先日、ある会社で新人へのフィードバック面談に同席した。
フィードバック面談においては先輩から新人へ様々な仕事への注文がつくのだが、その中で特に話題が多かったのが
「質問」の話だった。
そして、多くの上司や先輩が感じているのは
「わからないところを聞きにくる姿勢は評価するけど、少しは考えて来いよ」
に尽きる。
要するに、言葉は悪いが「バカな質問」をする新人がとても多いと彼らが感じているということだ。
だが、新人に言わせると
「聞きに行くのが怖い」
「聞きづらい」
と言った意見がでる。
そこにはかなりの認識ギャップがある。そして、ギャップがあるということはそこには何かのコミュニケーションに関する問題があるということだ。
では「バカな質問をする新人」に対して先輩は何を考えているのだろうか。大半の方の本音は以下である。
「お前が何も考えずに質問してくるから、オレの仕事が進まないじゃないか、
なに、オレがそこから教えなきゃならないの?少しはGoogleでも本でも何でもいいから調べようとか思わないの?
ホント、何も考えていない奴だな。」
例えばこんな話があった。webマーケティング会社において新人が
「CTRってなんですか?」と先輩に聞いた。
先輩はこう返した。
「調べろ」
その後、新人は「クリック率のことだとはわかりました。でもこのCTRを上げるにはどうしたらいいんですか?」
とまた先輩に聞いたそうだ。
先輩はこう返した。
「調べろ」
新人は言った。
「調べたんですが、色々な話がありすぎて、よくわかりませんでした。教えてもらえないでしょうか。」
先輩は遂にキレた。
「甘ったれんな、オレはお前の親じゃない!」
それ以来、その新人は先輩に質問をしに来なくなったという。
何が彼らのコミュニケーションにおけるスレ違いを生み出したのだろうか。
1つは新人の「態度」にある。
例えば1回めの質問の時に「CTR」という調べればだれでもわかるような単語を聞きに来ているが、先輩の気持ちは単純だ。
「オレの時間をつかう前に、お前も苦労しろよ。」
会社全体で見れば、先輩がさっさと教えて、新人が早くできるようになったほうが「効率的」ではあるかもしれない。だが人は効率では動かない。感情で動く。
したがって、知識を獲得することへの誠意を見せなければ、努力する姿勢を見せなければ彼らは「こいつには教えたくない」と思うだけである。
求められているのは「頑張って調べてきたけど、ここまでしかわからなくて聞きにきました」という姿勢だ。「とりあえずわからないので聞きにきました」では、先輩や上司を怒らせるだけだ。
2つ目は「質問の仕方が悪い」ことにある。
上の「CTRを上げるにはどうしたら良いですか?」という質問は、考えうる限りの最悪の質問だ。
なぜかといえば、質問が絞りこまれていないからだ。
例えば、「どうすれば商売で成功しますか?」という質問を想定してみる。
皆様はこの質問を受けて、どう思うだろうか?
多分困るだろう。なぜなら前提条件が明らかになっていないからだ。「どんな商売?」「成功って何?」と、様々な疑問が浮かぶだろう。
先のCTRの件も、「そもそも、どんなサイトで、何のクリックで、どれくらい率を上げたいのかが全く示されてない。何も考えずに聞いてきただけ。そんなの手抜きだ。」
と、その先輩は怒っていたのだ。
正しい答えを得るためには、正しい問いを発する必要があり、「なにがわからないか」を明確にするためには、頭を使い、疑問をまとめ上げる必要がある。
仮にそれができなくとも、少なくともそれまでの経緯をきちんと説明することで、上司や先輩の印象は随分変わるだろう。
もちろん、現実的には現場ではしぶしぶ質問に答える人が多い。それが仕事であるし、質問に答えないことで自分が受けるデメリットを十分に承知しているからだ。
万が一何も聞きに来ないで、新人の仕事が止まっていたら自分の仕事が増えるだけであることを彼らは知っている。だから、優しく教えている。
「聞きにこない時のデメリット」>> 「聞かれた時のイライラ」
という判断がそこにある。
優しい上司や先輩なら「そんな質問の仕方じゃお前のためにならない」と諭してくれるかもしれない。ただ、そんなにできた人はそうはいない。
「とりあえず聞く」はダメ。「聞かない」もダメだ。新人の間は「きちんと考えて聞く」ことが仕事なのだ。
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