韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩という本を読んだ。
韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩 (講談社現代新書 2549)
- 金 敬哲
- 講談社
- 価格¥946(2025/04/05 01:04時点)
- 発売日2019/11/13
- 商品ランキング153,525位
本書は様々な意味で非常に興味深い観点を与えてくれる。
ここで書かれている韓国の競争社会の激しさは壮絶だ。
小さい頃から大学入試に備え、尋常ではないレベルで塾に通い、大学入学後も一流企業に就職する為に徹底した自己研鑽が必要とされる。
そしてその厳しい選別を乗り越え、運良く大企業に入ることに成功してもその後は全く安泰ではない。
驚くべきことに、韓国社会では50代でほぼ強制的に定年が待っているのだそうだ。
せっかく苦労して入った大企業も55歳程度で強制退職させられ、おまけに再就職もほぼ不可能だというのだから、まったく息をつく間もないどころの話ではない。
当然というか、ほとんどの人は55歳で一生遊んで働かなくていいような財産が築けているはずもなく、その後はフランチャイズのフライドチキン店を経営などして、倒れるまで家族ぐるみでフライドチキンを揚げ続けるのだという(日本で言うところのコンビニ店長みたいな役割かと思われる)
こんな社会だからなのか、韓国には「起-承-転-チキン」という流行語があるようだ。
学歴が高卒であれ名門大学出身であれ、会社が中小企業でもサムスン電子でも、結局はチキン店が人生の終着駅という意味だというのである。
超絶ウルトラ頑張ってもこんな人生しか待っていないという厳しい現実を前に、多くの勝ち目がみえない若者達は全財産をビットコインに投入し人生の一発逆転を夢見ており、その有様はビットコインゾンビと揶揄されているという。
著者はこの現象が起きた理由として、豊かさを急ぎすぎるがあまり、あまりにも新自由主義を徹底しすぎたからだと分析しているが、なんていうか凄いディストピアである。
日本も競争が白熱しているとはいうが、さすがにここまで壮絶ではない。
成長を急ぎすぎるとこんな有様になるのかと、いろいろと胸にくるものがある。
「こんなに国内の問題が山積みだと、そりゃ反日に頼りたくもなるわなぁ」
そう同情できるぐらいには色々と凄い本である。
僕はこの本を読んで、何故かZOZOの前澤友作さんを思い出したのだが、その前に株で大儲けしたのに医者をやり続けているある人物の話をしよう。
大金を稼いで鬱になったある人の話
前に持ち株が大当たりして、億万長者になった医者と話をしたことがある。
僕は率直にこう尋ねた。
「なんで働かないでも一生遊んで暮らせるのに働いてるのですか?」
彼は少し黙った後にこう答えた。
「生活のためにお金を稼ぐ必要がなくなったいま現在、仕事は”生活の為にしなくてはいけない”ものから、”やりたくなかったら、やらなくていいもの”になったのは事実だ」
「そんなもんだから、実は自分はしばらくは家で毎日ゴロゴロ寝っ転がってスプラトゥーン三昧を楽しんでいた」
「はじめは物凄く楽しかった。けど、自分でいうのもなんだが・・・ウン億円も稼ぐ能力がある自分が、結局はニートと同じような事をしているという事実にある時気がついてしまい、それからその生活が全く楽しいものではなくなってしまった」
「理解してもらえないかもしれないけど、あの時の自分は人生で1番鬱だった。お金の為に働かなくていいからといって、自分の好きに暮らしたら、やってる事はニートかデイトレイダーもどきの社会落語者でしかなかった。ウン億円という個人資産により肥大した自尊心は、そのどちらに収まるにしても、あまりにも大きすぎた」
「散々、鬱の壁に突き当たった結果、ある時”医者は人生の暇つぶしに丁度いい”という事だった。それなりに社会から評価される仕事だし、働く仲間のレベルもそれなりに高い。」
「少なくとも働いている間は、人生の意味とか、本当にやりたいことはなにかといった、深遠な問いからは無縁でいられる」
「今でも、医者が”本当に自分がやりたい事”なのかについて、思いを巡らせる事はあるが、少なくとも”鬱”ではない。うまく説明できたかはわからないけど、自分が働く理由はこんなところである」
僕は続いて彼にこう聞いた。
「仕事は楽しいですか?」
彼はこう答えた。
「まあ大変な事もあるけど、やりがいはあるよね」
不自由の自由か、自由の拡張か
先のエピソードに出てきた彼は資産はかなりある方だが、彼の人生規模はとても小規模である。
仕事は医者。異性をとっかえひっかえなどする事なく、普通に都内に夫婦円満の家庭を持ち暮らしている。
人生のスケールとしては、その辺のサラリーマンと何一つ変わらない。
彼を客観的に言い表せば、ちょっと人よりもお金があるだけの普通の民間人である。
その一方で、世の中にはとてつもない規模の人生を持つ人達がいる。
例えばZOZOの売却で個人資産は2000億円を超えるとも言われる前澤さん。
傍から見たら、まあとんでもない成功である。仕事だけに収まらず、恋愛関係も規模が大きい。
彼は既に2人の女性と事実婚の関係にあり、3人のお子さんがいるという。
その上で更にパートナーをみつけようとすらしている。
もし仮に、それが実現して子供ができたとしたら、普通の人の3倍家庭を持つ人生である。
客観的に言い表せば、彼は人生の”自由さ”を普通の人よりも拡張させている。
オークションで123億円出してバスキアを買う自由。
お年玉として1000人に100万円を配る自由。
擬似的な一夫多妻制などなど。
実にチャレンジングな人生である。
それに対して、先の億万長者医師は目の前に”自由”を与えられた時、あえて人生の規模を広げなかったといえる。
彼もやろうと思えば、例えば事業を起こしたり、不倫をするなどして、人生の規模を拡大を目論む事はできただろう。
しかし・・・それは彼が思う幸せの身の丈には合わなかった。
いってみれば、彼は不自由の自由に自分の本当の幸せを見出したと言える。
その一方で、前澤さんは果敢にも”普通”の人生を拡張させ、より人生の自由を拡大させ続けている。
彼は”稼いだお金は限界まで使え”と以前にインタビューで答えていたが、お金というものを使って人生の自由を拡張させ続ける彼の試みは、開拓精神が実に豊富だといえよう。
限界まで使え。“世界の前澤”が語る「お金を増やす方法」はシンプルだった|新R25 – シゴトも人生も、もっと楽しもう。
10万円稼いでも1万円しか使わなかったら、自分が想像しうる体験しかできません。でも、10万円入ったその日に10万円全部使ったら、それはいままでにない体験になるじゃないですか。
僕は、その体験が自分の成長の糧になるとずっと信じてます。もっとかっこよく言えば、限界までお金を使うことが明日の自分への投資になる。
身の丈は結果をみないとわからない
結果としてみればだが、韓国社会は近代化をあまりにも急ぎすぎたのかもしれない。
引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E6%B1%9F%E3%81%AE%E5%A5%87%E8%B7%A1
これは韓国のGDPの成長速度グラフである。こうしてみるとわかるが、戦後からの伸びは本当にすざまじい。
前澤さんは、稼いだお金は限界まで使えといったが、韓国の成長は”国民”に競争を徹底し、限界まで酷使させた結果といえるかもしれない。
結果として・・・韓国は本当に豊かになった。
そして国が期待する成長速度についてこれた億万長者と、勝ち目が全くみえないビットコインゾンビという格差の民が目の前に現れる事になった。
資本主義社会において、平等で豊かな社会というものは残念ながら存在しない。
豊かさは格差を必然的に生み出す。
稼ぐ人が稼ぐから、世の中は豊かになるのである。
競争を徹底すればするほど、世の中はどんどん豊かになり、そして新しい自由も産まれる。
前澤さんのお金を限界まで酷使する事による、人生の自由を求める旅がどこに到達するのかは僕にはわからない。
韓国のように、いつかガタがくるのかもしれないし、ひょっとしたら無限に自由が拡大し続けるのかもしれない。
どちらにせよ、自分自身の身の丈に見合った幸せが、いつまでもある事を願うのみである。
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(2025/3/27更新)
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(Photo:Karen Mardahl)