技術者こそ、若い時には技術よりもヒューマンスキルを重視したほうが、長期的には成功する。


こんにちは。オリエンタルインフォーメイションサービス、グループリーダーの高橋です。

立場上、よく若手の技術者から「技術力を上げるにはどうしたら良いですか?」と聞かれます。あるいは「技術の勉強方法を教えて下さい」とも聞かれます。

 

技術の勉強はもちろん大事です。

ただ、私の観察では、技術の勉強にばかり偏ってしまうと、後に技術者として伸び悩む方が多いように感じます。

なぜなら、知識によって技術力が伸びるのはある程度の基礎が身についてから、3年目、5年目以降だからです。

 

そして、3年目、5年目以降の伸びは、それまでの「ヒューマンスキルの獲得状況」によって左右されます。

 

若い時にはヒューマンスキルやメタスキルを重視して研鑽したほうがいい

ですから、冒頭の質問への回答は間違いなく「若い時にはヒューマンスキルやメタスキルを重視して研鑽したほうがいい」です。

 

技術はある程度ベテランになってからも勉強し続けることができます。

ですが、むしろ若い時にしか教えてもらえないのが、ヒューマンスキル、つまり「質問の仕方」であったり「先輩や上司への接し方」であったり、または「疑問の持ち方」などのメタスキルであったりします。

 

つまり技術者として駆け出しの頃は、「知識の探し方、聞き方」などを重点的に鍛え、ある程度の基礎ができたところで、一気に技術・知識を伸ばしていくことが、最も効率的なのです。

 

例えば、こんなシーンを想像してください。

お客さんから「発生したバグについて、説明してください」とメールで依頼をうけたとします。

さて、何を報告すべきでしょう。

 

もちろんそれは状況によって異なります。

簡単な概要の説明だけを報告する時もあります。

バグ発生の経緯を逐次説明する時もあります。

バグへの対応だけを説明する時もありますし、再発防止を重点的に説明する時もあります。

つまり、「相手にとって必要な説明とは何かを判断するスキル」が、そこには求められます。

 

ソクラテスは、「大工と話すときは、大工の言葉で語れ」と言ったそうですが、このようなヒューマンスキルは、技術だけを勉強しても身につきません。

むしろ、悪い方向に行くと、「技術を知らない人をバカにする」ということにもなりかねません。それでは、せっかくの技術も宝の持ち腐れとなってしまうでしょう。

 

会社の人と無理に仲良くする必要はない

もう1つ、ヒューマンスキルの話をすると「会社の人と仲良くする必要があるのでしょうか」という質問をもらいます。

おそらく、「ヒューマンスキルとは、みんなと仲良くできるコミュニケーションスキルのことだろう」と、勘違いをしているのでしょう。

 

しかし、「ヒューマンスキルをつける」ことと「仲良くする」ことは、何の関係もありません。

仲良くする事自体は悪いことではないですが、無理して会社の人と仲良くする必要は全くありません。

 

逆説的ですが「仲良くしないと仕事がうまくいかない」と言っている人は、ヒューマンスキルが欠如していると言っても良いでしょう。

ヒューマンスキルが低い人ほど、相手と仲良くすることで「細かいミス」を有耶無耶にして許してもらっているからです。

 

当然ですが、本来のヒューマンスキルは「仲良くすることでミスを大目に見てもらう」ためのスキルではなく、「適切な情報を、適宜人とやり取りできるスキル」のことです。

 

「これでいいや」という思考はメタスキルの欠如

一方で、いつまでたっても一人前になれない人に共通する思考が、「これでいいや」という思考です。

例えば、ある障害が発生した時、原因を調べて「値を間違っていれていた」とか「パラメータチェックをしていなかった」と発覚したとしましょう。

 

手抜きをする人は、間違いを直して「これでいいや」と、そのまま流してしまいます。

でも、手抜きをしない人は「なぜ値を間違ってしまったのだろうか」「なぜパラメータのチェックが漏れてしまったのだろうか」と、突き詰めて考えます。

 

そういう人からすれば、「なんで「なんで」を思わなかったの?」と疑問を抱くでしょう。

これは「メタスキル」の欠如に依るものです。

新しい技術や知識を獲得するためには、常に疑問を抱かなければなりませんが、若い時に「疑問を持つクセ」を鍛えなかった結果です。

 

本来、人の成長にはとても時間がかかります。

技術者であればなおさらで、一人前の仕事ができるようになるまでに、5年、10年かかるのは当たり前です。

そして、「いつ一人前になるか」を予想することはできません。

 

人はあるきっかけで大きく成長する生き物です。

そのために会社は、特に若手には積極的に「ヒューマンスキル」や「メタスキル」を獲得できる環境を作っていくことが必要なのだと思います。

 

 

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(Photo:Michael Saechang)


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