ブチ大変でした。

 

しんざきはとある家族向けタウンマンション(建物が分かれている戸建て風のマンション)に住んでいまして、ここしばらく管理費の未納問題と戦っていました。

つまり、「居住者の中に、本来は毎月払わないといけない管理費をずっと納めてくれない人がいた」という問題です。

 

発生から解決までは数年に及びまして、正直めちゃ大変だったんですが、幾つか得られた知見もありまして、誰かの役に立つかも知れないと思ったので振り返りを記事にしてみます。

細かいところをぼかすのはご容赦ください。

 

ただ淡々と起きたことを綴っていくだけの記事でして、それ程胸糞なことは起きませんし、スカッとカタルシス展開もありませんし、特に誰も幸せにはなりません。

ご了承の上お読み頂けると助かります。

 

当初の経緯

ある居住者の方(仮にAさんとします)が、マンションの管理費を収めてくれなくなりました。

 

管理費は、マンションの管理会社へ支払うお金から、共用の設備の購入、保険の更新費用、大規模修繕の積み立て金なんかも含まれていまして、大体月額2万円弱といったところです。

当然のことながら、誰かが支払わない分は他家庭で負担しなくてはならず、支払っていない人がいる場合大変不公平なことになります。

 

当初は管理会社からAさんに督促しており、「来月以降払います」などと言われ続けていたらしいのですが、支払いがないまま金額が大きくなっていき、マンションの理事会(居住者間の会議)で状況が共有された時には既に20万円近くの金額になっていました。

まだこの時点では、敷地内でAさんと挨拶することも普通にあったので、未収の事実を知った時には結構驚きました。

 

滞納が始まって以降、Aさんは理事会に出席していませんでした。

出席すればつるし上げのような状態になってしまうから当然かもしれませんが、理事会としては本人不在の状態で、滞納への対応を決めなくてはいけません。

遅延損害金の規程はあったものの、「〇ヶ月以上滞納したら法的措置をとる」みたいな具体的なルールはありませんでした。

 

私自身としては、「管理会社から督促しても支払いがないんならもう弁護士さんに相談するしかないんじゃないの」と割と単純に考えていたんですが、理事会の意見は当初かなり割れました。

 

「法的措置をとる必要まではないんじゃないか」という人と、「法的措置をとったからといって本当に回収できるのか」という人がそれぞれ何人かいました。

確かに、弁護士さんに相談するにも費用というのはかかりますし、その後の法的措置の実効性についても詳しい人はおらず、まずは調べてみないとな、というのは分かります。

 

一方、当然のことながらAさんのご家庭との近所付き合いというものもあり

「ご近所さんにいきなり裁判というのも…」

「お子さんもいるのに裁判なんて可哀そうなんじゃないか」

といった感情面で抵抗する人もいまして、意見はかなり割れました。

 

一応規程上は理事会決定は多数決でということになってはいるのですが、重要な決めごとについては全会一致が慣例になっていました。意見が割れる以上、すぐ法的措置に動くわけにもいきません。

結局当初は「法的措置も視野に入れつつ、理事会から督促を続ける」というなあなあな決着になりまして、いうまでもなく状況は改善しませんでした。

 

その時の理事長さんが月一くらいで電話連絡をしていたみたいなんですが「払いたいのは山々なんですが苦しくって…」「都合がつき次第支払いますので…」みたいな言い訳で逃げられるのみで、どんどん未納金額は膨らんでいきました。

 

弁護士さんへの相談までの経緯

この時期、敷地内でAさんを見かけることがなくなっていました。

話によると、朝誰もいない時間に仕事に出て、夜遅くなってから帰ってきている、ということでした。

奥さんお子さんを見かけることは時々ありましたが、理事長によると「夫からは何も聞いていない」という返答しか返ってこない、ということでした。

 

理事長さんとしても借金取りのようなことをしたくないのは当然でして、この時期督促など殆ど効果をなしていなかった、というのが正直なところでしょう。

何も悪くない理事長さんが何故か責められるような場面もあり、横から見ていてマジ気の毒でした。

 

そんな中、理事会の空気が変わったのは、ある理事さんがfacebookのページを見つけてきたことがきっかけでした。

 

Aさんのアカウントでして、内容は相当キラキラした感じ。

「〇〇に旅行に来ました!」とか「××(結構お高いホテル)で食事をしています!」みたいな写真が割と頻繁にアップされていました。

その日付が軒並み滞納が始まって以降なので、理事会ではさすがに「いやこれはちょっと…」「お金がないという話はなんだったんだ?」という話になりました。

 

後から色々考えてみると、この時期Aさんが本当に旅行や食事に頻繁に行っていたのかどうか、というのは結構怪しいとは思います。

季節が微妙にずれている写真もあり、もしかすると見栄の為に昔の写真を引っ張りだしてきていたのかも知れません。

 

げに承認欲求は恐ろしい、というところでしょうか。

あるいは、生活が苦しいからこそ逆に承認欲求に走ってしまった、という側面もあるのかも知れません。

 

何にせよ、理事会は「考えていたより悪質」という認識になり、法的措置に動くことになりました。

この間の理事長さんの苦労なんだったんだよと思わないでもありません。

 

ここまでで変化したのは理事の感情のみで、起こったことはただただ未納額が倍以上に膨らんだことと、理事同士の仲が悪くなったことの二点だけでしたので、機械的に「〇ヶ月以上滞納したら弁護士に相談」みたいな方針を事前に策定しておくのとても大事だなーと思いました。

 

理事長は毎年持ち回りで変わっており、この辺りで私が理事長になりました。

 

弁護士さんに相談してから

管理会社に紹介してもらった弁護士さんは管理費未納の対処に慣れていて、色々と教えて頂きました。

 

・未納金額がかなり大きくなってしまっているので、恐らく調停からまともに支払ってもらうのは難しいと思う

・法的措置をとってからの強制執行(差し押さえ)という形になる可能性が高い

・支払い督促を出すのが一番簡単で、異議申し立てがなければ強制執行の手続きに移れる

・ただしAさんから異議申し立てがあれば裁判になる。金額的にもう少額訴訟は出来ないので、通常の民事訴訟になる。その場合かなり時間とお金が余分にかかる

・また、強制執行に移れるようになってからも、管理費回収は簡単ではなく、差し押さえが空振りに終わることもある

 

というようなことを教えてもらいました。

理事会でも相談して支払い督促を出すことになり、異議申し立てがなかったので強制執行に移ることになりました。

 

ただ、どうもよくあることのようなのですが、支払い督促に異議が出なかったのは「単に督促を認識していなかっただけ」だったようで、督促が確定して裁判所から通知が届いてから、「これはどういうことか」「いきなり強制執行とはひどいのではないか(いきなりではないんですが)」「分割で納入させてくれないか」「利息分だけ支払うので待ってくれないか」などの連絡が、管理会社や弁護士さんの方に行くようになったそうです。

 

この時期分かったことですが、Aさんは家のローンも滞納していた一方、生活レベルを落としたくないからと無理にお金を工面して旅行に行ったりしていたとのこと。

要は借金して旅行にいってたわけです。なんでやねんって感じです。

 

すぐ傍に住んでいる人に対して法的措置をとっている、ということのプレッシャーはやはり非常に大きく、何かトラブルが起きないかとこの時期はかなりピリピリしていました。

弁護士さんともしょっちゅう連絡をとらねばならず、マジ大変でした。

 

その後、弁護士さんの予想通り、強制執行は難航しました。

差し押さえの対象には給料債権、銀行預金、動産(自動車など)があるらしいのですが、督促手続き確定という裁判所のお墨付きがあるとはいえ

「どこをどう差し押さえればいいのか」

というのは基本的に自分たちで調べる必要があり、裁判所がやってくれるようなことではありません。

 

弁護士さんに勤務先を調べて頂いても既に退職されていたり、預金先を問い合わせて照会しても口座にお金が残っていなかったり、といった苦労と空振りが続きました。

 

万策尽きた場合、管理組合からマンションの競売を訴える方法が一応あるということなのですが、そのやり方はかなりハードルも高いとのこと。

銀行とのやり取りによって、Aさんはマンションのローンの返済も滞っていたことが分かり、恐らく銀行側からの動きで競売になると考えられる為、その際申し立てをして購入者から滞納分を支払ってもらうよう手続きしましょう、ということになりました。

 

最終的に、銀行からの手続きによりマンションが競売にかけられることになりました。

結果、競売成立時に購入者から未納分+弁護士費用等の費用が支払われることになり、Aさんは引っ越して行かれました。

 

実にここまで、滞納が始まってから4年近くの時間が経過していました。

散々精神的に疲弊して、手間とコストをかけて得たものは本来支払われる筈だった管理費だけと、本当に誰も幸せにならなかった案件の顛末が以上です。

弁護士さんの話によると、それなりに典型的な経緯だったのだろうと思います。

 

まとめ

上記から抽出出来そうな、個人的な教訓は下記のような感じです。

・揉めそうな話は、事前に規程なり規約なりで細かく作り込んでおいて、いざ発生したら機械的に処理できるようにしておけばこじれないで済む

・誰かに明確な非がある場合、情に流されても大抵の場合何の解決にもならず、状況が悪化するだけ

・払う/払わないの話は基本的に誰も幸せにならないが、なあなあにしないで可能な限り早く対応した方がなんぼか傷は浅くて済む

・経済状況に応じて生活レベルを見直すことはとても重要

・裁判所から届いた郵送物は決してないがしろにしてはならない

・過ぎた承認欲求は身を滅ぼす

 

役に立つ人の役に立てばいいなあ、と考えるばかりです。よろしくお願いします。

 

今日書きたいことはこれくらいです。

 

 

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(2021/1/14更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

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