Amazonが、Kindleにつづきまた我々に買い物をさせるための「レジ」を世に送り出した。
それは、Amazonダッシュボタンである。
ボタンを「ぽちっ」。お気に入りの商品が少なくなったと気づいたら、ボタンを押すだけで商品をお届けします。Wi-Fiに接続し、iPhoneやAndroidスマートフォンのAmazonショッピングアプリからお気に入りの商品を設定するだけ。あとは必要な時にDash Buttonを押すだけで注文ができます。新しい買い物スタイルをご体験ください。
この商品を見て、スペック云々の前に思った。
「あー、「今」これを買う人は仕事できる人なんだろうな。」
そして、実際に私の周りでは、「できる人たち」が買っている。
何故そんなことが言えるのか。
1.新しいものに対する抵抗がない人が買う
「本当にこんなもの使うのか?」と誰もが思うだろう。「Amazonに掴まされているのでは?」と疑うほうが自然だ。しかし、これを今買う人達は、「とりあえず使ってみてから判断すればいいじゃない」という人たちだ。
この「とりあえずやってみればいい」という人たちには、仕事ができる人が多い。
知人の一人は「高々500円のボタン、しかも実質無料で試せて、使えなくてもネタにできるならとりあえず使ってみようと思った」と言っていた。
2.時間を愛している人が買う
もう一つ、これを買う人に共通している性質が、「時間を愛する」という傾向だ。
普通に考えれば、洗剤をAmazonで発注することくらい「スマートフォンを開いて、商品を検索して……と、4回ほどポチれば終わり」なのだ。
これを買うのは、それをわざわざ、専用機をつかって「1回ポチるだけ」にしようとする人たちだ。
もちろん、この人達は「近所のドラッグストアで、1円でも安いものを買う」という発想はない。彼らは最も貴重な資源である時間をどう捻出するかに心を砕く。
この時間すら惜しむ人たちが、このボタンの利用者像だ。仕事ができるに違いない。
3.ITリテラシー高い人が買う
「いやいや、待ってくれ、この程度でITリテラシー高いとか言わないでくれ」という声がありそうだが、これを使う人は間違いなく、リテラシーの高い部類に入る人たちだろう。
もちろん、この商品を「使いこなせる」というレベルにおいては、スマートフォンを持つ殆どの人がこれを使いこなすことができるだろう。
しかし、こう言ったIT技術を使って「生活がこれくらい変わる」とすぐリアルに想像がつく人はそれほど多くない。
技術が与えるインパクトをすぐに想像できる人は、「リテラシー高い人」である。
4.トヨタのカンバン方式(ジャストインタイム)をやってみたい人が買う
そして、極めつけは知人の一人のコメントだ。
「家庭で、あの、トヨタ方式ができる。洗剤の在庫が減らせる。洗面所がきれいになる」
そうだ。「Amazonダッシュボタン」は、お手軽に家庭でトヨタのカンバン方式を実現する手段なのだ。
棚にダッシュボタンとストックを一つだけ置いておき、ストックが切れたら、ダッシュボタンを押して発注しておく。これで「棚にあふれる洗剤」や「洗面所の下のスペースにあふれるシャンプー」が無くなる。
在庫は常に一つ。無駄なく発注でき、家もきれいになる。
これが想像できる人は多分、「仕事できる人」だろう。
そう言えば以前、同じようなヨタ話があった。
目の前の人が「できる人」なのかどうかを見極める、超簡単な方法。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
【著者プロフィール】
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