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どうやったら「ゲーム」のように勉強をすることができるのか?極めて重要な問だ。

 

ゲーム以上に人を熱中させるものはそう多くない。電車の中を見渡せば、多くの人がスマートフォンでゲームをやっていることからもわかるように。人々はほんの少しの空き時間を見つけてはゲームをやる。

ゲームデザイナーのジェーン・マクゴナガルによれば、現在我々はオンラインゲームに、週30億時間を使っている。さらに今日、ゲーム文化が強い国では 平均的な若者は21歳までに オンラインゲームで1万時間を 費やす。これは、アメリカの子供にとって 10,080時間というのは 小学5年から高校卒業まで 無欠席の場合に 学校で過ごす時間と同じだ。(TED)

もはや、誰も「ゲーム」という存在を無視はできない。ゲームは子供のやるものでも、暇人のやるものでもなく、「人を熱中させる装置」として真面目な研究が必要な分野だ。

 

さて、一方で「学校の勉強」は極めて評判が悪い。多くの学生にとって、「つまらない」「やる気がでない」「意味が無い」と、絶望的な状況だ。ゲームの用語で言えば数学や物理、その他数々の教科はまさに「無理ゲー(クリアが無理なゲーム)」「クソゲー(クソみたいなゲーム)」というわけだ。

そのくせ「勉強で良い成績をとること」は、現実的に多くの人にとってそれなりに重要なことであるので、余計始末に終えない。勉強で挫折して世の中を恨む、なんて世の中にとっても、本人にとっても不幸だ。

 

だから「勉強」をどうしたらゲームのようにできるのか。ひいては「仕事」においてもどうしたらゲームのように熱中できるのか、と言うのは人類にとって極めて重要な課題である。

 

では、「勉強」をゲーム化するにはどうするか。塾などで採用を検討したいルールは以下のとおり。

 

1.勉強の目標は自ら決める。目標は紙に落とす。

志望校に合格、でも、模試で偏差値65、でも、友達に勝ちたい、何でも良い。将来就きたい職業でも構わない。結局のところ「自分が決めた目標」でなければ面白さは無い。結局のところ、人間がなにか行動を起こすときには「理由」が必要である。

 

2.小テストを頻繁に行う

大きな目標は大事であるが、それは大義名分に過ぎない。これだけではモチベーションの維持にはつながらない。モチベーションのために重要なのは、「憶えたことを試せる機会」である。ゲームでも新しいスキルを獲得したら試したくなるのと同じだ。

少なくとも週に3回程度のミニテストが効果的だ。

 

3.友達と競う

純粋に「同条件で競う」ことは、ゲームと同じくモチベーションの維持につながる。小テストの結果は比べられるようにするべきである。実際、ランキングは人を引きつける。なお、個人レベルで競うのではなく、ユニットを作り、ユニットレベルで競う仕掛けを作れば、ユニットの中で助け合いやノウハウの共有も期待できる。

ミニテストのランキングは「テストの点数」だけではなく、「受けた回数」や、「かかった時間」などでも表示する。

 

4.実力を記録、視覚化する

自分のレベルを認識することで、「更にレベルを上げる」ことへの欲望がわく。問題を説くのにかかった時間を記録することや、小テストなどの出来はできるだけ視覚化し、記録によって自らにフィードバックが行えるようにする。

小学校などで採用されている「スタンプ」や「シール」を集めさせるのもよい。100点は金のシール、90点以上は赤のシール、80点以上は黄色のシールなど、色分けしてコレクションさせるのもよい。

 

5.イベントを作る

「三角関数王者決定戦」「計算マラソン」などの特殊イベントを設定し、飽きさせない。また、王者には「称号」を付与するなどのリワードがあってもよい。

 

6.射幸性をうまく活用する

「小テストを10日間連続で行ったらくじを引いて、景品が提供される」などのしくみを提供する。リワードはバーチャルなものでも構わない。

 

7.つまづいた時に、直ぐに質問ができるようにする

ある問題がわからなくてつまづいた時、自分だけで考えることは時間のムダであるし、勉強を嫌いになるきっかけになってしまう。「疑問はアツいうちにうて」という言葉を実践する。

 

8.授業はできるだけ受けなくて済むようにする。

授業はゲームで言う「チュートリアル」であるから、授業はできるだけ受けずに済むようにする。本来であればごくカンタンなテスト(いわゆる実戦)から勉強を始め、必要に応じて授業を受けたい人が受けるようにすれば、退屈することはない。

テキストがテストを中心に構成されており、授業を受けずとも公式などを憶えられるようになっていることが極めて重要である。

 

9.「集中できる場所」は人によって異なるので、場所を固定せずに勉強できるようにする。

勉強を家でやりたい人もいれば、図書館や学校、カフェが良い人もいる。場所にとらわれず勉強できるようにするため、webなどをうまく活用する。

 

10.スキマ時間を活用して勉強できるようなツールを提供する。

電車にのっている時間、あるいは昼休みなどのちょっとした空き時間など、10分15分位の空き時間は頻繁にある。その時に「ちょっとした勉強」ができるようなツールを提供する。

 

 

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【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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(2025/6/2更新)