こんにちは。株式会社キュービックの尾崎と申します。
私は転職に悩む人の「次の一歩」を応援するサイト「HOP!ナビ」というメディアの運営をしています。
(左:齋部 右:尾崎)
今回は、技術職の人は、どうしたら理想のキャリアが築けるのか、という話をしたいと思います。
というのも、私自身が非常に多くの転職をしたからです。
技術職である、看護師の収入はとても上がりづらい
私のキャリアのスタートは「看護師」でした。地元の和歌山の看護学校を卒業した私は、県立医大に看護師としてそのまま就職しました。
看護師というと、「給料がよさそう」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、多くの看護師は「収入がほとんど上がらない」と感じています。
実際、初任給は資格職ということもあり、他の職業に比べて少し良いほうであると思います。
ところが、実態としては「最初が少し良い」だけで、給料がとても上がりにくいのです。
例えば、政府統計*1を見ると、女性看護師(25~29歳)の給料が332万円、(40~44歳)の給料が420万円と、10年以上働いても、100万円弱しか上がりません。
さらに、これらの統計には給料の上がり方がよい公務員も含まれており、本当に小さな病院だと、1年働いた後の昇給が、月額2000円程度であることも珍しくないのです。
大きな病院であっても、5年目のミドルキャリアの看護師と、10年目のベテラン看護師との給与の差が、たった60万円程度という話も、珍しくありません。
それらを揶揄して「給与の寝たきりカーブ」なんて言われることもあります。
IT業界の技術職のように「専門資格などを取得して給料を上げる」という選択肢もなくはありません。
例えば専門看護師や認定看護師は手当以外にも昇給昇格の対象となる資格です。
が、残念ながら、実際にそういった制度がある医療機関の絶対数が少ないうえ、資格を取得しても数千円程度~1万円程度しか給与が上がらないことが多く、昇給のインパクトは極めて小さいものです。
「給与を上げるには転職しかない」のが現状
したがって、結局のところ収入アップに対して「昇給」があてにならない以上、給与を上げるために最も有効な手段は転職ということになります。
「副業をやればいいじゃない」という方もいますが、看護師は勤務時間が不規則なため、副業は難しいのです。
つまり、転職をしながら、様々な職場で経験を積んで行くこと。
これが、基本的な考え方になります。
ただ、給与がよい職場はたいてい、きわめて忙しいです。
年収がいい転職先を選ぶことも大切ですが、自分の価値観や生き方に合った職場を選ぶことが大切です。
そのためには、自己分析や情報収取がとても重要になりますが、それをしないで転職先を決めてしまうと、不満や悩みが解消されず、またすぐ転職してしまう羽目になります。
これは看護師に限りませんが、短期間(1、2年未満)の転職を繰り返すことは、転職市場での評価を低くしてしまうため、徐々に転職先の選択肢は狭くなり、長期的にみると、年収にも大きな影響が出ます。
ライフステージによって働き方を変えられる職場で働くことができればそれが一番いいのですが、それが難しい場合は、周囲の価値観に流されずに、自身の状況に合わせて職場を選ぶべきです。
自分自身の希望だけを通すことは難しいですが、妥協できるところは妥協する、ただし、職業も職場も、自分で決めたことに責任を持つことが大事だと思います。
キャリアは人それぞれ
私事で恐縮ですが、私も転職のおかげで選択肢が増えた一人です。
実は、新卒で就職した病院に2年務めたあと、私は東京に出て、プログラマーとして働きました。
プライベートの事情によるもので、不安もあり、大きなキャリアチェンジでしたが、実際、やってみて思ったのは、プログラマーは、非常に楽しい仕事でした。
ところがその後、地元に帰ることを余儀なくされました。
地元にはSE職の求人などありませんでしたから、私は看護師に戻り、その時々の事情に応じて、転職を繰り返しながら、いくつかの訪問看護ステーションや、病院で働くことになりました。
楽しかった技術者から離れるのも不本意ではありましたが、再度看護師として、様々な職場で働くことで得たものは多く、医師だけではなくケアマネージャーや言語療法士、メディカルソーシャルワーカーの方々と共に働くことも学びました。
プライベートの事情が落ち着くと、私はまたwebにかかわる仕事がしたくなり、転職を決意しました。
ここで意味を持ったのが、プログラマーの経験ですが、一つには、そういう広い選択肢を持てることが、結局理想に近いキャリアといえるのではないでしょうか。
「選択肢を持てる人」とは
技術職全般に言えると思いますが、「ここしか行く場所がない」という人よりも、「どこでも行ける」ことや、「環境の変化を楽しめる」ことは、幸福度が高いと思います。
職場の状況はころころ変わりますが、そういった状況も楽しむことができるからです。
では、選択肢を数多く持てる人というのは、どのような人でしょうか。
学校では全く教えてくれませんが、転職サイトを運営していてわかるのは、以下の2つの特性を持つ人がそれに該当するということです。
・未経験の技術に挑戦する意欲のある人
・チームの一員としてうまく働ける人
一つ目は「未経験の技術に挑戦する意欲」です。
技術職は、ある程度の年数をやれば、一定のレベルのことはできるようになります。
看護師も例外ではありません。だから、採用側も、それは当然のこととしています。
ただ、採用側は、プラスアルファを求めています。
それが「未経験の技術に挑戦する意欲」です。
例えば看護師であれば、「外科はやったことないので、できません」という方よりも、「今までの技術を活かせば、すぐに身に着けられると思います」といえる人のほうが、はるかに選択肢が広く持てます。
「病院でしか働けません」という方よりも、「訪問看護も大丈夫です」という方のほうが、当然のこととして、選択肢は広いでしょう。
二つ目は、こちらのほうが大事なのですが「チームの一員としてうまく働ける人」です。
例えば、技術だけ突き抜けていても、人あたりが悪い看護師さんは歓迎されません。
看護師だけではないと思いますが、技術職の仕事の多くは個人技ではなく、チームプレイなので、他のスタッフ、医師との協調性、あるいは患者さんの要望に柔軟に対応できる方のほうが、結果的に良いサービスを提供できる可能性が高いからです。
技術職であっても、いや、技術職だからこそ、差がつくのが、コミュニケーション能力や、人柄、協調性なのです。
「転職」が普通になった
これからは、働きかたを選ぶ時代だと思います。
自分が、本当大切にしたいものは何かを考えて、それに合った働き方ができる職場を選んでいくこと。これが今まで以上に大切になってくると思います。
すぐに実現しないことが多いですが、今、経験していることは必ず最後にはすべてつながって、意味があるものになるので、目の前のことに精一杯取り組んでいけるとよいのではないかと思います
そんな時代に、情報源の一つとして、私が運営する「HOP!ナビ」がお役に立てるのならば、こんな嬉しいことはありません。
冒頭の写真に共に写っている齋部とともに手掛けた記事です。ぜひ覗いてみてください
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*1 政府統計ポータルサイト「e-Stat」賃金構造基本統計調査 2019年