全然大したことじゃないんですが、ちょっと感心したことがあったので、可視化するのもいいかと思って書いてみます。
長女次女は双子の4歳(あと4カ月くらいで5歳)。幼稚園の年中で、最近は二人ともアンパンマンから卒業しつつあり、リカちゃん人形と「ちいさなプリンセスソフィア」が大のお気に入りです。
誕生日プレゼントには「きらめいくつばさちゃん」を強くリクエストされているのですが、まだきらめいくつばさちゃんが何なのか、はっきりとしたことは明かされていません。
なんなんでしょうか、つばさちゃん。キャプテン翼とは多分無関係だと思うのですが。
先日、しんざき奥様が所用で出かけており、長男は祖父母の家に遊びにいっていたので、私と長女・次女の3人パーティでプールに遊びにいくことになりました。ドラクエIIで言うと、私がローレシア王子、長女がサマルトリア王子、次女がムーンブルク王女です。
プールの帰り。次女はあまり歩くことにこらえ性がなく、抱っこをねだってしばらく泣いていたのですが、どうにかなだめて3人で歩き通しで帰宅しようとしておりました。
その最中、長女がふと、こんなことを聞いてみました。
「じじじじじって鳴くのはアブラゼミなんだよね?」
「そうだよー」
「みーーんみーーんって鳴くのは?」
「ミンミンゼミだよ」
「じゃあ、せみはなんて鳴くの?」
「セミ?アブラゼミもミンミンゼミもセミだよ?」
「じゃなくて、せみがなんて鳴くのかしりたいの!」
「セミが」
あーそっか、と思いました。この説明ではダメだ。
もちろん、マインドセットが既にできている我々大人には、昆虫の中に「セミ」というカテゴリーがあって、更にその中にアブラザミやニイニイゼミ、クマゼミやツクツクボウシなど、いろんな種類の個別のセミがいるということが分かります。
もうちょっと詳しい人であれば、セミはカメムシ目セミ科であって、その中にアブラゼミ属アブラゼミ種がいるということが分かるのでしょう。
けれど、小さな子どもにはまだ、そのマインドセットがない。
「セミ」と「アブラゼミ」と「ミンミンゼミ」は、長女の中では全て同列、同じレイヤーの言葉であって、それぞれ別個の「セミ」と「アブラゼミ」がいる筈だ、と認識しているようなのです。
つまり長女には、まだ「大分類と中分類、小分類」というものが分からない。
例えば「電車」というものがあって、その「電車」の中に山手線とか、中央線とか、そういう中分類、小分類というものがあることを、多分なんとなくは分かっていても、はっきりとは分かっていない。
「カテゴライズ」とか「分類」って、結構高度な頭の働きだ、と思うんですよね。それ自体が凄く整理能力を使うし、種類や所属というものがある程度明確にわかっていないと理解出来ない。
それがどうして「いつの間にか理解出来るようになっている」のかについては、結構不思議だなーと思いました。同時に、まだそういうイメージセットが出来ていない子に、なんと説明すればわかってもらえるかな?とも思いました。
長女次女には、既に「たとえ話」は通じます。そこで、身近なものでたとえてみるところから始めてみました。
「長女ちゃんと次女ちゃんって、二人とも○○幼稚園に通ってるよね」
「うん!今なつやすみなんだよ」
「うん。で、長女ちゃんは○○組で、次女ちゃんは××組だよね」
「そうだよ。パパ××先生知ってる?」
すぐ話が逸れるのはちっちゃい子の特性です。
「知ってる。まあ、○○幼稚園っていうおっきな箱の中に、○○組と××組っていうちっちゃい箱があるよね」
「うん」
「お隣の△△ちゃんは△△幼稚園に通ってるよね」
「うん。バスで通ってるんだよ」
「けど、長女ちゃんも次女ちゃんも△△ちゃんも、「幼稚園に通ってる」ってのは同じだよね?」
「おんなじー」
「アブラゼミとミンミンゼミは、おんなじ「セミ幼稚園」に通ってるんだけど、組が違うんだ。アブラゼミがアブラゼミ組で、ミンミンゼミがミンミンゼミ組」
「組?幼稚園の?」
「組みたいなもの、かなあ。セミっていうのは、幼稚園の名前みたいに、おっきい箱のこと。アブラゼミやミンミンゼミっていうのが、その中に入ってる、もうちょっとちっちゃい箱のこと。「セミ」と「ミンミンゼミ」だと、箱の大きさが違うんだ」
「うん、うん」
「で、例えばセミとバッタは、おんなじ「虫」っていう仲間。長女ちゃんと△△ちゃんが、違う幼稚園だけど、どっちも幼稚園に通ってる仲間、みたいなこと」
「うーーーん」
これを聞いて、長女はしばらく考え込んでしまいました。歩きながら、ちょっと一度に情報量が多すぎたかな?と思っていたところ、
「リカちゃんとメルちゃん(赤ちゃんの人形)は、どっちも人形?」
と聞いてきたのです。
「そうそう。どっちも人形の仲間」
「にいにの電車は、おもちゃ?リカちゃんもおもちゃ?」
あ、すごい、伝わった。と思って、この時軽く感動しました。
「そうだね、おんなじ。リカちゃんとメルちゃんは人形幼稚園だけど、にいにの電車も、リカちゃんも、どっちもおもちゃ。よくわかったなー」
感心したのは、「たとえ話を聞いて、それを消化して、別のたとえ話で確認してみる」という手法を長女がとれたことです。これ、ただ表面的に理解するだけでは「ほかのたとえ話」には進めないので、手順としてはかなり高度なことのような気がします。
この会話をして思ったことをまとめると、
・「大分類」や「中分類」は結構高度な考え方で、小さい頃はまだそれを認識していない
・小さな子でも、身近なものでたとえればちゃんとそれを消化出来る
・更に他のものでたとえて、それも理解出来れば自分のものにできているということになりそう
こんな感じになりそうです。
4歳から5歳にさしかかって、長女と次女はますます思考回路が活発に発展する時期を迎えているような気がします。引き続き、父親として、子どもたちが健やかに成長していくことに助力出来ればなあと思っております。
今日書きたいことはそれくらいです。
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著者名:しんざき ←名前をクリックすると記事一覧が表示されます
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて
書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城