「起業」と聞いて、どういうイメージを持つでしょうか。

博打?

一か八か?

実は、その実態はイメージと大きく異なります。

 

そもそも、イノベーションや雇用創出の観点から、現在「起業」は政府の推奨するところとなっています。

2014年6 月に公表された「『日本再興戦略』改訂2014(新成長戦略)」でも、その目標は踏襲され、開業率の倍増計画は変わらない目標数値となっている。

これは、社歴の長い企業よりも創業企業による雇用創出効果が高いとの実績を受けてのことであろう。*1(太字は筆者)

しかし、諸外国に比べて日本における起業活動はそれほど盛んであるとは言えません。*2

一体なぜでしょうか。

その一つの要因として、「起業」には、冒頭のようなあやまったイメージがついて回っている、ということが挙げられます。

 

例えば、「起業は若手によるスタートアップ・ベンチャーが主体で、ハイリスク・ハイリターンである」というイメージを持っている方もいるかも知れません。

起業は博打のようなもの、大きな成功を狙い、リスクを取って大きく賭けるものだ、という認識です。

これでは、起業を希望する人が少なくなるのも、無理はありません。

 

が、実際のところ、現在の日本ではそれとは真逆のことが起きています。

 

起業の主流は50代から60代

事実、中小企業庁のデータによれば、現在の起業の主たる担い手は、50代から60代にかけての「シニア層」であり、60代が最も多いのです。*3

この背景には、「定年が見えてきている、退職予定2〜3年前の人」が、60歳からの雇用延長に伴う待遇の改悪で、会社員に嫌気が差し、それを避けるために50代後半から60代にかけて起業する、という実情があると考えられます。

また、彼らの起業する目的の大半は「自由に仕事がしたい」という動機であり、大きな金銭的な成功を夢見て突き進む、という起業とは異なるものです。*4

 

もちろんこの傾向は日本だけではなく、リンダ・グラットンの「ライフ・シフト」では、「シニア起業」の急増がすでに指摘されています。

55歳以上の年齢層では、起業する人の割合がすでに急増している。起業家全体に占める55歳以上の人の割合は、1996年には15%だったが、2014年には26%に達した。将来は、70代や80代の人が起業する割合も増えることが予想される。

実際、企業が定年まで人を抱えきれなくなり、かつ労働者も「人生の新しい局面に対応したい」との要求を持つようになれば、起業家が増加するのは当然の帰結と言えるでしょう。

 

シニア起業の成功率は高い

なお、「起業の成功率はとても低い」と思う方もいるかも知れません。

しかし、日本政策金融公庫の調査では、「黒字基調」の起業家が7割も存在しており、「一か八か」とは程遠い状況です。

というのも、現在では低リスクの起業手法が洗練されてきており、

・会社勤めをしながら、法人を持って、準備をする

・副業から始める

・法人を持つことで、様々な税制上の恩恵もある

と、人生をかけて、資金をオールインせずとも起業できる環境があり、それが現代の起業の主流なのです。

 

TEDで大きな話題となった、66歳で起業した米国の起業家であるポール・トラズナーは、「米国の遅咲きの起業家は 新しい事業に取り組んで7割が 成功します」と述べています。

これは、日本のシニア起業と全く同じ状況です。

 

シニア起業のための環境は整っている。

ですから、サラリーマンとして「会社ではもう出世は出来ない」という状況であっても、起業という世界では、まだ大きなチャンスがあるのです。

事実、そういった悩みを持つ「シニア起業家層」に道を開くための手助けをしている団体も数多くあります。

 

その一つが、ABS(アタッカーズ・ビジネススクール)の起業家養成プログラムです。

ABSは25年の歴史を持つ大前研一設立のプログラムで、クラウドワークスやRettyなど、数々の起業家を輩出。実績を上げてきました。

また、中にはスモールスタートから徐々に会社を育てた人も数多く存在します。

 

例えば卒業生の一人、起業して現在7年目を迎えるリバースフロウの代表、清原豪士さんは、もともと地銀の行員でした。

転機が訪れたのは、2008年のリーマンショック。

金融業界は非常に厳しい状況に置かれたため、当時管理職だった清原さんは、上から降りてくる高い目標の達成のために部下を駆り立てたそうです。

 

しかし、結果として、メンタルを病んでしまう方や、休職者が大勢出ました。

「自分のありようを見直さざるを得なかった」と清原さんは言います。

 

その時受けたコーチングに感銘を受け、自分のキャリアを「いずれ人材開発、能力開発で起業したい」と決意し、ABSの起業講座を受講しました。

そして、人材開発の手法を人材育成に反映、徐々に部門の風土改善や業績回復を果たした後に、起業しました。

 

創業11年になる、デジタルブック制作のコンテンツエッジ代表の山下剛正(よしたか)さんは商社出身。

起業を強く意識し始めたのは、11年勤務していた外資系通信会社の業績が悪化し、グローバルレベルで管理職のリストラが行われた時。

 

しかしその時にはまだ「起業」の解像度が低く、ビジネスをうまく定義できていなかったため、別の外資系企業に転職することにしました。

転職後すぐにABSの起業講座を受講。

講座の中で提供される、先達起業家たちの起業前の事業計画を参考にし、会社を辞めて転職から約1年後の2011年5月に会社を登記、事業を開始しました。

 

そして記念すべき初受注は、同10月。

泥臭いテレアポを繰り返し、信用金庫から受注をもらったそうです。

その後、印刷業界に強いニーズがあることがわかった山下さんは、地道な営業活動とクリエイターの組織化を行い、いままで会社を大きくしてきました。

 

「起業家養成講座」がなぜ実績をあげているか

ABSの起業家養成講座が実績をあげている理由は、以下の点にあります。

 

第1点目は、「自分を知り、本当にやりたいことを見つけられる」。

自分の棚卸を通じて、強み弱みを整理し、本当にやりたいことを見つける為の後押しをします。

 

第2点目は、「0→1の発想法トレーニング」を提供している点です。

世界的に著名な経営コンサルタントである、大前研一(ABS創業者)が40年間のコンサルタントの集大成として、自分がどのようにアイデアを発想してきたか、その思考のプロセスを11の発想法として分類し、トレーニングできる形式にしています。

 

第3点目は、起業家コミュニティの存在です。

「ABSfamily起業倶楽部」は、ABSでともに起業家精神を学び、共通言語が通じる、志を同じくする仲間が集う場です。

 

講座では、起業に必須の7つの要素を重層的に学び、6か月間で起業の準備が完了させます。

興味のある方は、以下の資料をダウンロードしてください。

 

【ダウンロード:起業家・アントレプレナーを目指し、人生の主人公になる生き方とは

 

 

 

【著者プロフィール】

安達裕哉

元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。

◯Twitter:安達裕哉

◯Facebook:安達裕哉

◯有料noteでメディア運営・ライティングノウハウ発信中(webライターとメディア運営者の実践的教科書

 

*1 我が国の起業家教育の意義と課題−「起業教育」と「起業家学習」のための「地域つながりづくり」−

*2 2020年度版「中小企業白書」

*3 2017年度版「中小企業白書」

*4 「2021年度起業と起業意識に関する調査」 – 日本政策金融公庫