こんにちは。ネットプロテクションズの中原です。

一般的に企業活動の目的は「利潤の追求」と言われます。

しかし、なりふり構わず利潤を追求することについては、賛否あります。

儲けるのは良いが、「儲け方」はもっと重要ではないでしょうか。

 

例えば、渋沢栄一は、企業活動を「善意の競争」と呼び、他の利益を奪うようなことはしてはならない、と説きました。

また、近江商人は「売り手よし、買い手よし、世間よし」と言われる三方良しを旨としたと知られています。

事業活動は「規範」や「道徳」が重視される世界だった、といえるでしょう。

 

ピーター・ドラッカーもまた、「儲けること」そのものは企業の目的となりえない、と説きました。

企業とは何かと聞けば、ほとんどの人が営利組織と答える。経済学者もそう答える。

だがこの答えは、まちがっているだけでなく的はずれである。

経済学は利益を云々するが、目的としての利益とは、「安く買って高く売る」との昔からの言葉を難しく言いなおしたにすぎない。それは企業のいかなる活動も説明しない。活動のあり方についても説明しない。

では「儲けること」をどう捉えればよいのか。

これが今回のテーマです。

 

何のために儲けたいんですか?

こんな話があります。

弊社は新卒採用を行っていますが、先日、弊社の面接官が学生からこんな質問を受けました。

「企業がひたすら儲けを追求することについて、どう思いますか?」

 

その学生さんは、他社の面接官からこの質問をされたそうです。

そこで、その学生さんは

「儲け過ぎはよくないと思います。」

と回答したところ、面接官から

「甘い。企業は儲けを最大化しなければならない」

と言われたとのこと。

 

一体どちらが正しいのでしょう。

 

もちろん、様々な意見があるでしょう。

その上で、敢えて言えば、私がその学生の立場であれば、逆に面接官に質問したと思います。

「何のためにそんなに儲けたいのですか?」と。

 

何のために儲けるのか。

株主のためでしょうか?

自分たちの給料のためでしょうか?

社長のためでしょうか?

それとも……?

 

正解はありません。が、その回答が「企業のあり方」を決めます。

 

歪みのない事業・関係性を作る

そして、我々の立場は、前述した学生の立場に非常に近いものです。

「儲けすぎてはいけない」

 

我々はそれを、「歪みのない事業・関係性を作る」と表現しています。

社会に提供するサービス、顧客・パートナーとの関係性、組織づくりにおいて歪みのない自然な状態を理想に掲げ実現していきます。

https://corp.netprotections.com/company/philosophy/vision

「歪み」とは、例えば一社だけが大きな利益を出し、周りは不利な立場に甘んじている、という状況です。

 

これは「きれい事」でしょうか?

我々はそうは思いません。

 

例えば、圧倒的なシェアを持つメーカーと下請け会社の関係。

圧倒的な力を持つプラットフォーマーとそれを支える物流会社の関係。

メーカーの下請や、物流会社の過酷な労働や厳しい経営状況がクローズアップされることも多いですが、残念ながらこれらは長期的な関係性を築けていないということになります。

長期的な関係を損なうことは、長期的には企業のブランド力、交渉力、ひいては収益性や存続可能性を低下させ、様々なステークスホルダーにとって、「歪み」が生まれてしまいます。

 

したがって「歪みのない関係」とは何かと問われたら、「皆が繁栄できる関係」というのが正しいでしょう。

であれば、「儲けを最大化する」は、企業の公理ではない。

「儲けすぎてはいけない」という理念は、結局回り回って、自分たちのためにもなるのではないでしょうか。

 

なぜ「利益の最大化」を目指さずとも、企業が成長し続けるのか

しかし、言うは易く行うは難し、とはこのことです。

お金は企業の血液のようなもの。不足すればすぐに死に至ります。

ピーター・ドラッカーは

「利益は、企業にとって目的ではなく、保険のようなもの。企業活動を継続させるためには、高収益でなければならない」

と述べましたが、保険となるお金が少なければ、当然問題が発生します。

 

ただ、よく考えれば「利益を最大化する」以外にも、企業活動のリスクを減らす方法はいくらでもあります。

 

・危険な取引とそうでない取引を見分け、トラブルを未然に防ぐ

・業務プロセスを徹底して洗練させる

(参考:なぜ「決済手段」を変えることで、営業の販路拡大や、新規事業の立ち上げが可能になるのか。

・業務の生産性を高める

(参考:「生産性向上」とは「効率化」とは全く異なる。その理由。

 

さらに、弊社の事業に「atone(アトネ)」というサービスがあります。

これはBtoC事業者向けのカードレス決済サービスです。

クレジットカード会社と同じような立ち位置に我々がいるのですが、クレジットカード会社の手数料が3%から5%なのにに対して、我々は決済手数料を、1.9%に設定しています。

 

手数料をクレジットカード会社と同程度にすれば、もっと収益性は高くなるでしょう。しかし「皆が繁栄できる関係」を築くためには、安易に手数料を上げてはなりません。

結果的には「NP後払い」で得た、15年分の累計利用1億人以上のデータを基に、リスクコントロールと生産性の高いオペレーションでそれをカバーする方針としました。

 

「利益の最大化」を目指さずとも、知恵を絞って、企業が成長し続ける環境を作る。

それが、我々が目指すべき仕事のやり方なのです。

 

 

 

◯ネットプロテクションズ コーポレートサイト:https://corp.netprotections.com/

◯BtoC通販向け 後払い決済「NP後払い」サイト  :https://www.netprotections.com/

◯BtoC取引向け 後払い決済「NP後払いair」サイト  :https://www.netprotections.com/air/

◯BtoB取引向け企業間後払い決済「NP掛け払い」サイト :

https://frexb2b.jp/

◯BtoC向け 会員制決済「atone」サイト :

https://atone.be/

 

(Photo:winnifredxoxo)


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