ソリマチ株式会社入社25年目、2度目の登場です。「新技術大好き」の開発責任者、五十嵐です。

永らく当社の販売するソフトウェアは、PCにインストールして用いる「パッケージ型」のソフトが主流でした。

しかし、時代はかわり、近年ではコンピューターの主役はPCからスマートフォンへ、サーバーからクラウドへと移行しています。

さらにそれに伴い、世の中には「フリー(無料)で使えるサービス」が多数となりました。

 

もちろん会計ソフトの分野ではまだまだPCが主流であり、パッケージソフトを用いて会計業務を行っている会社が大多数です。

しかし依然としてパッケージ型の会計ソフトの方が市場は圧倒的に大きいものの、アプリ型で、しかも無料で使える会計ソフトへの消費者ニーズも無視はできません。

 

そこで今回、我々は「タブレット会計」というサービスを、アプリで提供することにしました。

その一つの特徴が、「完全に、フル機能を無料で使える会計ソフト」であるということです。クラウド型のサービスを始めるにあたり、後発の我々が同じビジネスモデルを採用しても差別化できませんし、面白みに欠けるからです。

 

しかし、タブレットでどこまで企業の会計に対するニーズを充足できるのか、そこが我々の開発で最も悩んだ点です。

 

予想どおり、作り始めてみると私たちがPCで作ってきた制作のロジックと全く発想が違ってる部分がいくつもありました。

まず大きな違いは、アプリは基本的にマニュアルがないのです。

今では当たり前のようにありましたが、今まで私たちはソフトウェアを作り込むとこと同様に、かなり詳細な分厚いマニュアルも同時に作っていました。今でもPC版の方には分厚いマニュアルがついています。

 

したがって、我々はインターフェースのデザインを、全くゼロから再構築する必要がありました。

また、「今まで会計ソフトを使っていなかった方々」向けのソフトですから、できるだけシンプルに、専門知識無しで使える必要があります。

 

例えばパッケージソフトは勘定科目をそのまま表示させますが、タブレット会計を用いるお客様は、おそらく勘定科目に慣れていません。

そこで、できるだけ使い勝手をに近づけるなどの工夫がなされています。

 

さらに、タブレットの操作は直感的に行われるため、「どの部分をタップすればどういうことが起きるのか」「間違って押したときにももとに戻せる」など、タッチパネルならではの工夫が必要となります。

もちろん、上のような事情なので制作するにあたっては、デザイナーとエンジニアの考え方の相違もありました。 

開発の現場ではありがちだと思いますが、デザイナーは、アプリとしての動きに拘りますし、エンジニアは見た目だけの動きは意味ないと切り捨てようするからです。

 

そして無事先日、アプリはリリースを迎えましたが、おもしろいことに、利用状況をモニタリングしてみると当初想定していたユーザー像の他にも、例えば

「家計簿をつけている主婦の方々」あるいは「町内会の会計担当者」

といった方々や、製造業のお客様にも予想外なことにかなり使われていることがわかりました。

 

このアプリはシンプルに、機能を減らしたため、会計に特徴ある製造業での本格利用には向いていないと想像していました。

おそらく、事業所や支店単位で分業がされており、簡単な入力は事業所や支店で、本当に必要な部分だけは本社で、と言うかたちで「原価計算が不要な拠点」で、便利に使われているのでしょう。

 

また、弊社のアプリは多くの会計事務所の皆様からもフィードバックをもらうようにしています。

これは我々の製品をご利用いただいている全国の会計事務所様のネットワークのなかで、アプリの利用者の相談が増えることを予想しているからです。

 

本質的には会計業務は極めて専門的な業務です。

アプリのユーザーが完全に無料でソフトを使えれば、会計事務所様はアプリのユーザーから相談を受けて新しい顧客を創ることができ、我々もより多くの方にソリマチのソフトウェアをお使いいただくことができるようになります。

 

このようにアプリのユーザーの方々からのフィードバックにより、現在でもアプリは日々進化しています。

今はまだ発展段階で、必要最低限のものを揃えてスタートしました。これから少しずつバージョンアップさせながら、完成度の高い「完全無料」のアプリを、世に出していければと、ワクワクしています。

 

 

ソリマチ株式会社

完全無料の会計アプリ「タブレット会計」 

 


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