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「広報」と「広告」のちがいは何にあるのか。
配信日:2017/6/21
さて、今回は「ニイナナ株式会社」の企業広報、
“「出張靴磨き」で千葉テレビの現代版「マネーの虎」に挑戦した結果…”
という記事について、考察します。
いいね!数こそ、200超と平凡なものの、ビューは7,000超、反響が大きかった記事でもあります。
さて、このコンテンツですが、「広報」と「広告」の違いを認識するのに良いコンテンツです。
なぜかと言えば、このコンテンツこそ「広報」の真髄を体現しているからです。
一般的に「広告」とは、次の特徴を兼ね備えています。
・目的は売上アップ、リードの獲得など短期的な成果
・商品のアピールを行う
・「悩んでいる人」「欲しい人」へ情報を提供する
つまり、広告とは「費用対効果」を金額という側面から測定すべきものとなります。
これに対して「広報」とは、次の特徴を持っています。
・目的は認知の向上とブランディングなど、「将来の顧客」を育てること。
・商品のアピールよりも、企業とそこで働く人々のアピールを行う
・「面白いネタを探している人」へ情報を提供する
つまり、広報とは「費用対効果」というよりも、「どれくらい認知されたか」「どのように認知されたか」が問題となるということです。
この違いを理解していれば、なぜニイナナ株式会社がこの広報記事を書いたのかは明らかです。
彼らは「出張靴磨き」を生業としているにも関わらず、一度もこの記事には靴磨きの話は出てきません。
逆に、「マネーの虎」もどきの番組に出演し、社長がボッコボコにされたという、「ネタ」を提供しているだけです。
しかしこれはある意味、ニイナナの経営者に対する親近感を産むと同時に、彼が何を思って経営を行っているか、という良い情報提供になります。
結果として、ニイナナは
「起業家マインドに溢れる会社」
「拡大中」
「社長は親しみやすい」
といった、お金では買うことのできない「イメージ」を得ることができたのです。
これが「広報」です。
「短期的な成果を産むもの以外にはお金をかけない」という企業も数多くあり、その事自体は特に問題があるわけではありません。
しかし、「長く存続できる会社」「ファンの多い会社」というのは、好ましいイメージを長く育ててきた結果であることも事実です。
人は「メリット・デメリット」だけではなく、「イメージ」で商品を選ぶことが多いのは、心理学ではもはや常識です。
広告などで商材の良さを訴えるよりも、「イメージ」をつくって、見込み顧客層を育てる行為もまた、決して無駄とはいえないのです。
(了)
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