何年も前になりますが、やりたい領域が固まりつつあった頃でしょうか。
「〇〇をやりたいんですけど、どこからやればいいですかね?」
みたいなたわいも無い話をしていた時に、いつもお世話になってる先輩から言われたことについてお話します。
*
昔から、イベントは参加するよりも運営側にいったほうが勉強になると言われます。
実際、学生時代に私はいろんなイベントを企画することで、運営ノウハウにとどまらず、スピーカーとの人間関係、イベント関係者の関係まで得られることは実感として持っていました。
だから、その先輩と話していた時にも「イベントは参加よりも運営ですよねー」と話を合わせていました。
すると、先輩からは、
「でも、そういうイベント企画とかにとどまった話ではないんだよねー」と。
ん、すると?知識をアウトプットし続けることで専門家としてのタグをつけろ、みたいなあれか、と思い、
「社会人になってからは、自分の業界の世話人になる的な活動もやってますよ。」と返しました。
自らの専門性を外に発信して機会を得る行為は、自分も普段から意識をして取り組んでいることの一つでもあります。
会社員であっても、業界の活性化や横のつながりを意識した情報交換は重要です。
すると、先輩から再び「いや、違う、それは自分が知ってる、あるいは詳しいと思う分野でやるやつよね。」と言われました。
「今の自分でやれる事に絞って言っているんだとしたら、ちょっと違うんだよね。知っている世界で存在感出すのはまぁ否定はしないけど、むしろ、知らないことで、すっと簡単に手をあげるというのが重要ってことね」と言うのです。
「いい例かわからんけども」と彼は前置きし、経済ジャーナリストとして知られる荻原博子氏の話をはじめました。
彼女は実態も含めていうと、おそらく「経済」ではなく、元々は「家計収支改善」が専門でした。
しかし、家計のご意見番から、どこかのタイミングで「経済ジャーナリスト」とやらに格上げ?されたというのです。
「彼女がすごかったのは、多分最初はそんなでもなかったが、テレビに出続けたことだよ」と、先輩は言いました。
先輩は別の人も紹介してくれました。
「自分の田舎に詳しい、いろんなつながりを持っている友人がいるんだけれども、彼はもともとその地元の事が詳しいのか?と聞いてみたら、実は違ったんだよね。」と。
実態としては、その田舎についてのイベントを立ち上げているうちに、情報通の知人が増えたり、本当の専門家とも近くなって、「地元の発信者」という見られ方をするようになったそうです。
今じゃ、その地域の相談するのに、彼がいなきゃ始まらないほどになってる。
今も、専門家に情報が集まるのは間違いないでしょう。
けど、「小賢い人」は、先が見えていないと始められない、取り組めない。「専門家」になるまで発信をためらっていては遅すぎるのです。
むしろ「手を挙げてみる」ことで情報が集まってくる。
彼は、学生時代に、キャバクラなどにお花や出身地域の特産品を届けるビジネスをやっていたそうです。
別にそういう世界が好きだったわけではないが、自分でビジネスがやりたかったと。
そこで、目の前にいるお客さんにサービスを届け、売り上げを上げていった。
どんなマーケティング調査よりもリアルな商売を一つ一つこなしていった。
さらに、自分でモノを売るだけではなく、他人の販売を支援するようになり、ビジネスは拡大していったといいます。
今では社長になり、多忙な中のランチタイムに金融機関のトップと会食をしながら、マクロ経済の話を聞くようになっているとのこと。
*
今は知っていなくてもいい。
だけれども、こうなりたいという方向に向けて、一つ手をあげてみる。
そうすると、こういうのは知っているか?と勝手に情報が集まってくる。
自分で能動的に情報を取りに行くというのは好きだったり、興味があることでなければ非常につらい、高い意識を必要とするような行動です。
でも、そういうタグをつけて手をあげた途端、困っている人が相談しに行くでしょう。
最初は話を聞くしかできないかもしれません。
でも、その後に努力して、そこに適切な人を紹介する、あるいは自社サービスや提供できるリソースがあれば提供していけば、重要な情報が勝手に集まってきます。
重要なのは、そこに課題がある、あるいは機会があるということを公言することです。
つまり、正しい順番は、
・詳しくなる ⇨ 価値を提供できると判断して旗をあげる、ではなく、
・まず旗をあげる ⇨ 詳しくなる過程を楽しみながら、巻き込んでいく。
大事なのは、「最後どうなるか」は分かっていなくていいということです。
時間をかけて知見を増やしても、相手の期待値は常に動きますので、結局は「さらなる学習」が必要だからです。
皆さんも覚えがあるのではないでしょうか。
私にはたくさんあります。
なので、まず手を挙げてみる、そして学習し続ける、
これが良いのではないでしょうか。
もちろん「続けられるか」は不安です。
ですので、趣味or好きという言葉を使うのがいい。
それを公言してしまう。
これを趣味でやってます、これが好きです、といってしまえば、そこまでハードルを感じる事なくやれるはずです。
自然と勝手にこれ知ってますか?あれ良いですよね?と情報が集まってくる。
SNSやニュースサイトで気に入ったサイトに登録し、その後自動的に情報がはいってくるようになる、まさにあれを目指すような感覚です。
「何かを達成したいと思ったら、「勉強」にとどまらず、まずは「やります」と手を挙げてみて、それをあげ続けて行きましょう。」というお話でした。
(2025/5/8更新)
人手不足 × 業務の属人化 × 非効率──生成AIとDXでどう解決する?
今回は、バックオフィスDXのプロ「TOKIUM」と、生成AIの実務活用支援に特化した「ワークワンダース」が共催。
“現場で本当に使える”AI活用と業務改革の要点を、実例ベースで徹底解説します。
営業・マーケ・経理まで、幅広い領域に役立つ60分。ぜひご参加ください!
こんな方におすすめ
・人材不足や業務効率に悩んでいる経営層・事業責任者
・生成AIやDXに関心はあるが、導入の進め方が分からない方
・属人化から脱却し、再現性のある業務構造を作りたい方
<2025年5月16日実施予定>
人手不足は怖くない。AIもDXも、生産性向上のカギは「ワークフローの整理」にあり
現場のAI・DX導入がうまくいかないのは、ワークフローの“ほつれ”が原因かもしれません。成功のカギを事例とともに解説します。
【内容】
◯ 株式会社TOKIUMより(登壇者:取締役 松原亮 氏)
・AI活用が進まないバックオフィスの実態
・AIだけでは解決できない業務とは?
・AI活用の成否を分ける業務構造の見直し
・“人に任せる”から“AI×エージェントに任せる”時代へ
・生産性向上を実現した事例紹介
◯ ワークワンダース株式会社より(登壇者:代表取締役CEO 安達裕哉 氏)
・生成AI活用の実態
・「いま」AIの利用に対してどう向き合うか
・生成AIに可能な業務の種類と自動化の可能性
・導入における選択肢と、導入後のワークフロー像
登壇者紹介:
松原 亮 氏(株式会社TOKIUM 取締役)
東京大学経済学部卒業後、ドイツ証券に入社し投資銀行業務に従事。
2020年に株式会社TOKIUMに参画し、当時新規事業だった請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」の立ち上げを担当。
2021年にはビジネス本部長、2022年より取締役に就任し、経費精算・請求書処理といったバックオフィスDX領域を牽引。
業務効率化・ペーパーレス化の分野で多くの企業の課題解決に携わってきた実績を持つ。
安達 裕哉 氏(ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO)
Deloitteで大手企業向けの業務改善コンサルティングに従事した後、監査法人トーマツにて中小企業向け支援部門を立ち上げ、
大阪・東京両支社で支社長を歴任。2013年にティネクト株式会社を設立し、ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年には生成AIに特化した新会社「ワークワンダース株式会社」を設立。生成AI導入支援・生成AI活用研修・AIメディア制作などを展開。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計71万部を突破し、2023年・2024年と2年連続でビジネス書年間1位(トーハン/日販調べ)を記録。
日時:
2025/5/16(金) 15:00-16:00
参加費:無料 定員:50名
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
こちらウェビナーお申込みページをご覧ください
【著者プロフィール】
著者:ひろすぎ
30代、都内勤務の兼業投資家。
どうやったら普通の人がお金に困らない暮らしをできるかを模索し、自ら実験する日々。株、不動産をはじめ、いくつかの事業を展開。趣味はお散歩とお酒、旅行です。
Twitter:https://twitter.com/hirosugi00
(Photo by Tim Mossholder on Unsplash)