エースの皆さん、「エースコンバット」シリーズの歴代コールサインで一番思い入れがあるのってどれですか?

メビウス1?スペア15?ガルム1?それともスカーフェイス1?ブレイズ?アンタレス?どれも最高にかっこいいですよね。

 

ちなみにしんざきはグリフィス1(エースコンバットXのコールサイン)です。暑いのは苦手です。

 

さて、この記事は、

「エースコンバット8が、遊んでいる間はちょこちょこ文句もありながらも最後まで遊んでみたら結局最高に面白かったので皆さんにも面白さを共有したい」

という目的で書かれている記事です。

 

ある程度ストーリー展開に触れざるを得ない部分もありますので、未プレイの方はご留意いただき、よろしければこの記事前半の、ネタバレ無し感想箇条書きをご参考に購入をご判断ください。

 

この記事の前提として、しんざきのエースコンバット歴を簡単に書いておきますと、

・ナンバリング作品は1~7まで、ZEROも含めて全てプレイ済み
・他、携帯機のX、X2、3Dはプレイしているが、AHとIFは未プレイ

という程度です。なお、好きなタイトルは上から順に5、X、04です。

 

まず簡単に、ネタバレなしでの感想を箇条書きします。

・超面白かった

・シリーズ中でも「X」と並ぶレベルで極限まで追い詰められた戦況から始まる、エースの物語

・過去作と比較すると、「チームで戦いながら活躍を重ねて敵味方に畏怖されていく展開」は5に、「追い詰められた戦況からの反撃」という状況設定はXに近く、更にそこに7の「評価が低い状態からの逆転」というエッセンスを程よく足した感じ

・飛んでいる時、敵を撃墜した時、目標を破壊した時の爽快感は間違いなくシリーズ中でもトップクラス

・全体的に、敵配置がかなりきちんと考えられている印象で、「このステージ、この特殊兵装積んできたい!」と思う場面がちょくちょくあり、機体購入の楽しさに一役買っている

・固まった地上敵をUGBLでまとめて吹っ飛ばすの大好き

・「チームで戦っている」感が過去作以上にちゃんと実感できて、特に「敵を釣り出した」と味方が言った時に本当に撃墜しやすい位置に敵機がいる、というのはわりと感動した

・「援護」を指示するとちゃんと援護してくれるし、「分散」を指示するとちゃんと敵を各個撃破してくれるの大変良い

・一部にはストレスがかかるミッションもあるものの、7よりだいぶストレス軽減されている感

・それでもM14~M17のストレスフル系ミッション連打は、設計した人強めにおなかこわして欲しい

・カニのエンブレムが夢に出てきそう

・あと、「一定高度を超えると撃墜される」系のミッションが毎回毎回本当に苦手で、今回もそれだけで10回くらいやり直した

・相変わらず護衛任務は毎度焦らされるものの、これも過去作よりはやりやすくなっている印象はある

・雲が実質敵の視認やロックオンを邪魔する障害物で、意地悪な高度に配置されているミッションも多い(ただ、これも7よりストレス軽減されていると思う)

・ただ、戦闘画面はともかくとして、メニュー画面のUIについてはいい加減抜本的な改善が必要なのではないかと感じた

・特にオンラインモードのUIはかなり深刻にひどいと思うので本当にどうにかして欲しい、機体のレベルアップのやり方どころかタイトルへの戻り方すら最初は分からなかった

・ただし、オンラインモードの一部のステージで過去作のBGMが聴けるの本当に最高です

・特にXのアレクト隊のBGM、私はグリフィス1なのであのイントロを聴くだけでテンションがマッハになってしまう

・過去作BGMに限らず、今作のBGMの出来はシリーズ中でも出色だと思います、個人的にはZEROと並ぶレベル

・シリーズ恒例のトンデモ兵器もごっそり全部盛りでとても満足

・できれば架空機はもうちょっと欲しかった、フェンリアとかフォルネウスとかヴィルコラクとかカリバーンとか、DLCでもいいから出てこないだろうか

・シリーズ歴代作品を個人的な好みで並べると「5 = X > 04 >= 8 > 7 = ZERO > 1 > 3 > 2 = 3D > 6 > X2」(※あくまで相対評価のためこの並びになりますが、絶対評価としては6もX2も十分好きです)

・総じて、「エース気分を味わう戦闘機ごっこ」としてはシリーズ中でもかなり上位の出来だと思うので未プレイの方で3D酔いしない方は是非

という感じになります。

 

さて、書きたいことの3分の1くらいは最初に書いてしまったので、後はざっくばらんにいきましょう。なおこれ以降の本文には、

「ストーリーの一部に触れるネタバレが含まれます」

ので、繰り返しになりますが未プレイ・未クリアの方はご注意ください。

 

まずなによりも、今回「偽物のエースが本物のエースになる」という展開が、状況設定もあいまって本当のほんっっっっとうに熱いんですよ。

そもそもの話として、エースコンバットは「超本格的ヒコーキごっこ」であって、気持ち良く戦闘機を飛ばして、敵をたくさんやっつけてエースになる体験を楽しむゲームです。

つまり、「プレイヤーがいかにしてエースになっていくか」というのは、エースコンバットというゲームの本質と言って良い。

 

それに対して、本作が出してきた回答が、「ゲームのストーリー全体を、「偽物のエースが本物のエースになる」ことをテーマに仕立て上げる」というものでした。

 

本作は、ゲームスタート時点で「戦績をねつ造された偽のエース」ことコープに主人公が成り代わる形で始まります。

そのため、ジョーカー1こと主人公のレックスが活躍しても、最初はなかなか「どうせ嘘なんだろ?」と信用されないのですが、活躍に活躍を重ねることで、段々と本物の「翼」になっていく。

「嘘が真実になっていく」過程で、仲間をはじめ色んな人から、レックスの強さが認められていく気持ち良さ。

 

今回、レックスが所属するFCUは本当に崖っぷちまで追い詰められた状況から物語が始まって、希望を失ってしまった仲間も多い中、「翼」が本当の希望の象徴だと周囲が認識していく展開は、もうもの凄く満足感高いです。

 

ミッション中に敵・味方の通信が聞けるのはシリーズ伝統の要素ですが、敵・味方両陣営の「翼なんて偽物だ」という声が、段々と「翼がくれば勝てる・生き残れる」に変わっていくのもカタルシス全開の要素です。

特に地上部隊との連携については、本当に味方の反応が良いというか、戦況に応じてガンガン助けを求められて、援護すれば「やっぱり翼の噂は本当だったのか……!?」と驚愕混じりに称賛されるので、忙しい一方、首尾良く援護に成功すると思わずガッツポーズしてしまうほど嬉しいんですよね。

 

「エースに対する評価を自分の活躍で育てていく」という面白さについては、シリーズ中でもトップクラスに丁寧に表現されていると言っていいと思います。

 

冒頭の箇条書きでも書いた通り、本作「ちゃんとチームで戦ってる」感がすごく強い上に、シナリオ上の味方の姿がちゃんと描き込まれてるんですが、そのため「味方キャラクターの解像度が高い」「だからそれぞれのキャラクターに感情移入しやすい」という点もそれを後押ししています。

 

インテリおっさんのバクスター、民間人のアクロ乗りターシャ、ロック好きで無口な若者コスター。

様々なサブキャラと共に、彼らがシナリオ中色んな側面を見せてくれるからこそ、戦闘中のちょっとした会話でも「あ、バクスターならこういう反応しそう」とか「コープの反応が徐々にレックスを信頼する感じになっていて嬉しい!」といった感想につながるんですよね。

 

コスターが作戦中に流してるBGM、他部隊の隊長に怒られるかと思いきや「その音楽もっとデカく!」と言われる場面、皆ノリが良すぎて超好き。

 

あと、ターシャは基本的にとても可愛い。

ターシャ、民間人だけに「撃たない」キャラで、エースコンバットの僚機としてそれはどうなんだ、と最初思いもしたんですが、彼女の「敵を釣り出す」という動きが前述の通りゲーム上ちゃんと機能しているので、「撃たなくても役に立ってるでしょ?」という言葉に説得力があるんですよね。

 

ターシャ、民間のアクロ乗りという設定なんですが、戦闘シーンでもちゃんと「なんか楽しそうに無茶な機動してるヤツがいる……あ、やっぱターシャだ」ってなるんですよ。

作中ちょっと取り乱すところもあって、そこがやや暗い感じでストレスを感じる部分もあるんですが、まあ民間人なのだから仕方なし、とも思えます。彼女が成長していく物語も、本作の大きな見どころのひとつと言っていいでしょう。

 

あと、今回AWACS(空中管制機から指示を出してくれる人、現場指揮官みたいなもの)の「ディーラー」もかなりいい味出しています。

ベテラン風の人が多かった歴代AWACSの中では、「X」のユジーンに並んでやや未熟に思えるキャラクターで、作戦中不明瞭な指示を出してはバクスターに「指示は手短に」とか叱られてるんですが、そんな彼が「ジョーカー1」を切り札に勝負に出る場面は、作中でも最高の名場面のひとつです。

 

「周囲のキャラに頼られる」というか、「もうこいつに頼るしかない、こいつならきっとなんとかしてくれる」とギリギリの戦況で信頼されるのって、エースコンバットで一番気持ちいい瞬間ですよね。

内心「いや大丈夫、過去作でこの10倍くらいひどい状況クリアしてきたから」と思いつつ、「はい << いいえ」で「はい」を選択する瞬間の満足感すごい。

 

まあ、個性つよいといえば前作7序盤のAWACS「バンドッグ」なんかは味が濃すぎて胸やけするくらいのキャラだったんですが、今回のディーラーも十分名台詞製造機といっていいでしょう。

 

また、今回ひとつ特筆すべきキャラクター、「D.D.」。

登場当初から「何故か空母に乗ってるうさんくさいスーツのおっさん」なんですが、そのうさんくささが一切希釈されることなく、最後の最後まできちんとうさんくさいまま、けれど作中彼にしか果たせない役割を担い続けてきた点については、ちょっとシリーズ中でも記憶にないくらいの存在感を放っている特異なキャラクターです。

 

04以降伝統の「敵エースとの因縁と決着」についても本作素晴らしいです。今回のライバル部隊となる「シャドウズ」こと「ルクス・ルーナエ」、登場する時にソトアの歌が毎回流れるんですが、まあそれがまた耳に残る名曲というのもさることながら、シャドウズの指揮官でもあるトップエースの「影22」、彼がかつての「黄色13」もかくやと言わんばかりの渋いキャラクターで、ジョーカー隊と激戦を繰り広げてくれます。ソトアの歌がそのままシャドウズ戦のBGMに繋がる展開、超名曲。

さらにさらに、それら全てが結実する、ミッション28。これがもう、本当の本当にあっっっっっっつい。

 

ミッション開始当初は「いやいくらなんでもそれはないやろ」というレベルの、シリーズ中でも指折りに絶望的な状況から始まるんですが、そこで今まで積み上げてきた「嘘が本当になる過程」が結実して、これまで関わってきた色んな勢力が次々に集結してくれる展開、あんなところ、こんなところで戦ってきたすべてをミッション遂行中に振り返る流れについては、もう「最高!!!」のひとこと以外を要しませんでした。

 

いやホント、フォートグレイス空軍基地の地下の連中とか、独立派の連中とか、プレイしながら「なんでそうなるねん」と思ってた部分も正直あったんですが、最後の最後にああ来られると「このための展開だったのか……!!」とすべてが繋がって手のひらぐるんぐるん回転してしまいましたよ。

 

そして、そんな熱い展開に感動する間もなく、手加減ゼロで押し寄せる大量の敵機マーク。繰り広げられる、過去最高規模のドッグファイト。文字通り全力をつぎ込まないと弾き返せない大空戦の果てに、スピーカーに流れる聴き覚えのある歌声。

もうですね、あまりに最高過ぎて、開発者に「こういうの出せば満足なんでしょ?」と言われれば超素直に「はい!!満足です!!!」って答えてしまう。ちょろくてすいません。

 

ただ、ここまでいいところばっかり書いてきたようですが、遊んでいる途中では不満点もちょこちょこありました。公平を期すためにあげておくとすれば、

・戦略的に「何でそういう判断になるんだ……?」となったところが時々あった(特にトニトルスの槍関係)

・メニュー画面のUIさすがにそろそろ改善してよいのでは?(キャンペーンモードに入らないと機体ツリー見えないところとか)

・中盤、ストレスが高いミッションが続き過ぎて一応古参プレイヤーの私でも一瞬心折れそうになった

・主人公の無口設定は伝統だけれど、シナリオの場面によっては「はい・いいえ」でしか会話が通じないのは寂しい(けれど「これがいい」という意見も分かるので悩みどころ)

くらいはあげられそうです。

 

前述しましたが、M14~M17のストレスミッション固めうち、特にM15の「速くて固くて見えにくい」高速爆撃機「ラドーン」については、さすがにだいぶ「これ作ったヤツおなかこわせ」って思ってしまいました。

そもそもなかなかレーダーに映らなくて見つからないし、見つけても追いつけないし、追いついてもやたら固いし途中でパワーアップするし、何回か撃墜失敗するとミッション失敗。さすがにストレスフル過ぎる。

 

その前の、「レーダー網をかいくぐる」とか「一定高度以上に上がるとほぼ即撃墜」というのも、まあ伝統とはいえ、私が不器用なこともあって相変わらず手こずりました。特にレーダー網ミッション、今回かなり難しかったです。

あとカニ。あのカニのエンブレム茹で蟹にしたい。

 

トニトルスの槍については、「いや、それ全然安全確認できてなさそうなんだけど、そのまま作戦進めていいの?」みたいなところで予想通り大被害、みたいなところもあって、その辺は若干気になる粗ではあったかも知れません。

とはいえ、トニトルスの槍にせよラドーンにせよポダルゲにせよ、とんでもない超兵器がエースコンバットの華であることも確かなので、それが活きる展開は全体として見ればそこまで文句はありません。陸上戦艦に特殊兵装ぶち込むの超楽しかったし。

 

ただ、同じくシリーズ恒例のトンネルミッションはちょっとだけ物足りなかったかも知れません。どうせならメガフロートの中でシャドウズと空戦したい(アーケロン要塞並感)。

 

あと、ここは意見が分かれるところだと思うんですが、ACシリーズって(ごく一部の例外もありつつも)基本主人公=プレイヤーなので、作中で主人公が意思表示する部分が限られていて、基本「はい・いいえ」でしか意思表示できないんですよね。

「それがいい」という側面も全然分かるんですが、今回作劇がしっかりしていただけに、「うーん、ここを「はい・いいえ」で済ますのもちょっと寂しいな……」と思った箇所もありました。

 

色々書いてきたんですが、総括として

「プレイ中はちょこちょこ粗もあったけれど、でも終わってみて振り返れば「最高のエースコンバットでした」としか言いようがないし、歴代でもかなり上位の面白さだと思うのでみんな体験してください」

のひとことに尽きますので、まだプレイしていないひとは是非ポチっていただければと思うばかりなのです。よろしくお願いします。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

 

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(2026/9/17更新)

 

 

 

 

【著者プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

photo:Jonny Gios