いつも通り、こういう話を可視化することにも何か意味はあるかなーと思ったので書いてみます。単なる女児育児の話です。
長女と次女は6歳の双子女児です。4月から小学校に通い始めまして、ご近所の同い年のお友達と一緒に、毎朝仲良く通学しています。長男の分も合わせて、自宅にランドセルが3つ並んでいるというのはなかなか壮観です。
双子ではあるものの、長女と次女の性格は随分違います。
長女はマイペースで頑固もの。没頭し始めた時の集中力は凄いんですが、エンジンがかかるまでそこそこ時間がかかり、またこれはやりたくないと思ったらテコでもやりません。甘えん坊で抱っこ好きです。
次女は社交的でおもてなし好き。やや泣き虫でよく泣くのですが、一方泣き真似をして遊ぶことも多い演技派です。甘えん坊で抱っこ好きです。二人とも、控えめに申し上げて超可愛いです。
長女と次女は、普段はよく一緒に遊びますし仲が良いのですが、やはりまだ6歳児であってよく喧嘩をします。おもちゃの取り合いだの、着たい服の取り合いだの、ごっこ遊びでやりたい役の取り合いだの、喧嘩の理由はバラエティ豊富です。
喧嘩をして仲直りをして、というサイクルを繰り返す内に、人間関係の築き方に慣れていってくれればなーと思っていまして、ちょこちょこ仲裁したり叱ったりもしつつ、基本的には二人の間での解決に任せていたんです。
ただ、最近ちょっと気になるケースが増えまして。
つまり、「長女が次女を嫌がらせて面白がる」というケースの頻度が上がってきたように感じていたのです。 例えば、次女がお絵かきをしようと置いておいた紙を、わざわざ選んで落書きしてしまったり。
次女が遊ぼうとして集めていた折り紙を隠してしまったり。次女が持ってきたテレビのリモコンを持っていってしまったり。
で、その度に、次女が「(長女の名前)ちゃんが〇〇したーー!」と泣きながら私や奥様に言いつけに来るわけです。
一つ一つはまあ、大人から見れば他愛ないと言えば他愛ないことですが、勿論大人から見た重要性と、子どもから見た重要性は全く違います。
大人にとっての「可愛いじゃれ合い」は、子どもの主観的には地球を滅ぼそうとするインベーダーの侵略であったりすることがあります。
子ども同士のトラブルというものは、決して軽く考えて良いものではありません。
個別のケースとしてはおあいこに見えるケースもあるにはあったんですが、
・次女→長女のいたずらに比べて、長女→次女のいたずらの頻度がかなり多い(体感的には9:1くらい)
・次女が結構本気で嫌がっているのに、長女がそれに気付いていない、ないしあまり気にしていないように見える
・叱るとやめるものの、叱った時の長女の謝り方がふざけ半分のように見えることが多い(叱り直すとちゃんと謝る)
これは一度ちゃんと話さないとな、と思い始めていました。
*
ある夜、寝る前に次女が着ようとしていた服を長女が横からとってしまったようで。
例によって、次女が半泣きで私に言いつけにきました。いいタイミングだと思ったので、長女を私の部屋に呼び出しました。きちんと叱る時は一対一で叱る主義です。
私はこの時、
「恐らく長女は、自分の気分としては次女と楽しく遊んでいるつもりなのではないか?」
「自分は楽しいものの、次女が本気で嫌がっていることに思い至っていない、ないし次女も楽しんでいると勘違いしているのではないか?」
という仮説を立てていました。
長女を勉強机の椅子に座らせて、私はパソコンチェアーに座って、ヒアリングから始めました。
以下、大体のやり取りです。長女はあまり饒舌な方ではないので、実際にはもっと受け答えに時間はかかっていますが、適当に省きます。
「長女ちゃん、次女ちゃんにいたずらしたの?」
「んー、いたずらじゃないよー。遊んでたの」
「けど次女ちゃん泣いちゃったよね。遊びなのに次女ちゃんは楽しくなかったのかな」
「(しばらく考えて)泣く、ごっこだと思う…」
大体想定通りです。 つまり、長女は、飽くまで主観的には「次女と遊んでいる」つもりだった、と。
次女が本気で嫌がっていることは、少なくとも強く認識してはいなかった。ごっこ遊びの延長、くらいのつもりだったんです。
まあ確かに、次女は割と頻繁に泣き真似遊びをするので、単に半泣きくらいだと本当に嫌がっているのかどうか判断しにくい、ということは無いでもありません。
ただ、これって、言ってしまえばいじめの萌芽、いじめと同じ構図なんですよね。
いじめている側は楽しい。けれど、いじめられている側にはたまったものではない。かつ、いじめられている側の苦しさ、悲しさをいじめている側は理解していない、あるいは少なくとも重視はしていない。
それが段々エスカレートして、周囲も巻き込んでいくのが典型的な集団のいじめなんです。
このままエスカレートすると、長女から次女のいじめの構図が固定してしまうだけでなく、他のいじめの萌芽にもなりかねない、と思ったんです。
一方で、次女も長女も決してお互いが嫌いなわけではなく、むしろ大好きで、一緒に遊びたいんですね。それは次女からもそうであって、一人で遊んでいるとすぐ「長女ちゃん一緒に遊ぼう!」と言い始めます。
取りあえず、少なくとも「自分が楽しいだけではなく、相手も本当に楽しんでいるのか、という点を考えて欲しい」と思ったので、こんな風に話しました。
「長女ちゃんは、多分次女ちゃんと楽しく遊んでるつもりだったし、楽しかったんだ、と思うんだ」
「うん」
「けど、次女ちゃんがホントに楽しいのか、ホントは嫌だと思ってるのか、というのもちょっと気にしてあげて欲しい。さっきのは多分、次女ちゃんは楽しくなかった。嫌がってた」
「うん…」
「遊ぶんなら、皆楽しい方がいいだろ?長女ちゃんは楽しいけど、他の皆は嫌がってて、その内長女ちゃんのこと嫌いになっちゃう、とか嫌だろ?」
「うん」
「だから、次女ちゃんが嫌がったら、それが遊びなのか、それともホントに嫌なのかはちゃんと確かめてあげて。で、嫌だったらやめてあげて欲しいんだ」
「うん」
という感じで、一応その場は納得してくれたらしく。その後はちゃんと次女のところにいって、「さっきはごめんね」と真面目な顔で謝れていました。
勿論長女も次女もまだまだ小さいので、これで解決だとは全く思いません。まだまだ似たようなことは起きると思いますし、長女にせよ次女にせよ、色々叱ることも、話すことも継続的に必要だと思います。
ただ、その時々で話すべきことを考えて、きちんと聞く、話す、相談する、ということを続けていけば、何かしらの言葉は心に残ってくれるんじゃないかなあ、と今は考えている次第なのです。
ちなみにこの時、もう一方のフォローとして、次女に「嫌な時は、ただ泣いてパパやママに言いにくるだけじゃなくて、「それは嫌だからやめてね」ってなるべく言ってあげて」という話もするつもりだったんですが、そちらは奥様がちゃんと、そのままの内容を話してくれていました。
何も意思疎通をしなくても自然と必要な部分を穴埋めをしてくれるしんざき奥様は有能過ぎると思います。
今日書きたいことはそれくらいです。
(2025/7/14更新)
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。
<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第6回 地方創生×事業再生
再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【今回のトーク概要】
自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”
【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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【プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
(Photo:stefanos papachristou)