こんにちは、Books&Apps編集部の楢原です。

先日、若手のベンチャー起業を支援する企業のセミナーに出た時、たまたま隣に座っていた方と名刺交換をしたところ

「あ、ティネクトさん?あ、あの安達さんという方が記事を書いているブログの会社の方ですか?」

と言われました。

 

それはとても嬉しいことで「はい、そうです。」と答えたものの、少なくない驚きでもありました。というのも、我々の会社名である「ティネクト」は記憶されることは、ほぼないからです。

 

有難いことに「記事は見たことある」という方にはお会いすることはあるのですが、ティネクトという会社名はおろか、このメディア「Books&Apps」という名前を覚えてもらっていることも少ないのです。

もちろんこれは我々の努力不足なのですが、他の理由もあります。

それは、ここ数年で誰もがスマホを持つようになったことと無関係ではありません。

 

 

朝起きて、多くの人がまず目にするものはスマートフォンのトップ画面ではないでしょうか。

そこでまず確認するのはフェイスブックやツイッター、インスタなどのSNSの「通知」ですね。

 

その情報の洪水の中で、興味ありそうなものを「なんとなくクリックして、なんとなく見る」って感じではないでしょうか。

 

そして、次に見るものはニュースのフィードです。

朝昼夕方の決まった時間に自動的にガンガン送られて来るアレです。

アレ気になりますねえ。なぜか見たくなるものが、送られてくるんですよね。

 

って、それは当然です。

それらを配信しているスマートニュースとかLINEニュースアプリがわざわざその人に合わせて人気記事だったり、興味範囲に近いものを意図的に送っているからです。

そしてこれが、メディア名を読者が覚えることのない理由の一つです。

 

以前はテレビであれば「NHKニュース7」、新聞ならば「朝日新聞」といったように情報を受け取る側が「メディア」を能動的に選択することが当たり前でした。

朝、テレビのチャンネルをNHKに合わせて朝日新聞を手にとってコーヒーを飲む、といったようにそれは生活習慣に入り込んでいました。そもそも情報を受け取る手段がそれしかなかったからです。

故にブランド名としてメディアの名前はとても重要でした。

 

しかし、今は朝スマホを開くことが習慣になっていて、そこに送られて来る情報は様々なメディアの記事が1記事ずつごちゃまぜに送られきています。

今、メディアを能動的に選ぶ機会が大幅に減っていて、それはそもそもメディアを選択して記事を読むと言う「仕組み」になっていないのです。

 

つまり、今記事は「メディア名」で選ばれることがなくなっているのです。

「朝日」でもなく「読売」でもなく、なんとなく自分のタイムラインに流れてきたものを読む。

これが現在の趨勢です。

 

 

もちろん、それには危険性もあります。

自分の興味、思想に近しいニュースだけに囲まれているフィルターバブル問題、意図的に嘘を流して情報弱者を煽動しようとするフェイクニュース問題などとこの状況は無縁ではありません。

 

我々Books&Appsというこのメディアでも、「数値的」にはっきり現れていて、一日の閲覧者の40%以上がSNS経由で記事を読みに来ている人たちなのです。

だからBooks&Appsという名前が覚えられていないのは、ある意味「当然」とも言えます。

Books&Appsの記事を、SNSでたまたま目にし、たまたま読んでくれている人が多くいるのです、

 

では「ティネクト」や「Books&Apps」のことをはっきりと認識して記事を読んでくださる方は何なんだ?

それは現代のように情報が溢れている中で、私たちを「わざわざ」覚えて頂いてるのは最高の読者さんと言わざるを得ません。

めちゃくちゃ大切にしたいお客様です。

 

冒頭に戻りますが、「ティネクト」と名前で覚えてくださった方は、そりゃもう大変嬉しかったわけなのです。