a0002_011526やめたくてもやめられない習慣がある。逆に、やりたくても実行できない習慣がある。

 

 

例えばAさんにとって、前者は、喫煙、浪費、暴飲暴食などであり、後者は運動、勉強、早寝早起きなどだ。

Aさんは、3年前から喫煙をやめ、毎朝走るようにすれば、今頃どんな健康な体を手に入れていたかを想像する度に、「ああ、なんでオレは意志が弱いんだろう」と暗くなってしまう。

このままではおそらく5年たっても、10年たっても、この習慣を手に入れることはできない、そう思って一念発起してみても、1周間も経たないうちにまた元の生活に戻ってしまう。

Aさんはこの前あるwebサイトで、「物事を習慣化する10の法則」という記事を見た。

宣言をして目標を立てろ、ご褒美を用意しろ、スケジュールを作れ、仲間をつくろうなど、どこかで見たようなライフハックの記事だ。でも結局ダメだった。目標も立てず、ご褒美なんて思いつかない。仲間もいないし、スケジュールに至っては想像だにしない。

ああ、また今回もダメだった、とAさんはため息をついた。

 

 

果たして、この人はダメな人なのだろうか。何事も始められない、実行しない、口だけの人なのだろうか。

 

私はそうは思わない。「習慣化」は実際にはだれでもできることだ。

しかし、適切に行われなければ、習慣化はつらく、苦しいだけで全く成果をあげることが出来ない。

 

例えば喫煙をやめたい、ということに対して100%効果のある策はあるだろうか。

100%は残念ながら無い。しかし、私の知る限り、最も多くの人が禁煙に成功している事例がある。

それは、「子供が喘息になったので、禁煙した」であったり、「ダンナさんのタバコのせいで奥さんの肺に汚れが見つかり、禁煙した」という事例だ。

 

運動はどうだろうか。単に「痩せたい」で運動の習慣化に成功した人は少ない。

しかし、「お父さんがカッコ悪いと、娘が皆に冷やかされる」であったり、医者から「このままだと糖尿病になります。家族に負担がかかります」と言われて、運動の習慣化ができない人はあまりいない。

 

 

結論を言おう。8割9割の人が習慣化に成功する共通の要因は、「その習慣が、自分のためではなく、大切な人のためにやっている」ということだ。

本質的に人は「自分のため」には怠けてしまう。「大事な人のため」には、怠けることができない。

 

「あの人のために頑張ろう」

「あの人が喜んでくれるから一生懸命やろう」

 

そういった事が見つかれば、ほとんどの習慣化は成功する。

「大切な誰か」のためにやろう。自分のためでなく。

 

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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)