ソリマチ株式会社SMB事業部の吉井です。
冬は年末調整、確定申告、そして3月決算の会社は申告と、何かとやらなければならない事務処理が増えるので、大変です。
さて、今回は私が担当する「マーケティング」について、お話をさせていただきたいと思います。
マーケティングの権威であるフィリップ・コトラーは「マーケティングは価値創造」*1と述べました。
理想を言えば、マーケティング活動はセリング(販売)を不要にする、つまり「商品」と「サービス」の総体をうまくプロデュースし、それを広く知らせることで、売り込まなくても売れることを目指すのが、マーケティングです。
しかし、我々は「商品」を大きく変える訳にはいきません。
多くのお客様が既に利用いただいており、大きく変えるとお客様の戸惑いにつながるということもありますが、会計は国内共通のルールによって行うものなので、「画期的な会計のルールに基づき商品を創る」という行為は存在しません。
本質的に、会計ソフトは似通ってきます。
中小企業・個人事業者向けの会計ソフト市場においても、競合各社が個性を打ち出そうと頑張ってはいますが、最も大切なのは「ルール通りの会計処理ができること」なのです。
そこで各社は徐々に、
「使いやすいですよ」
「低コストですよ」
「移行が簡単ですよ」
と言った、会計ソフトの主要な機能ではない部分を充実させることを試みるようになります。
もちろん、使いやすさやコストは重要です。しかし、これらの話はお客様にとって、長期的にソフトを利用するかどうかの本質的な理由にはなりません。
私たちが現場でお客様の利用状況を見ると、結局のところ会計ソフトにお客様が求める事の本質は
「ソフトウェアのサポートが充実していること」と
「会計・経理、税務などについてのナレッジが提供されること」
なのです。
これがお客様の真の欲求です。したがって、当たり前のことを当たり前に、高品質に提供する会社が、支持されるのです。
したがって、マーケティングの定義が示すように、お客様の方を向くならば必然的に「カスタマーサポート」と「情報発信」が重要になることは間違いありません。
サポートについては、前回ご紹介したように、既にかなりの体制を作ってお客様に当たっていますが、「情報発信」となると、これが結構難しいと感じています。
なぜなら「お客様がどんな情報がほしいのか」については、お客様から常に出てくるわけではないからです。
アップルが2007年に発売したiPhoneですが、その登場前に「iPhoneのようなものが欲しい」と言った人がいなかったように、本当にほしいものは、目の前に出されてから「ああ、これが欲しかった」と思うようなものです。
したがって、ここがマーケティング担当の腕の見せ所になるわけです。
とはいえ、何をやらなければならないのか、私も試行錯誤です。
その中の試みの1つが、この広報でもあるわけなのですが、もう一つやっていることがあります。それは「セミナーによる情報発信」です。
と言っても、通常のセミナーではありません。Ustream上でのオンラインセミナーです。
「みんなの経営応援セミナー」LIVEで学べるソリマチの無料オンラインセミナー
このセミナーは、ソリマチのお客様かどうかにかかわらず、すべての方が視聴することができます。
私が素人ながらもキャスターを務め、先日も医業に強い日本橋の会計事務所、丹羽会計事務所所長の丹羽先生による創業セミナーを開催、webを通じて多くの方にご覧いただきました。
専門的な内容が多く、講師の方々がほとんど士業の方のため、一般的な内容とはいえませんが、2015年の2月に開始したこれらは、講座数も30を超え、現在では3万人以上の方がオンラインで学習をされています。
ただ、単にセミナーをやればそれが情報発信になるか、といえば、そうではありません。
マーケティングはサポートと同様に「ニーズの先回り」が重要なので、導入事例を明文化をしたり、サポートや開発と組んで、操作方法のインストラクション動画を作成したりすることもあります。
例えば以下の事例は、「ラーメン青」さんの事例です。
正直言えば、「事例紹介」は特に珍しいものではありません。
しかし、我々のお客様の中心は数十万に及ぶ中小企業であり「店主が腕一本で道を切り開いていく」姿には多くの方の共感を呼ぶところではないかと思います。
「シリコンバレー色」を出すことだけが、事例紹介ではありませんし、我々のお客様にとってコンピュータはあくまでツールに過ぎないのです。
ちなみにこの「ラーメン青」さんですが、ラーメン激戦区の神保町、小川町付近では「きれいな店舗」「あっさり」と、独特の立ち位置を獲得しており、業界では珍しい、女性の店長さんなので、頑張って欲しいと思います。
なお、ラーメンについては様々なブログなどに紹介されています。
電話でのカスタマーサポート、web動画、そして、マニュアルの充実などの活動を通じてお客様や会計事務所の先生と価値を共創し、寄り添って歩んでいきたいと、様々な情報発信をしているのです。
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