ちょっとしたことなんですが、「そういえばそうかもなー」と思ったので書いてみます。

 

先日、会社同僚の親御さんとお話していて、「子どもを寝付かせる手間と時間」について話題に挙がりました。

 

その人が感じている問題点として、「子どもの就寝がちゃんとした習慣にならない」というものがあるそうでして。

8歳と5歳のお子さんがいるらしいんですが、

「夜になればなるほどテンションが上がる」

「お風呂から上がると遊びだす」

「遊びを中断させようとするとギャン泣きする」

「で、幾ら言っても全然寝ない」といったお話を聞いたんです。

 

睡眠時間、大事ですよね。子どもの睡眠時間確保についても、親としては色々と考えるところでして、私はどちらかというと「勉強時間なんぞより睡眠時間の方が遥かに大事」と考える方なので、子どもの寝せ方、就寝サイクルについては昔からあれこれ工夫していました。

 

しんざき家は、夕飯後、寝るまでの時間と挙動は結構きっちり決められていまして、

・ご飯はなるべく20時までに食べ終わる

・20時になったらテレビもゲームもおしまい、後片づけをして洗面所に移動して入浴する

・お風呂で暖まったらそのままパジャマに着替えて、歯磨きやらドライヤーやらを済ませて布団部屋へGO

・読み聞かせやお話をした後消灯、就寝

 

というような塩梅になっております。塾に通っている長男については、流石にこのスケジュールで動けない曜日もあるんですが、7歳の長女次女はほぼこのタイムテーブル通りに動けていて、消灯の時間も21時を大きく過ぎることは殆どありません。

 

で、子どもたちも、このスケジュールに文句を言うことは基本的になく、きゃっきゃ騒ぎながらも大体寝る方向に動いてくれますし、布団に入ったら割とすぐに寝てくれます(寝つきが悪い日が全くないわけではないですが、まあ月に数日あるかないかくらいです)。

 

つまり、基本的には「決まった時間に寝る習慣がちゃんと出来ている」といっていい状態だと思います。

 

じゃあ何でしんざき家では上手いこと睡眠習慣を定着させられているのか?と考えた時、しんざき家の子どもたちが飛びぬけて素直で寝つきやすいのか?とか、私や奥様の誘導が余程上手いのか?というと多分そういう訳では全然なく、ポイントになってくるのは「インフラと動線」じゃないかなあ、と思ったんです。

 

***

 

しんざき家の住居は三階建てでして、お風呂や洗面所が三階にあります。で、同じフロアに布団部屋もあります。

間取りを図解するとこんな感じです。

図にすると分かりやすいですね。

すいません、「なんだこの落書き」と思った人は、一旦その言葉は胸に収めておいてください。世の中には、指摘しても誰も幸せにならないこともあります。

 

で、二点工夫として、

・洗面所から布団部屋までの間に動線を妨げるようなものが何もない

・布団部屋には読み聞かせ用の絵本と着替えと布団以外には何もない

ようにしてあります。

ついでに、「2階は消灯して暗くなっているのでそっちに行くのは怖い」という事情も恐らくあります。

 

つまり、

「お風呂を出たら、着替える為に自然と布団部屋にいくことになる」

「布団部屋にいったら、基本的には読み聞かせして布団に入る以外やることがない」という動線にしてあるんです。

 

子どもたちは入浴剤をお風呂に投入するのが大好きで、お風呂が沸いたら割と自然とお風呂には移動しますので、ベルトコンベアー的に「リビング→洗面所、お風呂→布団部屋」という遷移をすることになります。

しんざき家で上手いこと習慣が根付いた理由として、一番大きいのは多分そこじゃないかなーと。

 

冒頭同僚の方に「間取り」の話をしてみたところ、「あ、確かに、風呂場と寝る場所の間にリビングがあるわ…」と言われまして、「寝る場所を風呂場の隣にうつしてみる」とおっしゃっていたので、それで改善するといいなあと。

 

勿論のこと、子どもの寝付かせ事情は家庭によって違います。

親が帰れる時間、子どもがご飯を食べる速さ、子どもの寝付きやすさなんかによってもまるで変わってきますし、その辺は一般化することが難しいです。

だから、「これで全てが解決する」などというつもりは毛頭ないんです。

 

とはいえ、「同じような環境」「同じような年齢、性質」「けれど習慣が上手く根付かない」みたいなことはよくある話で、そういう時には割と「動線とインフラ」という視点が抜け勝ちで、「動線を改善したらあっさり解決しました」というケースは、そこそこの頻度であるような気がしているんです。

 

***

 

これは一般的に言っていいと思うんですが、「習慣づけ」って言葉にすると簡単なのに、実際やろうとすると難しいです。子どもでもそうですが、大人でもそうです。

 

例えばの話、今しんざきは、朝イチのランニングを習慣化しようとしています。

人間の意志というものは基本脆弱なものと思っておいた方が間違いなく、「〇〇しようと決意する」というのは基本無意味です。

決意しただけで習慣を根付かせられる人というのは、存在しないとまでは言いませんが、まあ稀有でしょう。

 

「ランニングシューズやらランニングウェアやらを購入して、お金をかけることで自分の逃げ道を塞ぐ」という手段は一応あって、取りあえず私がとっているのはこの方法です。

 

「誰かに続けるように口うるさく言ってもらう、ないし応援してもらう」という方法も勿論あって、ジムなんかでとられているのはこの手法でしょう。

「誰かを巻き込んで一緒にやる」という方法もこれに準じます。

 

ただ、恐らく「習慣を根付かせる方法」として最強なのは、「自然に動くと、勝手にそれをやっていることになる」という動線とインフラの整備なのではないかなあ、と。

なので、ランニング習慣づけの場合の最終手段は「自転車を捨てる」「その為、会社に行く際にランニングで行かざるを得なくなる」ではないかなあ、と私は考えているわけで、いや今のところは上記の手段で続いているのでまだそこまでする予定はありませんが。

 

当然のこと、子どもについてもそれは同じで、親がどれだけ口うるさく言っても、根付かないもんは根付きません。

「〇〇が習慣にならない」と嘆く人は、まず「それをやりやすい動線は確保出来ているか」「自然とそれをやっていることになるインフラの整備は不可能か」ということを考えてみてもいいんじゃないかなあ、と。

 

睡眠習慣の話をきっかけに、そんな風に考えた次第なのです。

しんざき家の子どもたちの現状最大の課題は「皆後片付けが苦手」ということでして。次女はまだ割とまめに片づけられるんですが、長男と長女はかなりの散らかし屋さんです。

 

目下、「自然に片づけをすることになる」という動線、インフラを構築するにはどうすればいいかなーと考えているところでして、そちらで成果が出せたらまた別途ご報告しようと思います。よろしくお願いします。
今日書きたいことはそれくらいです。

 

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安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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2025/7/14(月) 16:30-18:00

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(2025/6/2更新)

 

【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

(Photo:ajari)