聴いてみればいいじゃない」の一言でおしまいなのですが、彼らはそれができないのです。
気持ちはわからないでもないですが、不確実耐性の低い人は、これからの世の中は大変つらいでしょう。
逆に「不確実だからこそ楽しい」という人はもっと活躍できるに違いありません。
ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットンは
長寿化時代には、不確実性に対処することが避けて通れない、長生きする人たちは、変化のペースが減速しない限り、過去の世代よりずっと多くの変化を経験する。
多くのテクノロジー専門家の予測にあるように変化が加速すれば、人々が生涯に変化する経験は一層大きくなる。*2
と述べています。不確実への耐性の高さは、これから必須の能力となるでしょう。
4.自分を「子ども扱いしない」会社に入ることが重要
私はかつて、超大手のシステム開発会社にいました。そこには新卒から、40年勤続の人までが混ざって仕事をしています。
するとどうしても若手、特に最初の3年位は「子ども扱い」されます。
40年働いている人から見て3年目の人物が青二才に見えるのは無理からぬ話なのですが、若いうちにこういった会社で働くことはできれば避けたほうが良いでしょう。
仕事の全体像が見えない上、「これはお前の仕事ではない」と、創意工夫をする力を削がれてしまいます。新人を大切にしてくれることは良いこともあるのですが、早く力をつけたい人にとってはありがた迷惑でしかありません。
ところが小さい会社では逆です。自分の創意工夫が活かせる「余白」がたくさんあります。
「ここ、だれもやってないですよね?」
「見りゃわかるだろ。」
「私、やっていいですか?」
「いいよー。」
という会話ができる会社で最初の5年過ごすのと、大手で子ども扱いされながら過ごすのと、どちらがいいでしょう?選ぶのはあなたです。
私は個人的に、就職活動、転職活動を一種の「未来社会への投票」だと思っています。
一人が一票持ち、自分の時間と知識をどの企業に投票するか、それが次の社会の方向を決めます。それは、政治家を選ぶの同様に、いやそれ以上に社会づくりにつながるのではないでしょうか。
すでに大手が新卒を一括大量採用し、終身雇用の中で育てる、という制度は、制度疲労を起こしています。自分の運命を他者に委ねず、自分で切り開いて欲しい、不確実な中に飛び込んで欲しい、と強く思います。
そう言う意味で、私は「有能な人々がスタートアップ・ベンチャーなどの新興成長企業に入ること」が、最も今の日本にとって重要なことであると、信じているのです。
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