ソリマチ株式会社、会計王シリーズの相談窓口担当、インフォメーションセンターの染谷です。
人生で何度もない大きな買い物は家、生命保険、自動車と言われています。そして、その購買の動機が
「営業が良い対応だったから」
という方は多いのではないでしょうか。
会計ソフトも似たようなことがあります。
会計ソフトは一旦利用すると、他へのスイッチングコストが高いため、何度も買うものではありません。ずっと使い続ける方が多いのです。ですから、ご購入頂く前にはどのソフトウェアを使うか、かなり慎重に吟味される方が多いでしょう。
その際のインフォメーション＆サポートサービス、すなわち商品説明を提供するのが、私の仕事です。
「良い対応」であればご購入いただける、そうでなければ他社の製品をお使いになるという、シビアな仕事でもあります。
さて、それでは「ご購入の検討に資する、良い営業対応」とは、私たちの場合一体どんな対応なのでしょうか。
例えば以前、こんなお電話をいただきました。ご年配の婦人の方からのお電話だったのですが、
「息子が、独立して事業を始めたので会計ソフトをプレゼントしたい」
というのです。
会計ソフトにプレゼントの需要があるのか、と私も驚き、うれしくなりましたが、息子さんの独立を喜ぶ一方で、お金の心配をなさるお母様の気持ちはよくわかります。
私もぜひお役立ちしたい、と思いました。
そこでまず「どういった事業を息子さんはなさるのですか？」とお聞きました。
弊社の会計ソフトは業種ごとに勘定科目を設定済みのテンプレートが30種類近く用意されているため、その業種にピタリとハマれば、導入の労力がかなり減るからです。
ただ、残念ながらお母様は
「実は仕事の中身はよくわからないんだけど、個人事業主と言っていた」
という限られた情報しかありませんでした。
そこで二つ目のポイントとして、「息子さんは、経理処理をされたことはありますか？」とお聞きました。
一般的には会計ソフトは自社にあった設定にするセットアップが大変です。
したがって、特に今まで会計に触れたことのない方は、いきなり本格的な会計ソフトを使うよりも確定申告用のソフトを使う方が良く、ある程度事業が成長してから切り替えても全く問題ありません。
お母様によれば、あまり経理処理に詳しくないと思う、とのことでしたので、価格が手頃な個人事業主向けのソフトウェアをおすすめしました。
このように、導入前、特に初心者の方からは製品の具体的な機能に関するご質問は非常に少ないのが実情です。
それよりも
「初心者だけど大丈夫だろうか」
「パソコンに不慣れだけれども使いこなせるか」
「自分の業種に合うか」
といった、「漠然とした不安」に関するご質問が多く寄せられます。
そのため私たちは「ソフトを売る」ことよりも、どちらかと言えばお客様の不安の根本的な部分を話していただくことにかなりの時間を割いています。
実際、インフォメーションセンターも積極的に営業をしなければならないと世間的には考えられているようですが、私たちは逆に、営業はしてはいけないと思っています。無理してご購入を頂いても、結局お客様にあった製品・サービスでなければ意味が無いからです。
そのため、私たちは「売上目標」を負わされていません。
そう言ったプレッシャーの中では、お客様と我々の利害が相反する可能性があるからです。
実は、上述した「息子さんへのプレゼント」を考えていたお客様は、結局その後何度もお電話をいただき、量販店での購入から、ユーザー登録までのすべてを、サポートさせていただきました。
それだけ、お客様の不安の解消には時間がかかるものなのです。
また、お客様の中には導入前の相談窓口担当の対応を見て、購入するかどうかを決定しよう、と私達をじっと観察している方もいますので、非常に緊張感のある仕事と言えます。
ですが、私もこの仕事を担当して今年で15年になります。
チャットやメールなどの問い合わせをメインとした競合ソフトに比べると、直接お話することで非常にお客様には安心感をもってソフトを使っていただけるとの自負があります。
ソフトウェアは、使い勝手やデザインなどどうしても「お客様のお好み」に左右される部分もあり、万人受けするものというのはなかなか容易ではありませんが、サポート体制に関しては違いが明確に出ます。
そこにお客様が価値を感じていただければ、私たちの仕事をする意味もまたあるのではないか、と日々思っています。
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