急にゴルフの腕を上げた知人は、「課金」していた。
最近、知り合いの広告代理店の人が、急にゴルフの腕をあげました。
仕事と飲み会でめちゃくちゃ忙しいはずなのに、いつの間に練習しているのかと聞いてみたら、週末に練習するのはもちろんのこと、最近はプロが付きっきりのラウンドレッスンとやらに行っているとか。
気になったので価格を調べてみると、どうやら、ゴルフのレッスンには概ね3つの種類があるようです。
・屋内レッスン……屋外タイプと同様に月のトータル15,000円程度が目安
・屋外レッスン……入会金:5,000円前後/月会費(レッスン料)は10,000円前後が一般的
・ラウンドレッスン…大まかな目安としては一人20,000円程度+ラウンド料(出所:KONAMIサイトより)
※上のような違いに加えて、場所やプライベートでやるか等によっても値段は変わるよう。
調べてみて分かったのは、どうやらラウンドレッスンは3つの中でも1番値段が高いが、コースの環境に合わせた指導が受けられるらしく、上手くなるには1番良さそうだということ。
ゴルフはそもそもがお金のかかる趣味だと言われるわけですが、ゴルフを普通にするだけでなく上手くなろうとすると、さらにお金がかかるってことですね。
そこで、なぜそんなにお金を使ってるんですか?と聞いてみたら、結構納得な答えが返ってきました。
「お金を節約なんて考えてたら、結局上手くなるのに時間かかってトータルでは損してる感じするから。あとは自分で練習して変な癖ついたら、それを直すのにさらに無駄な時間かかるし。」と。
これってアプリのアイテム課金とかと少し似てるような気がします。
無料というかフリーミアムのゲームアプリを始めて、お金のない人でも楽しめるんだけども、お金払うといきなり強い武器とかが手に入って早くゲームを進められると。
日本だと数万円くらい使われるケースが多いのに対して、海外だとその金額も数十倍~数百倍になるケースもあるようです(笑)。(出所:カスペルスキー)
逆に時間のある学生さんとかは、時間をかけてレアアイテムをゲットして、それをダークプール的なところで換金して小遣い稼ぎをするというようなケースも聞きます。
何を自分でやって、何を人に任せるか
あなたにとって大切なものはなんですか?という質問があります。家族だったり、お金だったり、親愛なる人だったり、趣味だったり…。様々な回答があると思います。
これはまあ、普通にいくつかに落ち着くし、「人それぞれだよね」で済みます。
では、もう一つ。
時間とお金どちらが大切でしょう。
これは結構、意見が分かれますし、喧々諤々の議論になります。
そして実は、ある程度稼いでいる人ほど時間という答えを選ぶケースが多く、逆にそれほど稼いでいない人ほどお金という答えを選ぶ人が多いと感じます。
なぜでしょう。
「稼いでいる人は、お金はもう要らないと思っている」のでしょうか?
そうかもしれません。
しかし、どちらかというと稼いでいる人は「お金が要らない」ではなく、自分でやらなくてもいいものは金で解決してしまい、「自分にしかできないこと」のために時間をとっておく、と考える人が多いと感じます。
タクシーの使い方を見てもそうです。あまり稼げていない人が、タクシーを使う場面といえば、飲み会で電車を乗り過ごした時や会社の経費で落ちる時というのが多いのではないでしょうか。
要は仕方なく乗る、あるいは自分の懐が痛まない時に限られるのではないかと。
彼らにとって重要なのは「費用の最小化」です。
一方、稼いでいる人は「自分の時給」✕「短縮できる時間」が、タクシー代を上回る場合、「積極的に使うのが当たり前でしょ?」と考えます。
つまり、彼らにとって重要なのは、費用の最小化ではありません。「稼げる機会の最大化」です。
「経営者は何をしないかを決めるのが仕事」だと、しばしば言われます。
もっと言うと、目の前に現れるやらないといけない事はやるのが当たり前であって、あとはそれを自分でやるのか、アウトソースするのかという判断を常にしていると。
これは、仕事に限らず、プライベートにおいてもです。
また、この考え方の違いは、借金に対する考え方にも現れます。
普通の人は借金自体の最小化、つまり借金すること自体を嫌がりますが、経営者等は借金(=資金調達)してもそれによって生み出せる価値が大きければ全く問題ないということになるわけです。
自分の時間価値を測っておこう
話をもとに戻したいと思います。じゃ、自分の時価ってどう評価したらいいんでしょうか?
金融商品、例えば株式市場で取引されている株式などであれば、時々刻々と投資家から評価されており、あなたが気にしないでも勝手に他者が値段を決めてくれます。
しかし、人間においてはそうはいきません。
「自分の価値」は、それほど明確ではありません。
では、どうやって自分の価値を判断すればよいでしょう。
会社員の場合、1番簡単なのは、今の会社における時給がそれに近いかもしれません。
もっとも、年齢が上がるとエスカレーター的に給料の上がる会社では実態を表していないケースもありますが。
あるいは、違った観点からの時価評価としては、最近流行りのスキル販売による判断もあります。
英語が話せる、プログラミングを教えられる、など人に提供できるスキルを持っているのであれば、それに値段をつけてみて買ってもらえるかを試すというわけです。
スキルだけが評価されるため、あなたの人間性といったその他の要素は全く評価の対象にはならないわけですが、時価評価という意味では非常に重要なのではないかと思います。
(出所:ココナラ)https://coconala.com
(出所:タイムバンク)https://timebank.jp
前回の記事で、自分の常識をまともに保つためにも副業とか複業を考えてみては、と述べました。
上のように、自らのスキルを晒して外の目に触れさせる、金融用語で言うと、普段評価されていない証券等の価格付けをすることを値洗いというのですが、まさに自分自身の値洗いという観点からも非常に重要だと思っています。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】 ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。
(2025/6/2更新)
ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ——
「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。
【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
【著者プロフィール】
著者:ひろすぎ
30代、都内勤務の兼業投資家。
どうやったら普通の人がお金に困らない暮らしをできるかを模索し、自ら実験する日々。株、不動産をはじめ、いくつかの事業を展開。趣味はお散歩とお酒、旅行です。
(Photo:John Ragai)