こんにちは。コワーキングスペース「BasisPoint」の運営をしております、AscentBusinessConsulting代表の北村です。

現在、人材市場で「コンサルティングファーム出身者」が非常に優遇されている事をご存知でしょうか。

 

もちろんそれは、需要に対して供給が少ないからですが、一体なぜ、このような状況になっているのでしょう。

紐解いていくと、興味深い世相が浮かび上がります。

 

*******

 

少し前から、「人口減少社会」が何かと取り沙汰されるようになってきました。

総務省の情報通信白書によれば、日本の人口はわずかこれから40年で、8600万人程度まで減るそうです。

驚異的なペースでの減少です。

少子高齢化の進行により、我が国の生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じており、総人口も2008年をピークに減少に転じている。

総務省「国勢調査」によると、2015年の総人口(年齢不詳人口を除く)は1億2,520万人、生産年齢人口(15歳~64歳)は7,592万人である。14歳以下の推計人口は1982年から連続して減少が続いており、少子化に歯止めがかからない実態が改めて浮き彫りになっている。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2030年には1億1,662万人、2060年には8,674万人(2010年人口の32.3%減)にまで減少すると見込まれており、生産年齢人口は2030年には6,773万人、2060年には4,418万人(同45.9%減)にまで減少すると見込まれている。

(総務省 情報通信白書 平成28年度版)

「人口減少」という本質的な問題は、急には解決することができません。人が育ち、大人になるには時間がかかるからです。

したがって、当面、この傾向は不可避、不可逆と見ていいでしょう。

逆に「人口減少」という状況を受け入れ、対応できるかどうかで、今後の事業設計、人生設計も大きく変わってくると思います。

 

そして、この「人口減少」を掘り下げると、更に深刻な事実が待っています。

それは、この人口減少が単なる人口減少ではなく「生産人口の大きな減少である」という点です。

生産年齢人口

生産年齢人口(せいさんねんれいじんこう)とは、経済学用語の一つで、国内で行われている生産活動に就いている中核の労働力となるような年齢の人口のことをいう。

日本では15歳以上65歳未満の年齢に該当する人口が生産年齢人口ということになっているが、現代日本においては15歳~18歳の年齢層で約90%あまりが(義務教育終期の)中学3年生ないし高校生の課程にあり、個別的な特殊事情がない限り(高校に進学せず)自主的に労働に従事する層はほとんど存在しない。

(Wikipedia)

2060年時点での生産人口は推計でで4400万人。総人口8600万人のうち、なんと「過半数が生産人口ではない」という、極めて厳しい状態となります。

「半数以上の人が労働できない」という状態で国が保てるのか、という大きな不安要素があるのが、我が国の将来です。

 

そして、既に現在、「労働人口減少」の影響が出つつあるのが、労働市場です。

現在、大卒の就職希望の人数は現在40万人前後ですが、引退する人の数がそれを上回るであろう今、多くの企業は「現状維持」をするだけの人数を揃えることすら、難しくなりつつあります。

 

そして、特に労働市場で人材が特に不足しているのがコンサルタントなどの「プロフェッショナル職」です。

生産人口が減っている上に、「知識労働者」が輪をかけて希少な存在である今、労働市場に「ハイスペック人材」が明らかに不足しているのです。

 

例えば、私の知る、あるコンサルティングファームは、紹介会社を使って中途採用を行っていますが、採用担当者は「人が採れない」とこぼします。

これまでは中途採用の紹介手数料は「年収の30%程度」が基本でしたが、現在は「年収の60%を手数料として支払うから、いい人材を優先的に紹介してくれ」と紹介会社に打診しているコンサルティング会社もあるようです。

 

しかし、大局的には彼らの採用への努力にも関わらず、「中途採用」も絶対的な人口減少の前に、ますます採用は難しくなるでしょう。

 

そこで、彼らは今「外部人材の登用」をはじめています。

具体的には、正社員ではなく「副業」や「フリーランス」と言った形態で専門性の高い仕事をこなせるハイスペック人材に目をつけています。

例えば、

・週一回でもいいからプロジェクトを手伝ってくれる人がほしい。

・月の30%だけでも、プロジェクトに参加して欲しい。

そういう需要が、現在のコンサルティングファームには存在するのです。

また、元コンサルタント以外にも、「上流工程のできるITエンジニア」「元投資銀行」の方々も、大きな需要があり、非常に優遇されています。

 

余談ですが、弊社は、そう言った人材の需要を受け、コンサルポータルという、ハイスキル人材に対する、副業やパートタイムで高度な案件を紹介するサイトを立ち上げています。

現在フリーの方が5割、会社に所属していて副業として登録している方が5割となっており、「ハイスペック人材」の副業市場は活況を呈しています。

 

*******

 

つまり、我々はここに至って、「人口減少社会」の本質を知るに至りました。

それは、「社会全体で、ハイスペック人材を共有していかなければならない」という事実です。

 

ハイスペック人材は常に限られています。

そう言った貴重な人材を、すでに1社だけが専有できる時代はそろそろ終りを迎えます。

そして、「ハイスペック人材」自身も、より多くのビジネス機会と、収入を望んでいます。

 

したがって、「一時的でも良いので、良い人に手伝って欲しい企業」と「より多くのチャンスと収入を求めるハイスペック人材」をつなぐこと、今後はこう言ったビジネスが発達するでしょう。

そして、その中で我々AscentBusinessConsultingも、ビジネスの一プレイヤーとして、トップを目指さなければならないのです。

 

 


コワーキングスペース「Basis Point」サービスサイト

コンサルポータル

Ascent Business Consulting 株式会社コーポレートサイト