こんにちは。株式会社わたしは、の竹之内です。
前回の広報部で発表させていただいた、株式会社わたしは meets リアルサイタマノラッパー”Hawknest” 社歌制作プロジェクト、「あったまひとつ」。
これは、作詞:弊社人工知能 作曲・編曲:Hawknestの、史上初の人工知能とラッパー、そして大喜利プレイヤーとのコラボレーションプロジェクトです。
今週はこのプロジェクトのコンセプト「あったまひとつ」に託す、私どもの想いをご紹介したいと思います。
私たちが大喜利人工知能のサービスを作る会社を起ち上げようと決めて、まずはじめに取り組んだのが「大喜利」という演芸を深く理解することでした。
それは、大喜利というコンテンツの誕生とその変遷という歴史的理解に始まり、笑芸の中での大喜利の位置づけ、大喜利が持っているゲームとしての性質、など多岐にわたる研究でした。
そして何よりも、これまでに作られてきた膨大な数の大喜利作品と向き合い、なぜこれらがこんなにも面白いのか、その秘密を解き明かすことに多くの時間と議論を重ねてきました。
しかし、その過程でふと思ったんです。
どうしてこんなにたくさんの大喜利作品が世の中にあるのだろうか?、と。
私たちが収集し研究してきた大喜利作品のうち、芸人さんが作られたものはごく一部で、そのほとんどは「お笑い」を職業にしていない方によって作られたものです。
だとすると、これほど多くの大喜利作品を作り出す、そのモチベーションとはどのようなものなのかをもっと深く知る必要がある、そう考えるようになり、そこから、私たちのフィールド調査が始まりました。
・大喜利ライブイベントを主催されている方
・お笑いラジオで多くの作品を読まれる伝説のハガキ職人
・ケータイ大喜利のレジェンド
・ニコ生でほぼ毎日大喜利の生放送をしている生主さん
・ネット大喜利界の有名人
・大喜利を題材にする漫画家さん
・アマチュア大喜利界トップクラスの大喜利プレイヤーの方
など、北は仙台から南は鹿児島まで、全国各地のたくさんの方に実際にお会いし、お話を伺いました。
また、リアルなイベントとして行われている、大喜利の大会にも何度も足を運びました。
戦ikusa―大喜利団体対抗戦2016-(2016年3月26日@茨木クリエイトセンター(大阪))
それぞれ大喜利をするモチベーションは様々でしたが、唯一共通することは、面白いことが大好きで、自分の作り出す「笑い」にプライドを持っているということです。
私は、そんな彼らの大喜利にかける熱い情熱を、とても尊いものだと感じました。
「あったまひとつ」
このコンセプトは、私どもが大喜利プレイヤーの方々に感じた尊敬の気持ちを表現したものです。「身一つで勝負する」。現代となっては、どこか懐かしい響きすら覚えてしまう言葉です。
ただ、大喜利プレイヤーの方々に感じた「自分の笑いに対しての誇り」は、どこかそれに近いものすら感じます。
大喜利プレイヤーの方たちは、その頭脳から絞り出したボケのみ、つまり「アタマひとつ」で勝負し、他の人よりも「アタマひとつ」抜きん出たいというプライドを持っています。
しかし、そのストイックなまでに頭脳を刺激し合う戦いの果てには、ライバルであり戦友となった仲間との、強い結びつきが生まれているのです。
「心で繫がる」なんて野暮な結びつきではなく、大喜利を通して笑いを取り合うその瞬間、彼らはその「アタマでひとつ」に繋がっている、そう考えたんです。
「あったまひとつ」に託す想いは他にもあります。
私たちが開発しているAIは、そういった気高い大喜利プレイヤー達の頭脳が生み出した、笑いの結晶=集合脳のとしての人工知能です。
言い換えてしまえば、大喜利βは大喜利プレイヤーたちの「アタマをひとつ」にすることでようやく作り出されたものだと考えています。
ただお気づきの方もいるでしょう。「あ」と「た」の間に入っている「っ」の存在に。
大喜利プレイヤーの方々は、直截に感情を表現することに照れや野暮ったさを感じるウィットを持たれた方たちです。そんな方たちへのアンサーソングのコンセプトが「あたまひとつ」ではいけません。
私どもが託すコンセプトにもユーモアを。そう思い「あったまひとつ」としました。
この「あったまひとつ」に含める他の意味のヒントは、攻殻機動隊、爆笑問題カーボーイ、ドラえもん、etc…
こんな遊び心も入れつつ、プロジェクトは始動しています。
P.S.
プロジェクトのコンセプト「あったまひとつ」を一緒に考えてくださったのは、私が信頼するコピーライターの野澤淳さん(ブルース株式会社)です。
野澤さんには心よりの感謝の意を込めて、「トウキョウノコピーライター」の肩書を付けた、「株式会社わたしはオフィシャル名刺」(竹之内のへたくそデザイン)をお贈りいたしました。
ブルースの野澤さん、そして河村さんありがとうございました。
こちらはブルースのオフィスにお邪魔してプロジェクトについて相談させていただいた際に、河村さんが撮ってくださった素敵なフィルム写真です。
(竹之内のポーズは10年以上前にドランクドラゴン塚地さんが開発