Nürnberg, Reichsparteitag以前、「管理されたい人などいない」という記事を書いたが、歴史を見ると、喜んで人々が「管理」「統制」「監視」を受け入れた時代があった。1930年台から1940年台にかけて世界中を戦争に巻き込んだ、「ファシズム」の時代だ。

 

ファシズムの最たる例である「ナチス・ドイツ」が行ったことは通常の感覚ではとても正当化できるものではなく、現代の感覚からすれば「自らの自由を放棄しても、ナチスを支持した」ことは異常ととれるが、時のドイツでは支持を受け、第一党となった。

なぜ、人々は自ら自由を放棄したのか?

 

当時のヒトラーの演説の趣旨はこうだ。

 

「国が与える最高の未来がある」

「一人一人に役割がある。努力と自己犠牲によって、これを勝ち取れ」

「悪しき者の居場所は、我々の中には無いのだ」

 

演説は短く、ほとんどはこの様な民衆を鼓舞する文言で占められている。

 

 

当時、ドイツ国民は第一次世界大戦の敗戦、多大な賠償金により国民は疲れ、自信を失っていた。

「何が正解かわからない」「希望が持てない」そんな時代だったのである。そこに『正解』をもって颯爽と現れたのがナチス・ドイツだった。

ヒトラーが支持を集めた理由はこの演説の中にも現れているが、「統制され、鼓舞され、奮起する」ことを、民衆が求めていたことをヒトラーは見抜いていたのである。

 

 

引き換えに、ナチス・ドイツが民衆に求める能力はとにかくシンプルなものであった。

  1. 政治的な能力
  2. リーダーシップ
  3. 総統への忠誠

である。とにかく、これさえ身につければ社会の中で尊敬され、それ相応の地位を受け取ることが出来たのである。

(総統を「社長」に読みかえれば、どこぞの企業でもこれは当てはまるのかもしれないが・・・・)

 

人間は『正解』が見えないこと、不安なことに長くは耐えられない。

そんな時に、わかりやすい『正解』をもった独裁者に安々と権力を渡してしまうのである。

 

政治家でも、経営者であっても、わかりやすい『正解』をすぐに提示する人には気をつけよう。いかにそれが正しい思想に見えたとしても、それは統制、独裁に繋がっている。

 

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)