みなさん、お疲れ様です!

トップフラワーデザイナーにお花のオーダーメイドができるwebサイトを運営している、株式会社Sakaseruの広報部の小尾です。

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先週の土曜日、友達と男二人で映画を観に行ってきました。TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)というドキュメンタリー映画です。世界一と呼ばれる築地市場を舞台に、そこで働く人たちの真剣勝負が描かれています。

 

 「市場」と聞いて僕が真っ先に思い浮かべるのはお花市場。同じ市場でも魚と花では何が違うのか、築地市場とは一体どのような仕組みなのか、業界構造はどうなっているのか。 

そんなことが知りたくて、映画そのものを楽しむというより少しドライな視点で見始めました。 

 

・・・。

 

2時間後、僕の胸は感動の嵐でいっぱいでした。ありきたりな言葉ですが、非常に感銘を受けたのです。

 

魚のバリューチェーンには無駄が多い?

築地市場というと、皆さんはどのようなイメージを浮かべますか。 

 

キャップを被ったおじさんたちが低い声で競り(せり)をしている場面。

ちょっと強面の漁師さんが大量の魚を勢いよく水揚げしている場面。

銀座の老舗寿司屋の職人さんが厳しい目を光らせながら買い付けをしている場面。

どれもが築地市場の一コマです。

 

魚のバリューチェーンをざっくり説明すると、漁師 → 輸送 → 問屋 → 仲卸 → 小売 → 消費者という流れになります。魚が獲れてから最終消費者の口に入るまでに、色々な人が介在しています。

一見、「これはどこかに無駄が隠れているのでは?」と思えます。もし小売が直接漁師から購入することができれば、途中にかかるコストもカットできるし、鮮度も保てるんじゃないか。

 

でも、これが違うんですよ。そんな風に見てしまうと、なぜ築地が世界でも稀なオンリーワン市場になれたのか、全く見過ごしてしまうことになります。

 

築地市場は魚ではなく人間を売っている

築地市場には、すきやばし次郎さんとか、ろくさん亭の道場六三郎さんとか、日本のトップと言われる料理人さんが買い付けに来ます。

そんな料理人さんだから、魚は自分で選んでいると思うじゃないですか。でも、実際彼らは魚を選びません。魚は全部、仲卸さんが選ぶんです。

 

仲卸さんにも沢山クライアントがいますが、彼らは各お店に直接足を運び、料理を味わいます。 

たとえば同じ魚でも身が引き締まっているものを好む店もあれば、柔らかくて調理しやすいものが好きな店もある。それぞれの店の好みを全部記憶して、合った魚を提供します。

料理人さんはそんな仲卸さんを全面的に信頼しているから、彼らが選んだ魚を安心して買うことができるのです。

魚を扱ってはいるけれど、結果的に売っているものは魚の情報、そして仲卸さんその人自身

 

日本の頂点を極めた人たちは、信頼関係を何よりも大切にしているということがひしひしと伝わって来ました。

 

人の感情を無視したら事業はうまくいかない

「仲卸は無駄なコスト」

これがどんなに浅はかな考えだったか、僕は即座に反省しました。トップの料理人さんにとって、誰よりも魚に詳しい仲卸さんは生命線なんです。

もし誰かが「魚業界はIT企業がいないから、これは簡単に入れるぞ」「市場規模がこれだけあるから儲かるな」なんて思って事業を起こしたら、絶対に失敗すると思います。

問屋さんと仲卸さんの信頼関係もあるし、漁師さんだって命がけで魚を獲っているわけです。

 

築地市場には良い意味でプライドを持った人たちが集まっていて、緊張感や熱量が充満しています。その現場、そこに働く人たちの感情抜きに効率だけ考えて仕組みをつくるのは違うんだ、と強く肝に命じました。

 

最終的な消費者を見るのがプロの仕事観

この映画を見て、改めてプロの仕事とは何か考えさせられました。

 

僕がリアル店舗のお花屋さんを始めた時に印象に残ったのは、お客様の反応が直接見えることでした。

お客様の要望を聞いて、その場で自分で花束を作って渡す。お客様がどんな顔をして受け取り、お金を支払い、喜ぶか(あるいは喜ばないか)を見ることができる。

更にその先の、最終的にお花をもらう人がどんな表情で受け取るかを想像する。

 

自分が良いと思ったお花が、必ずしもお客さまが喜ぶお花とは限りません。悪いお花はさすがに出さないけれど、じゃあ一体どんなお花が「良いお花」なのか。「プロの俺が選んだんだから良いお花」はただのエゴ。

やっぱり、お客様の目線で考えられることが重要なんだと思います。 

映画では、漁師さん、問屋さん、仲卸さん、料理人さん全員が、最終的な消費者のことを考えています。みんなが「魚を口に入れた時に最高の体験をしてもらう」一点を目指して仕事をしています。ああ、それがプロなんだ、と改めて思いました。

 

それにしても映画の終わりに築地場内にある喫茶店で飲んだコーヒーは美味しかったです。

築地市場の人に元気をもらったので、今週も仕事を頑張れました。来週もまたよろしくお願いいたします!

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株式会社Sakaseru (英名 Sakaseru,inc.)

所在地:〒101-0052 東京都千代田区神田小川町3-2 #1307

設立:2015 10 14

https://www.sakaseru.jp/

 


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