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自社のアピールをすることだけが「広報」ではない。
配信日:2017/5/24
さて、今回は「AscentBusinessConsulting株式会社」の企業広報、
“なぜ世界中でコワーキングスペース事業が盛り上がっているのか。”
という記事について、考察します。
ページビュー数は約7,000、いいね!数は約670と、多くの人に読まれました。
本業はBtoBのコンサルティングの会社ですが、「コワーキングスペース事業」を共に立ち上げており、BtoC向けのビジネスを展開する足がかりとして広報をやる、という背景です。
このコンテンツが読まれたポイントは、タイトルにもある通り
「自社のアピールをすることだけが「広報」ではない。」
にあります。
前回もお話しましたが、一般に、企業広報はPR的な視点から、
「自社のことをアピールしなければならない」
と捉えがちです。
しかし、読者の視点に立てば、企業のアピールばかりの記事は読むに値しません。読者が求めているのは、「PR」ではなく「面白いコンテンツ」に過ぎません。
したがって、企業PRは時として、「自社の話をせずに、自社のPRを行うこと」も選択肢の一つと言えます。
具体的に見てみましょう。
AscentBusinessConsuting代表の北村さんは、この記事の冒頭で、突然競合とも呼べる、アメリカの同業者の話に触れています。
『Weworkという企業をご存知でしょうか。
時価総額2兆円とも言われているコワーキングスペースを運営している創業8年
ほどのシリコンバ レーの企業です。コワーキングスペースの主だった利用者
と言えば、フリーランスや若い起業家たちでしょう。
一つ興味深い指標があります。現在のアメリカでは全労働人口の35%にあたる約5500万人がフリーランスとして働いており、その市場規模は約1兆円にもなっているのです。
さらに2020年には労働人口の50%以上がフリーランスになるとの試算もされているのです。
その影響もありコワーキングスペースの需要は今後さらに伸びると考えられており、Weworkはシリコンバレーで最も注目される企業の1つとされているのです。』
通常、PRにおいて競合他社の話題はタブー、と考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、北村さんは敢えて競合に触れています。
なぜでしょう。
それは、「読者に情報を隠すより、敢えて情報を差し出すことで、信頼してもらう」
という考え方を持っているからです。
彼は一言も自社サービスに触れず、最後にこう述べています。
『正直に言うとWeworkのことを知って「黒船襲来だ」。なんて思ったりもしたのですが、ポジティブに考えれば今我々が行っている方向が間違ってなかったとも言えるわけです。
私たちは私たちのやり方で、まずは東京にこの新しい価値観を根付かせ、多くのフリーランサーや起業家、副業をする方達を後押ししていきたいと思っています。』
この一文こそ、「究極の自社PR」ではないでしょうか。おそらく、彼の姿勢に共感した読者も多いのではないかと推察します。
このように、「自社のことを話さない、自社PR」も存在するのです。
(了)
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