毎月のように話題になるためのキャンペーンを考え、タレントやインフルエンサーを探し、単発の施策を繰り返す。
その度に一定の成果は出るものの、終われば元通り。また次のキャンペーンを考える……そんな消耗戦を続けていませんか。
実は、多くの企業がこの状況に陥っているのには理由があります。それは、投資対効果の良い「成果が積み上がる施策」の選択肢が、年々少なくなっているからです。
同じ予算を投じても、一過性の施策と、資産として蓄積される施策では、1年後のリターンがまったく変わります。
本稿では、売上・利益につながる重要指標が時間とともに増え続ける施策を、投資対効果の高い施策として定義します。
その具体的な施策をお伝えする前に、「なぜ今、その選択肢が少なくなっているのか」を理解しておきましょう。この「積み上がる施策」がどのように変化してきたのか、歴史を振り返ってみましょう。
マス広告の時代
かつて、マーケティングの主戦場はマス広告・店頭・流通でした。
企業は、テレビCM、新聞・雑誌、交通広告、折込チラシ、店頭POPといった施策に予算を投じていました。投資対象はコンテンツそのものではなく、広告枠や店頭という「露出を買う」ことでした。
この時代は、メディア接触が特定の媒体に集中し、一定の予算を投下すれば広範囲に確実にリーチできました。
継続的に投資し続けることで、認知や信頼といったブランド資産が積み上がっていきます。
ただし、マス広告そのものは出稿を止めると効果が落ちるという性質があり、継続的な投資が前提となる施策でした。
その後、検索エンジンとSNSが普及したことで状況が変わります。
マス広告には大きな広告費が必要でしたが、SEOやSNS運用は低コストで始めることができ、「コンテンツを増やせばリーチが伸びる」という分かりやすい構造が生まれました。
小さい投資で大きな成果を狙える時代になったことで、これらの施策が注目されるようになりました。
SEO・SNSバズの時代
SEOでは自社コンテンツを作って検索流入を狙い、SNSでは自社アカウントを育ててフォロワーにリーチする。
こうしたオーガニック運用にコンテンツ制作費を投資してリターンを狙う手法が注目されるようになりました。
これらの運用に共通していたのは、コンテンツを積み上げればリーチも伸びていく構造があったという点です。
より多くのSEO記事を作れば検索流入が増え、SNS投稿を続ければフォロワーが増えてインプレッションが右肩上がりで伸びていく。非常に分かりやすい構造でした。
つまり、「コンテンツ蓄積=リーチ拡大」という構造により、一度投資すれば効果が継続的に発揮され続ける。だからこそ、オーガニック運用の投資対効果が高いと評価されていたのです。
メディア環境の激変と獲得広告の限界
しかし、この前提が現在は崩れつつあります。
生成AIの出現で検索行動が変わり、GoogleでもAIによる回答が目立つようになりました。さらにSNSはレコメンドメディア化が進み、フォロワーに対して自社の投稿が届きにくくなっています。
このようなメディア環境の変化により、自社コンテンツやアカウントを育てるオーガニック運用「だけ」に投資しても、以前ほど効率よく成果が積み上がらなくなっています。
もちろん、オーガニック運用は依然として重要です。しかし、マーケティング投資全体における比重や役割が変わってきているのです。
さらに追い打ちをかけるように、獲得広告のCPAが高騰しています。
多くの企業がデジタル広告に参入したことで競争が激化し、広告単価は年々上昇しています。
かつては低いCPAで顧客を獲得できていた企業も、今では費用対効果を維持するのに苦戦している企業が増えています。
獲得広告に頼り切っていた企業は、CPAの高騰により利益を圧迫され、事業の成長が頭打ちになってしまうでしょう。
オーガニック運用だけでは投資効率が低下し、獲得広告はCPAが高騰している。この二重苦により、従来の手法だけでは投資対効果を維持できなくなってきました。
「単発施策」だけでは成果が積み上がらない
だからこそ重要なのが、継続的に成果が積み上がる設計にする、という視点です。
現在、多くのSNS代理店が提案するのは、単発のプロモーションやインフルエンサー施策です。
新商品のローンチ時にインフルエンサーを起用する、キャンペーン時に大きなプロモーションを打つ。こうした施策は一時的に話題を作ることはできても、成果が資産として残りません。
いわば「単発の山を作る」だけで、継続性がないんです。
「バズ狙い」も同様です。短期間に大量のインプレッションを獲得できたとしても、一過性のもので終わってしまいます。
では、なぜ多くの企業が単発施策に頼るのでしょうか。それは、投資対効果の良い、成果が積み上がる施策の選択肢が限られているからです。
広告は、オフラインであれデジタルであれ、出稿を止めれば効果は落ちてしまいます。ただし、費用対効果が良ければ継続的に出稿し続けることができるでしょう。
しかし、「広告を出稿し続ければ売上・利益が伸びる」という単純な構造ではありません。
効果的な広告媒体や手法は限られており、多くの企業が参入すれば競争が激化し、効率が徐々に低下してしまうケースが多いです。
実際、多くの企業がデジタル広告に取り組んだ結果、広告単価は年々上昇し、費用対効果は悪化している傾向にあります。
オーガニック運用の成果が積み上がらない状況も踏まえると、投資対効果の良いマーケティング施策の選択肢が少なくなっているのです。
結果として、企業は単発施策に頼らざるを得ない状況に追い込まれています。
広告×UGCによる成果の積み上げ
では、どうすれば投資対効果の高い、成果が積み上がる施策を実現できるのでしょうか。
その答えが、広告とUGCを組み合わせて、継続的に成果を積み上げていく戦略です。
マス広告の時代には大きな広告費が必要でしたが、SEO・SNSの時代には小さい投資で成果を狙えるようになりました。
そして今、再び広告費に投資する時代になっていますが、ただ元に戻った訳ではありません。
SNSが台頭し、数千万人が日々発話するプラットフォームになったこと、これが大きな変化です。
広告を効果的に活用することによってUGCを増やすことができれば、成果が積み上がっていくマーケティング施策を実現できるのです。
また、SNS広告は少額からでも実施できるため、予算規模に関わらず取り組むことができます。
SNSで広告を使うことを「逃げ」だと捉えている方もいますが、むしろ逆です。
オーガニック投稿は、プラットフォームのアルゴリズム変更によって露出が大きく左右されます。フォロワーがいても届きにくく、バズっても再現性がありません。
しかし、広告は違います。広告費をかければ確実にリーチできるため、アルゴリズムの影響を受けにくいのです。
また、UGCが広告と決定的に違うのは、「施策を止めても残る資産」だという点です。広告を止めれば効果も落ちますが、一度投稿されたUGCは消えることなく、そのUGCが新たなUGCにつながる好循環を生み出します。
以前、ホットリンクが実施した調査では、UGCが増えるほど指名検索が増え、指名検索が増えるほど売上も伸びるという相関関係が確認されています。
UGCの循環を生み出す上で、オーガニック運用も必要不可欠な存在です。UGCが生まれるには、ユーザーが「このブランドについて語りたい」と思える接点や情報が必要であり、それを提供するのが自社アカウントやコンテンツだからです。
つまり、オーガニック運用の役割は「単独で認知を拡大すること」から「UGCを生み出す土台を作ること」へとシフトしているのです。
これこそが、単発施策と継続施策の決定的な違いであり、成果が積み上がる戦略の本質です。
2026年度のマーケティング投資を考える際、「この施策は、1年後も資産として残るか?」という問いを、ぜひ判断基準の1つに加えてみてください。
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奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
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(2026/01/19更新)
【著者プロフィール】
増岡宏紀
株式会社ホットリンク 営業本部長
2016年にホットリンクへ入社後、SNSコンサルタント・プロモーションプランナーとして企業のSNS戦略立案や運用支援に従事。現在はコンサルティング営業本部長として、新規顧客の戦略設計から実行支援までを統括。業界イベント・セミナーへの登壇、マーケティング専門メディアへの寄稿・取材実績も多数。2025年12月には、日経BP社より著書『コミュニティマーケティングは「巨人の肩」に乗れ ~UGCと指名検索が増え続けるSNS活用の新常識~』を発売。
前回記事:「SNS売れ」はどのように生まれるのか
Photo:Taras Shypka




