「ベンチャー企業やってる先輩の意外な一面」についての話をしたいと思います。

 

将来に余計な面倒が生まれないよう、体をメンテする

お世話になっている先輩の1人で、どんなに忙しくてもジムと定期診断(健康診断、歯科など)は欠かさないという方がいます。

私は企業に所属していますので、健康組合の提供してくれる年1回の健康診断があります。

が、ベンチャー企業を経営されている方とかだと、自腹で健康診断を受診するというケースも珍しくはないとか。

 

で、その先輩に一度聞いたことがあります。

「先輩はなんでそんな忙しいのに、喫緊で必要なさそうな歯科検診とか含めてやってるんですか?タバコも吸わないし、気にしないといけないのはお酒くらいじゃないんですか?」と。

 

そうすると、過去の話をしてくれました。

その先輩は、まぁ傍目から見ても超絶忙しそうで、一時は自分でコントロールできないほどの仕事をやっていました。

そのせいか、ある時自身の体調を崩してしまい、その結果いくつかの仕事が流れてしまったことがあるとか。

 

関係していた人への謝罪などはさておき、「頑張ってやり切れたならまだしも、挑戦する場にも立てなくてうまくいかなかったことが悔やんでも悔やみ切れない」とその時に猛烈に反省したそうです。

そして、「もちろん、ベンチャーとして経営者の保険とかも入ることも考えたんだけど、あれは単に金銭的な保証に過ぎなくてだな。」と。

 

「ベンチャーのビジネスなんて、自分でコントロールできないことだらけだから、一度やらかした分、自分の体調くらいしっかり見ておきたくて。事前の工夫でコントロールできる不確実性は極力コントロールしたいって感じかな。だから、自分の体調に関する数字も管理するようになったし、数字で見づらいものについては専門家にアウトソースことにしたんだよね」と教えてくれました。

 

なるほど。

しかし、何かプラスのものが得られることにお金を使うのなら感情的にも理解しやすいですが、何も起こらないように準備することは誰にも評価されないし、どうも積極的になれません。

 

私の好きな著書の冒頭部分にも、このような記述があります。

治療より予防のほうがいいのは誰でも知っている。でも、予防のために何かをして高く評価されることはあまりない。

(引用)「ブラックスワン上」ナシーム・ニコラス・タレブ p.14プロローグ部分より

しかし、本業がどうなるかわからない度合いが高い分、自分にかかる不確実性を少しでも削っておきたいというのは大変理解できるところです。

それを単なる理解で終わらせずに、ちゃんと体現できているのは、この先輩が一度体を壊した事でその意味を本当の意味で理解されたからなのかもしれません。

 

オンが不確実性の塊になる程、オフラインでは測定可能な物で達成感

一方、こんな話も聞けました。

「自分を含め、経営者はトライアスロンやロードバイクを始める人が多い気がする。」と。

(ふむふむ。自分はやったことないけど、前述のように身体のコンディションを保つためというのもあるのかもしれない。確かにやってる人多いよなぁ。)

 

しかし話を聞くとどうやら「体のメンテ」とは違う目的があるとのこと。

「トライアスロンとかロードバイク、これはタイムが数字でわかる分、分かりやすいんだよね。あとは、自分がやればやる分成果もでる。あ、ちなみに言うと、これ体動かしすぎて健康には良くないかもね(笑)」。

 

健康に良いのかは自分にもよく分からないものの、自分だけの努力で着実な成果が感じられるものを生活に取り入れることにより、自分のメンタルを整理しているというのが実態のよう。

細かい事を言えば、コースによって、あるいは天候などによって、体調によって、左右されるタイムが、終わった直後に見える。

 

この分かりやすさがメンタルに良いという事らしいです。

経営者は人や金などのリソースをアロケーションする、ビジョンを描くなど大きな事をしている分、現場で感じられるような直接の実感や、やりがいは少なくなる。

KPIなどのダイレクトな数字は認識しているとしても、多くの不確実性を相手にしている人にとっては、「努力すれば前に進む」と感じられるものは、とても大切だと言う事なのかもしれません。

 

不確実性という観点でのポートフォリオ

まとめると、前段は、自分が置かれている不確実性を認めた上で、それに対応するための余裕や体制を整えておくという話。

一方、後段は、自分の影響下で何とかできる世界を持っておく事で、不確実性に対するメンタリティを整えておくという話です。

 

で、これらの「確実性」と「不確実性」をうまく配分する話は色々と応用が効きそうだなと思っています。

かく言う私も、自分なりに確実性と不確実性のポートフォリオを意識しています。

ただし、勇気のあるタチではありませんので、先輩とは逆パターン。

 

つまり、本業で割と確実性の高い事をやりながら、それ以外で不確実性を入れ込んでいる形です。

具体的には、勤めている企業でそれなりに仕事をして着実なキャッシュフローを得つつ、片手間ではありますが不動産賃貸業などをやっています。

金融機関も私の本業での確実性を評価し、お金を貸してくれているわけですね。

 

不動産なんて別に不確実性でも何でもないと思うかもいらっしゃるかもしれませんが、数億円の借入を行った上で、毎月自身の通帳から数百万円の金額が出入りするのは、慣れていない人からすると気が気でならないでしょう。

借入分を返済する前のキャッシュフローだけをみれば、本業の給料よりはるかに多い金額が振り込まれます。

 

面白いのは、この不確実性を適度にそこそこやってきた結果、あと数年すれば本業のキャッシュフローを超えてしまいそうで、不確実だったものが「新たな確実性の源泉」になりつつあるという事です。

私は会社でやることに一定の楽しみを持っていますので、今すぐにリタイアすることは考えていませんし、一部の人で流行っているFIRE(Financial Independence、Retire Early)を目指しているわけでもありません。

 

が、新たな確実性の源泉ができつつあることにより、メンタルにはさらに余裕ができ、本業の方でも割とやりたい事をやる、やりたくない事はやりたくないと言えるようになってきたように思います。

つまり、次は本業の方でも不確実性を取り入れられるようになりそうだと言うことです。

 

昨今、本業と副業で収入を分散化せよ、とかはよく言われるのですが、人は何となく不確実な事はなるべく小さくしていくことが進歩だという感覚になるのか、どうなるかわからないものなるべく抑えていこうという人が多いように思います。

 

しかし本当に重要なのは、いらない不確実性を排除した上で、避けられない不確実性を甘受する余裕を持つことです。

だから、時には逆にあえて確実性を敢えてとりにいくことで、メンタルを整えるポートフォリオを意識する。

こうした「確実性」と「不確実性」のポートフォリオは、非常に有意義なものだと私は考えています。

 

 

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システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。

岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。


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(2026/01/19更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

著者:ひろすぎ

30代、都内勤務の兼業投資家。

どうやったら普通の人がお金に困らない暮らしをできるかを模索し、自ら実験する日々。株、不動産をはじめ、いくつかの事業を展開。趣味はお散歩とお酒、旅行です。

Twitter:https://twitter.com/hirosugi00

Photo by Victoire Joncheray on Unsplash