こんにちは。「株式会社わたしは」の竹之内です。

あけましておめでとうございます。2017年も、よろしくお願いいたします。

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さて、年明けの最初の話題は「組織論」です。

 

……と偉そうに言っても、弊社はたった二人の組織です。「二人で組織も何も(笑)」と言われそうですが、弊社は技術主導の企業です。

技術の先端にいなくてはいけない我々は、今後は「単に優秀」ではなく「突き抜けた技術者」の採用を進めたいと考えていますので、「「尖った人が数多くいる」組織をどうマネジメントするのか」は、非常に重要な問題です。

 

では「尖った技術者の組織」に必要なのは何でしょう。

それは月並みですが、わかりやすく言うと「切磋琢磨」ではないかと思っています。技術者同志が競い合う風土、「俺のほうがおもしろいことを考えてるぜ!」と公言してしまうような文化こそ、望ましい要素です。

ただし、言うだけなら簡単ですが、これを「切磋琢磨する仕組み・ルール」として採用するとなると工夫が必要です。

では具体的にどうすればよいのでしょう。

 

例えば、弊社の人工知能のエンジンの根幹部分の開発については常に「社内コンペ形式」が取られます。

通常、開発においては「Aさんはこの部分」「Bさんは別の部分」という形で分業がなされると思います。

 

ですが、弊社においては私ともう一名の開発者である小橋が、科学者としてのプライドを掛けて、開発の案を出し合い、実装し、優れた案が採用されます。

お互いにアツくなることもありますがこれには、

・緊張感を持って仕事ができること

・お互いのノウハウを共有できること

の、二つのメリットがあり、現在のところかなりうまく行っているのではないかと思います。

 

これは新しく入ってくる方にも適用され、弊社に興味を持ってくださり採用面接にお越し頂いた方には、面接の最後には必ず

「弊社にjoinしたとして、あなたがうちの会社にできる提案を持ってきてください」とお願いをしています。その提案は技術的なことでも、マーケティングの提案でも、分野は問いません。

Valueのある人とは、そういった提案ができる人、組織が保有していない価値を提供してくれる人のことだと思います。そこには一種の「破天荒さ」が必要なのではと考えます。

 

 

なお、余談ですが私はTwitterという会社の創業期の文化がGoogleのそれよりも好ましいと思っています。

それは「組織のカルチャーがギーク」だからです。

 

例えば、「ツイッター創業物語」*1の中で、創業メンバーのひとりであるビズ・ストーンによってこんなエピソードが語られています。

Googleは「スタンフォードやMITの学位をいちいち褒めちぎるグーグル社員の世界」とGoogleの文化を評しています。

それとは対照的に、Twitterを「なんでも好きなことをやれよというメンタリティの入れ墨を彫ったハッカー集団や、ホームレスのような技術者が、好き勝手に開発している文化」として表現しています。

 

そこからイメージされるのは

「俺が一番スゲーよ。」

「お前みたいなヘボが何いってんの、俺のほうがスゲーよ。」

こう言った会話です。子供ですね(笑)。

ですが、「一般ウケする価値観」を廃し「俺がこれが最高だと思う」を戦わせているTwitter創業期のような組織のほうが、私にとっては理想の組織に思えます。

 

一橋大学大学院の楠木建さんは、著書の中で次のように言っています。

賢者の盲点を衝くような「一見して非合理」なキラーパスがストーリーのクリティカル・コアとして組み込まれている。このことは古今東西の古典として読み継がれるべき秀逸なストーリに共通して見られる特徴なのですが、戦略「論」としてこれに最初に注目したのは、おそらく吉原英樹さんだと思います。

当時神戸大学にいらした吉原さんは『「バカな」と「なるほど」』という素敵なタイトルの本を今から20年以上も前に書いていらっしゃるのですが、このタイトルがそのまま戦略の本質を言い表しています。

戦略が合理的な要素ばかりで出来上がっていれば、誰もが同じようなことを考えるので、独創することはできない。だとすれば、「バカな」と思わせる非合理の要素がありながらも、成功してみると人々が「なるほど」とうなずく、これが優れた戦略の要諦だ、という話です。*2

我々はこの「バカなる」が重んじられる組織を作りたい、「俺の話を聞け」というギークが働きやすい組織を作りたいと考えています。

 

 


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*2