「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」(一般社団法人ペットフード協会)によれば、猫を飼っている人の割合は60代で10%、70代では8%程度となっている。

一方、生活環境等の向上により、同調査では猫の平均寿命は15.45歳まで延びている。

 

コロナ禍で猫などのペット飼育頭数が増えたとされるが、保護猫施設運営のネコリパブリックでは、飼い主が、高齢であることを理由に保護猫の引受をためらうケースが少なくないという。

「私たちの施設にお越しくださる方々の中には、高齢を理由に引受をためらう人がかなりいます。自分たちで救える命があるなら救いたいと思っている方が多く、保護した猫を我が子のように可愛がってくださるのですが、しかしそれゆえ自分に万一のことがあったらと思うと安易な気持ちでこの子を引受ることが出来ないとおっしゃるのです。」

とネコリパブリックの河瀬麻花社長は高齢飼い主の現状を吐露する。

 

事実、飼い主の老齢に絡む理由でペットが自治体に持ち込まれている。

福岡県などによると、北九州市と久留米市を除く県内58市町村で、飼い主の死亡、長期入院、施設入所などの理由で引き取った犬猫は、17年度は148頭。飼い主からの引き取りの3割を占めた。新たな飼い主が見つからなければ殺処分されている。

「人生の最後まで安心してうちの子と過ごせるようになるには、自分に万一のことがあったときの引受先が保証されれば良いのではないだろうかと考え、ペット信託等を視野に入れて検討していたところ、あるときFrichさんのP2P互助の仕組みを知りました。」
ペットの死因贈与については既に「ペット信託」という手法が先行している。

飼い主(委託者)が特定の保護施設や個人など飼育者を指定した上で、飼育費の管理者(受託者)と信託契約を結び、金融機関に信託専用口座を開設して飼育資金を移す。

 

飼い主に万一のことがあったときに信託が開始され、ペットは指定された飼育者に引き取られて、飼育者には専用口座から飼育費が支払われる。

ペットのための信託は相続財産からは切り離されるため、専用口座の資金が相続人による争続に巻き込まれることはない。また、契約次第で存命中であっても飼育が困難になった時点で信託財産を使うことが可能となる。

 

しかし「ペット信託」はまとまったお金と手間がかかる点がデメリットだ。とあるNPO法人が扱うペット信託では、犬1頭につき200万円、猫は150万円ほどが必要で、それとは別に入会金と登録料、年会費がかかるという。

ネコリパブリックでは、まとまったお金を用意できない方にも安心して使ってもらうため、費用を極限まで抑え、月額5,000円とした。

 

一方、ネコリパブリックが引き取ることをあてにして安易な気持ちで保護猫を飼育する飼い主を増やさないようにするため、また保護猫を家族として大切に飼育してもらうためにFrichのP2P互助を選んだ。

P2P互助では、保護猫を引受けた者同士がインターネット上で継続的に繋がってコミュニティをつくる。

コミュニティでは、オンライン飼育相談ができたり、ネコリパブリックが運営する保護猫カフェを割安で利用することでリアルな情報交換も出来る。

 

Frichの富永源太郎CEOは「コミュニティ内で人的な繋がりを形成・強化させるこの仕組みは、ピアサポートと呼ばれる共助メカニズムを機能させることにつながり、安易な飼育放棄等を未然に防ぐ効果が期待できる」という。

「飼い主にとっては、自分の死後、飼育が適切に行われるのかが大きなポイントになりますが、ネコリパブリックでの手あついケアに加えてP2P互助のコミュニティによるチェックでしっかりカバーされると思います。」

両社では、この「ねこふく」の制度を通じて保護猫の適切な譲渡・飼育促進に繋げていきたい考えだ。

 

ねこふく:https://frich.jp/necofuku-lp

 

また、「経済的理由からペットを飼うことができなくなった」

「介護施設に入居することになった」など、近年飼い猫を手放す理由が多様化してきていることから、両社では、今後もそうしたリスクをカバーできるサービスを順次追加していきたいとしている。

 

<「ねこふく」のサービス内容>

①飼い主の死亡保障
飼い主が死亡した場合、ネコリパブリックが飼い猫を引き取ります。

②飼育に関するオンライン相談
飼育に関するお悩み相談にのります。

③猫部屋割引
保護猫カフェネコリパブリック(直営店のみ)の利用時に、
猫部屋料金がいつでも10%割引となります。
飼い主同士のリアルでの交流の場にもなります。

④オンライン保護猫カフェ
ネコリパブリックが運営する保護猫カフェの限定お宝動画を見ることができます。

⑤ネコリパグッズ割引
ネコリパブリックオリジナルグッズが割引価格で購入できます。

・受付開始
2021年12月1日から

・料金
月額5,000円
* 飼い主が65歳未満の場合は月額3,000円

・条件
完全室内飼いであること
不妊手術済みの猫であること
血液検査済みの猫であること(必須項目 ALP,GPT,BUN,CRE)
ネコリパブリック所定の診断書をかかりつけ獣医師に診断後押印証明してもらうこと
室内飼いを始めてから1ヶ月以上経過した後に猫エイズ・白血病ウィルスの検査済で
あること(現在白血病陽性の子は受け入れができません)

・加入方法
ネコリパブリック各店舗で受付
https://www.neco-republic.jp/shop
*ネコリパブリックで譲渡していない猫ちゃんの受入れもできますが、事前に対面での受入れ審査等をさせていただきます。
*審査なしに加入することはできません

 

 

(本記事はFrichオフィシャルブログからの転載です)

 

 

【著者プロフィール】

Frich(フリッチ)は、P2P互助プラットフォームを提供するインシュアテックスタートアップです。

市場規模が小さいなどの理由で成立しなかった「ニッチなほけん」を開発しています。

https://frich.jp/ 

https://frich.co.jp/