どうも、しんざきです。

今年、インフルエンザの流行が物凄く早いみたいですね。しんざき家でも、もう長男と長女が一回ずつインフルになりました。皆さん体調大丈夫でしょうか?

 

この記事で書きたいことは、大体以下のような話です。

・恋愛/結婚で最重要なのは合意形成能力、というシロクマ先生の記事を読みました
・それについて異論はないのですが、「恋愛・結婚におけるプライオリティ」というテーマについて、別解を書きたくなりました
・恋愛・結婚に限らず、「長く一緒にいる」という関係を築く際、最重要なのは「倫理感覚」と「金銭感覚」の大体の一致だと思います
・倫理感覚のズレは、相手の行動や価値判断に対して大きな違和感やストレスを生み、しかも修正が困難です
・金銭感覚のズレは、単に浪費だ倹約だという話だけではなく、生活方針全般にわたって問題を生みやすく、ダメージ回復が困難です
・この二者に限らず、価値観のズレについて、「問題があれば話し合って合意する」ことがとても重要という点はシロクマ先生と同じ意見です
・ただし、「合意形成」に必要なのは、能力というより「合意形成が必要」という認識とルール作りだと思います
・その上で、「倫理と金銭の問題は地雷になりやすい(合意形成が困難)」という認識はわりと大事だと思います
・地雷に気を付けつつ、長く付き合える関係を築けるといいですよね

よろしくお願いします。

 

さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんにいきましょう。

 

先日、シロクマ先生が書かれた以下の記事を拝読しました。

合意形成能力がなければ恋愛や結婚はうまくいかない

私は恋愛はもちろん、結婚においても、「契約」より「合意形成」のほうが大事じゃないかと思うのです。

経済力や外見や契約も大事でしょう、ですが、合意形成能力がなければ真の意味において恋愛は進展しないしないのではないでしょうか。そうしたことをまとめました。

恋愛や結婚において重要なのは契約よりも合意形成能力であり、円満な関係を築くならパートナー候補や自分自身の「合意形成能力」に注目すべき、というお話ですね。

 

大筋として、シロクマ先生のおっしゃるところはもっともだなーと思いましたし、人間関係の維持には契約よりも合意形成が重要で、合意形成ができるかどうかを関係維持の見極めの尺度とするべき、というお話についても納得感がありました。

 

ただ、総論賛成の上で、反論というわけではないんですが、私が思ったことが二点ありまして、

・合意形成をする上でも解決が困難なジャンルがあり、それについては最初からある程度すり合わせをした方が良さそう
・合意形成に必要なのは「能力」というより、合意形成が必要だという認識とそのルール作り、習慣付けではないか(それも能力の内かも知れないが)

という点について、「別解」的に書いておきたいと思ったわけなんです。

 

順番にいきましょう。

 

倫理感覚のズレは、人間関係を築く上で深刻なストレスを招くし、しかも修正が難しい

別に恋愛・結婚に限った話ではなく、ある程度長い期間親しい関係を続けようとするなら、「価値観のズレと、その修正」という問題は必ずつきまといます。

様々な事物に対する価値観が完全に同じという人は基本世の中に存在しませんし、そこがズレていれば大なり小なり衝突は発生します。

 

だからこそ、人間関係の上で「合意形成」が必要なわけです。

ただ、「倫理感覚」というのは、そういった価値観の中でも特にすり合わせが難しいです。

倫理感覚というのは、別に善人か悪人かといった話ではなく、例えば

・嘘をついていい範囲
・約束を破ったときどう考えるか
・他人に迷惑をかけることをどう捉えるか
・弱い立場の人にどう接するか
・自分が悪かったときに謝れるか

といった、他者と接する時の基本的な行動原理のことです。

これが大きくズレる人と長く付き合うのは難しい、というのは、わりと納得感があるのではないでしょうか。

 

例えば、Aさんが「一度した約束は厳密に守らなくてはいけない」という基本原理を持っていて、Bさんが「口約束は破ってもひとこと謝れば問題ない」という基本原理を持っている場合、Bさんが約束を破る度に、Aさんには極めて大きなストレスがかかるのは火を見るよりも明らかです。

コンビニの店員さんにどう接するかとか、遅刻した時の態度といった話も同じでしょう。

 

ここで気をつけなくてはいけないのは、「倫理感覚が厳しい方が望ましい」といっているわけではなく、「同じような尺度に納まるかどうか」が問題、ということです。

Aさんが正しくてBさんが間違っている、という話ではありません。近い人間関係の二人が、どちらも「多少の約束なら破っても謝ればOK」という基本原理をもっていれば、特に問題は発生しません。

 

なによりも難しいのは、「基本的な人格に根差す部分なので、大人になってから修正しようとしても非常に困難」という点と、「仮に修正やすり合わせを行おうとしても、そのすり合わせが人格否定とワンセットになりがち」という点です。

 

前者は当然、倫理観など子どもの頃からの積み重ねで形成されるものなので、一朝一夕で直せるようなものではないですし、後者も当然、「倫理感覚のズレの指摘はモラハラと隣り合わせ」という側面があります。

 

倫理感覚というのは、特に「厳しい/厳密な方が正しい」と思われがち、あるいはそう思い込みがちなので、「倫理感覚が緩い」ことを極めて容易に否定してしまうことができます。だからこそ、「相手が悪いに決まっている」という視野狭窄がモラハラに直結しがちなのです。

 

趣味が違うなら別々に楽しめばいい。食事の好みが違うなら別々のものを食べればいい。生活習慣も、ルールを作ればある程度対応できる。

けれど、「この行為は許せる/許せない」「この程度の約束なら破ってもいい/絶対に守る」という部分がズレると、相手の行動そのものをどう評価するかで衝突が発生します。

 

つまり、「合意形成を行う上でも、「倫理感覚」というものについての扱いは極めて難しい」という側面が、まずひとつあります。

 

金銭感覚のズレは、生活方針全般にわたって問題を生みやすく、ダメージ回復が困難

一方、金銭感覚の違いも、扱いの難しさに関しては倫理感覚に劣りません。

例えば

・お金は使うためのものか、貯めるためのものか
・いくらから「高い」と感じるか
・借金をどう考えるか
・貯金をどの程度必要と考えるか
・趣味にいくら使っていいか
・収入差をどう扱うか

といった話が代表的なところですが、これまた生活環境や生育環境に深く根差した問題なので、「修正」が容易ではないというのは倫理感覚と同様です。

 

倫理感覚と同源の部分ではありますが、「借りたお金を返さない」ということが、人間関係に簡単に大ダメージを与え、しかも回復が困難な問題になり得るというのは、多くの人が納得してくれるところでしょう。

 

それに加えて、例えば恋愛や結婚といった関係を考える上では、「金銭感覚」が極めて強く生活と結びついてくる、という点も重要です。

家計をどちらがどう支えるのか、数万円から数十万円という出費をどう捉えるのか、将来の資産形成にどれだけリソースを使うのか、収入差をどのように考えるか。

 

普通に生活しているだけでも、こういった問題は恐ろしいほどの頻度で可視化されます。

だから金銭観の違いは、単なる趣味の違いよりもずっと大きな問題になります。

 

これも、「合意形成」を行う上では極めて慎重に扱わないといけない部分であって、長い関係を築きたいのであれば、事前に慎重に考慮するべき部分だ、ということになります。

 

合意形成に必要なのは、まず『合意形成するものだ』という認識

さて。

上記のように「取り扱い注意」な問題はあるものの、長い人間関係を構築し、維持していく上で、様々な価値観のズレに対して「すり合わせ作業」が必要という点は、特に議論を必要としないところでしょう。シロクマ先生のおっしゃる合意形成です。

 

ただ、合意形成になんらかの「能力」が必要か、というのはちょっと議論が分かれるところで、私は合意形成について、

「本当に必要な「合意」は最初の一回、「意見が合わないとき、話し合うものだと思っているか」だけ」

だと思っています。

 

つまり、「価値観の相違があった時、合意形成のためのすり合わせが必要」という合意ができるかどうか。それだけ。

この合意さえできていれば、あとは「どうやるか」だけの問題です。

・どういう時に「価値観のズレが可視化された」と考えるのか
・それについて、どういうタイミングで、どう話し合うのか
・話し合った結果、合意できなかった場合はどう折り合いをつけるか
・どういうことがあったら第三者を介入させるのか
・話し合った結果をどう生活に反映させるのか

こういう取り決めを、徐々に運用の中で改善していく。「最初の合意」さえあれば、あとは「合意形成のプロトコル」を二人で育てていくだけ。

 

つまり、「価値観が一致しているか」より、「価値観が違ったときにどう処理するか」という認識だけは一致させておいて、あとはおいおいルール作りをしていけばいい。

この時、必ずしも価値観の違い自体を解決する必要はなくって、「違ったら違ったでどう過ごしていくか」が合意できれば良いのではないかなあ、と。

 

これも「合意形成能力」の内、と言えばそれはそうなのかも知れないですが、スタート地点としての「合意形成の必要性」の認識さえ大きくずれていなければ、あとはそんなに「能力」に依存せず、割と家庭内のルール通りに処理できるんじゃないかなあ、と思うわけなんです。

 

といっても、この「ルール」があった上でも倫理感覚と金銭感覚についてのすり合わせは難しい、という点も前述の通りで、そこについては特に慎重にルール作りを行うべきだ、とも思うんですが。

 

しんざき家の場合は、幸いなことに倫理感覚と金銭感覚については、私と妻の間に大きなズレはなく、あとは「夕飯のあとの定期的なデザート」で価値観のズレを都度都度修正しています。

なんかこれおかしいな、とか、何かストレスかかるな、と思った時は、大体甘いものを食べながらお互い吐き出しています。人間、甘いものを食べると気持ちに余裕ができるものです。

 

一致させられない部分ももちろんあるのですが、そこはお互い、無理に一致させようとせず、どこかの部分で「まあこんな感じにやろうか」という妥協点を見つけています。

これが、つまり「合意形成のプロトコル」なのではないかなあ、と、現在はそう思っています。

 

つまり、しんざき家における「合意形成のプロトコル」は、「甘いものを食べながら話し合う」です。

恋愛や結婚に限らず、長く続く人間関係というのは大きな財産なので、今手元にある関係は大切に維持しつつ、今後も色んな人といい関係を築いていきたいなあ、と。

そんな風に考えるわけなのです。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

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【著者プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

photo:Colton Sturgeon