やめたくてもやめられない習慣がある。逆に、やりたくても実行できない習慣がある。
例えばAさんにとって、前者は、喫煙、浪費、暴飲暴食などであり、後者は運動、勉強、早寝早起きなどだ。
Aさんは、3年前から喫煙をやめ、毎朝走るようにすれば、今頃どんな健康な体を手に入れていたかを想像する度に、「ああ、なんでオレは意志が弱いんだろう」と暗くなってしまう。
このままではおそらく5年たっても、10年たっても、この習慣を手に入れることはできない、そう思って一念発起してみても、1周間も経たないうちにまた元の生活に戻ってしまう。
Aさんはこの前あるwebサイトで、「物事を習慣化する10の法則」という記事を見た。
宣言をして目標を立てろ、ご褒美を用意しろ、スケジュールを作れ、仲間をつくろうなど、どこかで見たようなライフハックの記事だ。でも結局ダメだった。目標も立てず、ご褒美なんて思いつかない。仲間もいないし、スケジュールに至っては想像だにしない。
ああ、また今回もダメだった、とAさんはため息をついた。
果たして、この人はダメな人なのだろうか。何事も始められない、実行しない、口だけの人なのだろうか。
私はそうは思わない。「習慣化」は実際にはだれでもできることだ。
しかし、適切に行われなければ、習慣化はつらく、苦しいだけで全く成果をあげることが出来ない。
例えば喫煙をやめたい、ということに対して100%効果のある策はあるだろうか。
100%は残念ながら無い。しかし、私の知る限り、最も多くの人が禁煙に成功している事例がある。
それは、「子供が喘息になったので、禁煙した」であったり、「ダンナさんのタバコのせいで奥さんの肺に汚れが見つかり、禁煙した」という事例だ。
運動はどうだろうか。単に「痩せたい」で運動の習慣化に成功した人は少ない。
しかし、「お父さんがカッコ悪いと、娘が皆に冷やかされる」であったり、医者から「このままだと糖尿病になります。家族に負担がかかります」と言われて、運動の習慣化ができない人はあまりいない。
結論を言おう。8割9割の人が習慣化に成功する共通の要因は、「その習慣が、自分のためではなく、大切な人のためにやっている」ということだ。
本質的に人は「自分のため」には怠けてしまう。「大事な人のため」には、怠けることができない。
「あの人のために頑張ろう」
「あの人が喜んでくれるから一生懸命やろう」
そういった事が見つかれば、ほとんどの習慣化は成功する。
「大切な誰か」のためにやろう。自分のためでなく。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)