こんにちは。コワーキングスペース「Basispoint」の運営会社、AscentBusinessConsulting代表者の北村です。

コワーキングスペースを運営していると、数多くのコンサルタントや、フリーランスの技術者、起業家などにお会いします。

 

最近は働き方改革の影響もあり、そういった方々から「働き方」についての話を伺う機会も多いのですが、その中で、特筆すべき最近の動きは「マネジャーの外注化」です。

どういうことかというと、言葉そのままなのですが、「プロパーのマネジメントを、外注にやってもらう」という会社が増えているのです。

 

プロパーのマネジメントを、外注にやってもらう

これは、従来の常識から言えば、「ありえない」選択肢でしょう。

マネジャー、つまり管理職は社内で「出世」した結果、ありつけるポストとされているからです。

 

しかし、最近ではどうも様子が異なるようです。

 

例えば、成長途上のベンチャーや、老舗大企業の新規事業の立ち上げ部門は、大変に優秀な人を求めていますが、最近では採用難が著しいので、能力の高い人がなかなか取れないのです。

すると、「採用できないなら、外注を使おう」ということになります。

そこで、外に目を向けると、フリーランスや元コンサルタントの「とにかく仕事ができる人たち」が結構いる。

中には「副業」で土日だけなら手伝えます、という人も数多くいます。

 

じゃあ、一度使ってみようか、ということで外部を使うと、彼らはとにかく仕事が早い。

それこそ、プロパーの社員たちよりも何倍も優秀な人が結構いるわけです。

経営者は、仕事ができれば文句は言いません。

結局、「正社員」を雇うよりも、必要なときだけ外注したほうが実は割安なんじゃないか、という話になるのです。

 

さらに、プロパーの方々が「外部の人」に対して、敵意を持つかというと、全然そんなことはない。むしろ仕事はテキパキやってくれるし、彼らは経営者にも堂々とものが言える。

プロパーも彼らを立てておけば、仕事がやりやすいと感じる人が増えたんです。

 

そうした結果、「ならばプロパーのマネジメントも外部にやってもらえばいいんじゃない?」という考え方の会社が増えたことも、不思議ではありません。

 

そうして、「うちのプロパーを使って良い。成果を出してくれ」という条件で、つまり「マネジャー」として、外部の元コンサルタントや技術者を雇っている会社が増えていったのです。

 

「スキルの売り買い」から「能力の売り買い」へ

最初は結構驚きました。

今まではフリーランスや副業と言えば、「デザイン」や「コーディング」などの現場のスキルが求められていましたから。

 

でもいまは「スキル」というよりも、その人の「能力全般」が欲しいので、マネジャーを任せて、参加してもらう、という形に変わってきているようです。

フリーランス・副業市場は、徐々に「スキルの売り買い」、つまり「お願いしたことをやってくれる人」ではなく、「能力の売り買い」つまり「問題解決ができる人」が増えてきている、ということになります。

 

これ、地味ですが大きな変化だと、個人的には感じています。

おそらく、昔ながらの人は「マネジャーや管理職を外注するなんてとんでもない!」と感じる人も多いでしょう。

でも、米国ではすでに「経営者市場」が存在しており、高額な給与で経営者を雇う会社も少なくありません。

「プロのマネジャー」は、世界中で需要があるのです。

 

ただ、疑い深い人は「あなたの周りだけでしょう」と思うかもしれません。

でも、調べてみると世の中は広いもので、「マネジャー」を外注している会社があることがわかります。

エンジニア35才定年説に挑戦する

そこで出来上がったのが、逆転の発想で、「プロパー社員エンジニアはコードだけ書く。派遣/契約エンジニアが社員をマネジメントする」というものです。いいですねこの逆行しているかんじ。

これが本当にうまくいったなぁと思ってまして、プロパー社員エンジニアの技術レベルがどんどん上がっていくんですよね。

「なんだみんなマネジメントしたくなかったんだね、新しい技術へのチャレンジや、最前線に出たかったんだ」ということになったのです。

世の中やっぱり「マネジメントのプロ」っていらっしゃるんですよ。派遣エンジニアの方でもう「かゆいところに手が届く」くらいマネジメントが好き、という方もいらっしゃるんですよ。

この会社の話は、私の感覚ともピッタリ一致します。

 

そう言えば、初期のGoogleは「エリック・シュミット」という人物を外部から招きました。しかも「CEO」として。

創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは「コンピューター科学者」としては随一でしたが、当時の彼らには「プロの経営者」が必要だったからです。

その後のエリック・シュミットの活躍は、皆様がご存知のとおりです。

 

近い将来「マネジャーの外注化」は、日本においてもそう珍しいことではなくなるのかもしれません。

 

 

 

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(Photo:tokyoform)