あの時のことを覚えているかい?
ペイジとブリンはイケイケだったがiPhoneを丸々パクろうとしていた。(※1)
ジェフ(ベゾス)は相変わらず利益を出していなかったが経営は堅実だった。(※2)
ちょうどkindleを出した頃だったな。未だにユーザー・インターフェースは最悪なままだけど。今はクラウド事業でぼろ儲けしてるんだっけ?
ビル(ゲイツ)はマイクロソフトを退く直前だった。後任のバルマーは大声しか記憶にない。(※3)でもナデラは見事に立て直したな。アイツはエライよ。
そういえばイーロンもいたな。発売前からテスラロードスターのことは知っていたよ。かっこよかったよね。(※4)スペースXのファルコン1ロケット、オレにはお金を燃やしてるようにしか見えなかったね。(※5)
でも今テスラは時価総額6000億ドル超えてるらしいね。スペースXもよくやってる。今シリコンバレーのバトンを持っているのは間違いなくイーロンだ。成功を祈っているよ。
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IT業界、ここシリコンバレーは栄枯盛衰。
成功すれば英雄。その足元には屍累々。残っている人より消えた人の方が遥かに多い。
でもiPhoneはiPhoneであり続けている。
マルチタッチパネル、アプリによるカスタマイズ、そして日常的に音楽を聴いたり動画を見ること。
基本は何も変わってない。
そして今もiPhoneは人々が日常で持ち歩ける世界最高のコンピューターであり続けている。
まずはオレの後を快く引き継いでくれたティム(クック現CEO)に最大級の賛辞を送りたい。
売り上げ規模は当時の3倍、より強固になったAppleエコシステム、そして何よりも素晴らしいのはアップルが世界最高のブランドであり続けていること。
本当に本当に感謝している。
ありがとうティム。
そして、支えてくれているフィル(シラー)、エディ(キュー)、ジョズ、クレイグ(フェデルギ)も長くいてくれてありがとう。
ジョニー(アイブ)はもう辞めちゃったけど好きなことやればいいさ。
いつかこちらで一緒にまたクールな製品を作りたいな。
そして世界中のアップル従業員、アップルストアスタッフに本当に感謝するよ。
本当に本当にありがとう。
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さて、今日は新しいiPhoneの紹介をしたいと思う。
iPhone15だ。
紹介に入る前に1つだけ先に言わせてくれ。
iPhone15シリーズのコネクタは全てUSB-Cだ。
これは決してビッグニュースではない。
USB-C採用の理由はたった1つ。ライトニングが役割を終えたからだ。
本当にそれだけだ。
説明はしておこう。
初代iPhoneを発明した当時、コネクタの役割は非常に重要だった。
充電はもちろん「同期」が必要だったからだ。
写真、音楽、メールをMacとiPhoneのお互いでシームレスに同じデータを扱うこと。
それを安全かつ様々な著作権も守った上で同期し、ユーザーがストレスなく使えること、
それにはめちゃくちゃ拘ったよ。
だから当時最速だったfirewireケーブルを採用した。
必然的にコネクタをApple独自に発展させることになった。その完成系がライトニングケーブルだった。
でもその役割はすでに終えた、と判断した。
同期はiCloudでワイヤレスで自動的に行われている。
充電はMagSafeもしくはQi規格でワイヤレス充電が可能だ。
つまり物理的なケーブルはもはや全く必要ないんだよ。
だからこれからはサードパーティ向けにiPhoneのこのコネクタを解放する。
そのためにはUSB-Cコネクタが最適だと判断した。
USBメモリ、高速な外付けストレージ、4Kディスプレイ、マイク
これからはサードパーティのあらゆるデバイスが接続可能だ。
まあ、これで欧州連合への対応も問題はないな。ヨーロッパのみんなも安心してくれ。(※6)
USB-Cの話はここまでだ。
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さてここからが本当の紹介だ。
フラッグシップiPhone15 Proの話からしよう。
今回も世界最高性能のチップAppleシリコンを当然ながら最新のiPhoneに実装する。
「A17 Pro」だ。
3nmプロセスまで進化し
最大20%速い6つのコアを搭載したGPU
最大10%速い6つのコアを搭載したCPU
A16 Bionicと比べて最大4倍速いレイトレーシング
最大2倍速くなったNeural Engineは16コアで毎秒約35兆回の演算処理能力がある。
現在手に入る中で最も速く、最も効率的で、最も先進的なチップだ。
スペック争いに興味はないが、
全てが世界最高レベルだと言うことだけ言っておこう。
PS5でしかできなかったはずのゲームがiPhoneでも同じクオリティでできる。
年末にはコジマプロダクションのデス・ストランディング ディレクターズカットがiPhone向けにリリースされる予定だ。(※7)
それが証拠だ。
Appleが今も昔も最も素晴らしい点は、Mac、iPad、Apple Watchそれらが
見やすくて使いやすくて堅牢なOS、シンプルで洗練された操作体系、そしてAppleシリコンに代表される最先端テクノロジー搭載のハードウェアとして、全てが同じ思想のもと名実ともに統一されていることだ。
故に極めて自然にシームレスに連携するんだ。
例えば、コピー&ペーストですら異なるAppleのデバイス同士で可能だ。
Appleユーザーでは当たり前のことが、他社製品を使っているユーザーはできなかったりするのさ。
そんなこと当たり前と思っているだろうが、本当に素晴らしいアイデアとは
ユーザー自身もそれがアイデアであると気づかないアイデアのことなんだ。
例えば「死」。
死は神による最高の発明だ。(※8)
死があるからこそ、人間は締切をつくろうとするし、病気を直そうとするし、金持ちになろうとする。
皆いつか死ぬと知っているから。その「生」を精一杯生きようとするのさ。
こっちに来て本当によくわかったよ。
こちらではオレたちはもう死ぬことはないからね。
全てが永遠である時、人間はどうするか?
目の前のことに集中するんだ。
いつかもこれからもない、「今」この時を楽しむこと、その「時」が永遠と積み重なって行くのさ。永遠に。
これらは全て神のアイデアなんだ。
そんなこと誰も気づいてないだろ?
最高すぎて誰もそれがアイデアだと気づかない。
ちょっと余談が過ぎたな。本題に戻ろう。
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iPhone15 Proの外装はチタニウム。
火星探査機で使われるグレード5のチタニウム合金だ。
美しくて軽くて、そして強い。
世界最高技術で加工し特殊な方法で磨きあげている。
エッジを柔らかくしたことで、触ると心地良い。
ベゼルがより薄くなり画面の見やすさはさらに増した。
見えない部分もアップデートしている。
構造フレームをリニューアルすることで背面ガラス交換が簡単になった。
つまり修理のしやすさを優先したってわけなんだけど、これはエコという哲学の問題でもある。
生産工数を減らしコストを下げるが、修理の難易度は上がる。
生産工数が増えコストは上がるが、修理の難易度は下がる。
オレならば間違いなく前者だ。プロダクトそのものがシンプルになるからね。
でも今は時代の要請が後者だ。だからそれに従ったまでだ。
カラーはブラック、ホワイト、ブルー、ナチュラルの4つを準備している。どの色もチタニウムを十分に引き立たせる色だ。
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さて、3つ目は実にアップルらしい”改善点”だ。
ちょっとした改善点がのちのち重要な分岐点となる時がある。
古くはQWERTY配列。まさか英語圏以外全世界中で使われると当時誰が思っただろう。
初代iPhoneの時からあるこのサイドボタン。
このたった1つのボタンすら我々は進化させる
アップルの歴史とはユーザーインターフェイスとその入力デバイスの進化の歴史なんだ。
Macintoshのマウス、iPodのクリックホイール、もちろんこのiPhoneのマルチタッチ、そしてiMac、Macbookのマジックパッド。常にそのハードで最高のデバイスとなるように進化を続けている。
従来は消音モードのオンオフ機能のみだったこのボタンを「アクションボタン」と呼ぶことにした。
文字通りそれは様々なアクションができる。
従来通りの消音モードに加えて集中モード/カメラ/フラッシュライト/ボイスメモ/翻訳/拡大鏡/ショートカット/アクセシビリティ。
複数の役割を選ぶことを可能にした。
例えばショートカット機能を使えば好きなアプリも簡単に呼び出せる。
っていうか、なんでこのボタンに一つしか役割を持たせてなかったんだ?
これからはこれが標準になるだろうね。
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ディスプレイは世界最高峰のディスプレイSuper Retina XDR。
ProMotionを採用し、リフレッシュレートは最大120Hz
前面カメラ設置エリアを巧みに利用したDynamic Islandは引き続き採用。
新たなiOS17では、Apple Watchで培われた「ひと目見られる」ことにこだわったコンプリケーション機能を、iPhoneウィジェットの進化版である「ライブアクティビティ」として実装した。
同じくApple Watchの「ナイトスタンドモード」は「スタンバイ」として、iPhone充電中でもお気に入りの写真や時計を表示してくれる。(※9)
リビングや寝室に1つお洒落な家具が増えたね。
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最後はカメラの紹介だ。
これも初代から常に拘っていた機能だ。
iPhoneの進化とそのカメラの進化は切っても切り離せない。
なぜならICチップつまりAppleシリコンの性能がそのままカメラの性能に直結するからだ。
背面のレンズはこの通り3つ。でもこれは7種類のレンズを持ち歩いていることと同じなんだ。
0.5倍超広角レンズはマクロと13mmの2種類、
メインカメラは24mm、28mm、35mmの3種類、
望遠は48mm2倍ズームに加えProは光学ズーム3倍。Pro Maxはなんと120mm5倍光学ズームだ。
特にPro Maxの5倍ズームはスペシャルだ。その秘密は今回新たに採用したテトラプリズムにある。
名前の通り光を4回反射させることで、こんな小さなスペースでも焦点距離を120mm相当まで伸ばすことが可能になったんだ。
それだけではない。ズームした画像をストレスなく確認するためには強力な手ブレ補正が必要だが、
3Dセンサーシフト式手ブレ補正と3つの方向すべてに動くオートフォーカスモジュールによって1秒間で最大10,000回の微調整を行う。
結果的にデジタルズームであれば最大25倍まで大丈夫だ。
最大画像数は4800万。
細部までしっかり捉えるPhotonic Engine、ポートレート、ダイナミックレンジの広がったナイトモード、スマートHDRも進化している。正面のTrueDepthカメラも同じ機能が使える。
そして、「完全」にプロレベルの60fpsのProRes 4KビデオもiPhone ProシリーズのUSB-CコネクタはUSB 3に対応している。つまり撮影中に外付けSSDに直接保存できる。最大10Gb/sなので転送もあっという間だ。
すべてがスーパーハイクオリティ。Appleシリコンだからこそ可能なことだ。
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これがiPhone15 Pro MaxとiPhone Proだ
初代iPhoenから16年。基本は変わってないが、中身はとんでもなく進化している。
16年前まだ生まれたばかりの赤ちゃんだったiPhoneが学校を卒業し成人し仕事も覚え、しかも仕事をバリバリにこなすデキるヤツになったようだ。
とはいえまだまだ若造。
iPhoneはこれからも進化し、さらなる成熟に向かう。
でも少なくとも現時点で世界最高の頭脳と世界最高の技術で世界最高のプロダクトになっていることは間違いないよね。
紹介は以上だ。
じゃあ、また来るよ。
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(参考)
※1 “「ジョブズは、グーグルにアンドロイドの開発をあきらめさせようという努力もした。 2008年にはパロアルト近くのグーグル本社に行き、ペイジ、ブリン、そしてアンドロイド開発チームを率いるアンディ・ルービンと大げんかをしている”『スティーブ・ジョブズ II』ウォルター・アイザックソン著、
※2 amazon時価総額、創業27年で200兆円。ベゾスはいかにして“ECの巨人”を成長させてきたか、BUSINESS INSIDER.
※3 Steve Ballmer Runs Around Like A Maniac On Stage (Motivational Presentation)、YouTube.
※4 “実は車好きのスティーブ・ジョブズも、当時ジェイクルーのCEOでアップルの取締役でもあったミッキー・ドレクスラーにロードスターの写真を見せたという。「これほどのものを作るのはすばらしいよね」と言って。”『イーロン・マスク』、ウォルター・アイザックソン著
※5 ファルコン1打ち上げ実績 第1回2006年5月→失敗、第2回2007年3月→部分的成功、第3回2008年8月→失敗 第4回2008年9月→成功,第5回2009年7月→成功 (ファルコン1, wikipediaより)
※6 EU、携帯充電端子の域内統一化で合意 アップルに打撃,ロイター
※7 Introducing iPhone 15 Pro | Apple,YouTube
※8 Death is very likely the single best invention of Life (訳:死はたぶん、生命の最高の発明です。)
「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳、日本経済新聞
※9 新iOSで「ひと目でたどり着く」機能進化、iPhoneのウィジェットが便利に,フォーブズジャパン