cultured-beef2何かと食品の偽装が問題になっている。その中でも「悪質だ」と言われる結着剤で固めた吉兆のローストビーフだが、そこまでやるならもういっその事、「100%人工の肉」を使ってやってほしいものである。

ということで、食品偽装とは全く関係ないのだが、最近「人工肉」の開発が話題となった。これは、生きている牛から筋肉細胞を取り出し、それを培養して肉とする試みだが、この研究が成果をあげつつある。

 

世界初、人工肉バーガーの試食会開催 「食感は完璧」(AFPBBS)

ちなみに、試食時の動画もある。

 

 

試食者も恐る恐る食べていて、全く食欲がわかないのだが、この技術が進歩し、本物の肉と殆ど差がない物ができた時の世界を想像すると、凄まじい変化が世界中に起きる可能性がある。

まず食糧問題がかなり改善される可能性がある。

 

世界の穀物の6割は家畜の餌(ネットワーク地球村)

 

”穀物は人間が食べるだけではなく、先進国では穀物の 6割(約4億トン)が、ウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜のえさになっています。
牛肉1キロ作るために穀物11キロ、豚肉1キロ作るために穀物7キロ、鶏肉1キロ作るために穀物4キロを消費しています。
結果として、世界の 2割足らずの先進国にすむ私たちが世界の穀物の半分以上消費しているのです。”

 

要は、「家畜を生産する」ために、大量の穀物が使われているということだ。地球上の耕作面積は限られており、単位面積の収量の改善は年々進んでいるものの限界はある。

 

穀物を家畜経由ではなく、そのまま人の食料として供給したほうが、エネルギー問題の観点から言っても望ましい。

 

 

また、以下の記事の中で「環境負荷の低減」にも触れられている。

Google共同創業者が研究費を出した人工肉。面白いけど、実用化はまだまだ先

 

”1000kgの人工肉を作る場合のエネルギー使用量は、牛肉1000kgの生産の55%、温室効果ガス排出量は4%、土地の利用は1%。人工肉の環境影響は非常に低い。豚肉や羊肉、鶏肉に比べてもおおむね、環境負荷は少ない。”

 

という研究も紹介されている。家畜の屠殺に関わる倫理的問題の解決にも近づくことができるだろう。

 

 

もしこの技術が実用化されれば、どのような事が起きるのだろうか。

・農業の衰退

・牧畜の衰退

・微生物学の隆盛

・土地利用の変化

・産業構造の変化

・人口分布の変化

 

など、少し創造するだけでも「人類の農業の発明」以来の大変化となりそうである。実用化はまだ先だろうが、楽しみに待ちたい。

 

 

 

 

(photo:CNN  http://www.cnn.co.jp/fringe/35035597.html

 

 

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【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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(2025/6/2更新)