こんにちは、株式会社ネットプロテクションズ、代表の柴田紳です。

弊社は、コンビニ後払い決済サービスの「NP後払い」を運営する会社です。

「コンビニ後払い決済」はあまり日常的に使われる言葉ではありませんが、ECサイトを日常的にご利用であれば、コンビニで代金を支払ったことがある方も多いのではないでしょうか。(参考:導入事例

表に出ることはあまりありませんが、言うなれば、ECサイトにおける決済の一角を担う、「縁の下の力持ち」的存在であり、現在、弊社が取り扱う流通総額は1400億円を超え、累計で1億人以上の方にご利用を頂いています。

 

しかし、今でこそ主力事業が利益を十分に生み出せる状況となり、BtoB領域においても順調に事業を成長させることができていますが、ここまでに至る道のりは険しかったというのが正直なところです。

実際、サービスの立ち上げから8年はずっと赤字、黒字化したのは2008年のことでした。

 

今回は、その弊社の黎明期のことについて、少し書いてみたいと思います。

 

*******

 

私は2001年にITXから出向し、弊社の取締役に就任しました。

当時のネットプロテクションズは、「ネットでの後払い決済」の会社と聞いていましたが、本音を言えば私にはまるでピンときませんでした。

なぜなら、当時のネットでの決済と言えば、前払いの銀行振り込みか、もしくはクレジットカードだったからです。

 

インターネット上の取引において、購入者の与信データもなく、万が一焦げ付いたときにどの程度の回収もできるか全くわからないという「後払い決済」ですから、ある意味では「無謀な取り組み」と言っても良かったと思います。

与信:「商取引において取引相手に信用を供与すること」を指します。 たとえば、商品を販売する場合、商品を先に渡して代金は後で回収することが行われる場合があります。 この取引において、販売先に対して商品の代金を回収するまで「信用を与える」ことを「与信」といいます。

帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/knowledge/yoshin/01.html

 

さらに、内情は惨憺たる状況でした。なにせ、初年度の決算は1億3000万円の赤字です。

その当時まだ顧客がほとんどいないのに、某大手IT会社のデータセンターに月間800万円、「ブランディング支援」という名目でコンサルティング会社に月間200万円ほどを支払っており、恐るべき額のキャッシュを垂れ流していました。

 

端的にいうと、ありもしないトラフィックを想定して巨大な設備を囲い、ブランディングばかりしている売上のない会社。

それが当時のネットプロテクションズでした。

 

このような状況でしたから、逆に完全に開き直ってやるしかありません。

「とにかく、やれることからやろう」と、私たちは決意して仕事に取り掛かりました。

 

当時、やらなければならないことは3つありました。

1.現金の垂れ流しをとめる。

2.まだ見ぬ顧客を開拓する。

3.後払い決済のオペレーション(与信、請求、回収、およびその付帯システム)をつくり、コストを圧縮する。

 

しかし、やるべきことがわかっていてもそれを実行できるかどうかは別の問題です。

第一に、人材が慢性的に足りていませんでした。

第二に、スタッフの実力にかなりのばらつきがあり、できる人とそうでない人の差がかなりありました。

 

これらの条件から、必然的に仕事はできる人に集中します。

ありがたいことにシステムは一人、業務委託で来てくれているメンバーでとても優秀な人物がいたので、その人を口説いて任せることにしました。

 

とはいえ、当時の私は20代、外から乗り込んできた若造が年上のスタッフたちにガアガア言うのですから、相当嫌がられていたと思います。

ですが、会社の危機には強力なリーダーが必要です。私は甘んじてその役割を引き受けました。

 

さらに、コストカットにひたすら奔走しました、現金の流出を止めて、時間を稼ぐ必要があったからです。

無駄な取引をやめていくことで出血はひとまず止まり、営業とオペレーションに取り組むことができるようになりました。

 

ただ、もちろん「後払い」は新しい決済サービスですから、口を開けて待っているだけではお客さんは増えません。

その場合、やるべきことは1つです。

一件ずつ電話をかけ、メールを送り、アポイントを取ってECサイトの出店者の方に「後払い決済を使わないか」と営業をして回るのです。

 

とにかく小さな成果であっても積み上げなければ明日はないので、数万円の取引を決めるために、2時間かけてお客様のところに訪問したこともあります。

 

また、決済という業務の性格上、絶対にミスは許されません。そのため、しばしば私は社内に檄を飛ばしました。

時には声を荒らげることもありました。恥ずかしながらときに相手のプライドを傷つけるような言い方をしてしまったこともあります。

しかし、もちろん社員の献身と協力無くして、オペレーションはありえません。そんなときには私は全社に謝罪をし、協力をお願いしたこともありました。

 

当然、拡大に伴う「お金」の問題もありました。手元のキャッシュが尽きかけて、投資家に増資のお願いをして回ったこともあります。

 

 

ただ、粘り強くやることで報われることも数多くあります。

明らかに風向きが変わったのが2008年、黒字化を成し遂げた年です。

 

企業が黒字になるということは「社会的に意義がある」と認められたということです。そして、得られた収益を再投資できる「継続可能なビジネスである」ことが証明されたことでもあります。

実際、2008年に200億円程度だった利用金額は、以降、指数関数的に伸び、2012年には2.5倍の500億円、さらに2016年には1400億円を突破と、急増しました。

 

そして、経営が安定すると、更に「後払い」の向こうにある、次の世界を見ることができるようになります。

それは「企業間取引」の世界です。

よく知られているとおり「後払い」は、一般消費者よりもむしろ企業間で一般的です。

掛売りという後払いの商習慣は至って普通であり、かつ一般消費者向けよりも遥かに大きな金額が流通しているのです。

 

しかし、多くの企業にとって掛売りに伴う「請求」「回収」業務は純粋な負担です。

例えば、大手企業が飲食店、美容室、工務店などの小規模企業と取引をする際、請求が小口である上、回収に非常に手間もかかります。また、時には支払いが滞る時もあり、「現金取引のみ」という制限をつけざるをえない場合もあります。

ただ、これでは小規模企業との取引を拡大をするにあたり、足かせがある、と言わざるを得ません。

 

そこに我々が間に入って決済を引き受けることで、お互いの利便性が高まり、より取引が活性化するのならば、誰にとってもメリットがあるのではないかと思います。

そこで我々は2年半ほど前から、一般消費者向けではなく、法人向けのサービスを開始しています。

 

思うのですが、結局のところ、システムや仕組みを作ることができても、それを使ってもらうためには膨大な手間が必要です。

「ネットの商売は手間がかからないので儲かる」なんて、多分嘘です。(笑)

事業拡大に魔法はなく、地道な努力の積み上げが、成果を生むのだと思います。

 

 

◯コーポレートサイト:https://corp.netprotections.com/

◯BtoC取引向け後払い決済「NP後払い」サイト  :https://www.netprotections.com/

◯BtoB取引向け掛け払い決済「NP掛け払い」サイト :https://frexb2b.jp/

 


【お知らせ】Books&Appsでは、企業の広報活動を支援するサービスを行っています。ご興味のある方はこちらからご連絡ください。