マネジメントの観点からすると、企業においては4種類の人がいる。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-13-07-41-54

1.上司が何も言わなくても、成果を出す人

口出し無用。できる人なので、有能な部下として活躍する。

 

2.上司の言うとおりにやって、成果を出す人

簡単な仕事であれば、きちんと上司が仕事を設計し、彼らの仕事をレビューしながら進めれば、結果は出せる。ただし彼らを「上司が言わなくてもできる人」にするためには時間と忍耐が必要。

 

3.上司の言ったとおりにやっても、成果を出せない人

最初はここからはじまる。仕事を覚えたての時。

 

そして通常であれば、新人で会社に入ってから、3⇒2⇒1の順番で成長していく。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-13-07-53-40

ところが、この流れから取り残されてしまうのが4.の人だ。

 

4.上司の言った通りにやらず、成果を出せない人

働かないわけではないのだが、とにかく上司の言ったとおりにやらない。そればかりではなく 妙なこだわりがあり、時間をかけ過ぎたり、指示を勝手に解釈したり、不必要なクオリティを追求したりするので 成果が出ないが、本人はさほど気にしていない。

 

 

そして、本題の「聞きにこない」人物はこの4.に当たる事が多い。

実は会社の現場では 「上司に聞きづらい」 とか、 「どうやって聞いたら良いのかわからない」 という人ももちろんいるのだが、実際に多いのは、「上司に聞くべき時に、聞こうと思わない」ことである。

 

例えば、4.の人と仕事をするとこうなる。

「提案書の下書きができました」

「ああ、おつかれさん……ん??このタイトル、前回の打ち合わせの時と違うようだけど。章立てもちょっと変えた?」

「はい。作っていてこちらのほうが良いと思ったので。」

「ちょっとまて、打ち合わせの時これで行こう、って言ったじゃないか。何で勝手に変えるんだ。」

「ですから、こっちのほうが良いと思ったので。内容を踏まえてです。」

「……おまえなあ、チームで決めたことを「自分が良いと思ったので」で勝手に変えていいと思ってるのか。」

「はい。」

「バカヤロウ!そんなわけないだろう!!報告、連絡、相談が当たり前だ。」

「しかし、この程度のことでいちいち相談していたら、仕事が滞ります。」

「……やりなおしだ。」

「は?」

「やりなおしと言ってるんだ、きちんと前回決めた章立てとタイトルに直して、さっさと出し直せ。」

「しかし……私は今日の夜予定があり……」

「そんなもの知るか、お前が報告しないのが悪いんだろう。もうお客さんへの提出はギリギリなんだぞ。」

「はあ……。」

「オレは、前にも言ったよな。勝手に自分の解釈で仕事をするなと。」

「……。お言葉ですが。「自分の頭で考えろ」といったのは課長です。この通り、自分で考えました。」

「屁理屈を言うな!」

「屁理屈ではありません。自分で考えて、こちらのほうが良いと思ったので、変えたまでです。それとも「自分で考えろ」は撤回なさいますか?」

「お前というやつは……。」

「私は間違ったことは言っていないと思います。私の解釈が嫌であれば 「俺の言った通りにやれ」と、細かいところまですべて指示を出していただけなければ困ります。」

「……。」

課長は困り果ててしまった。 彼は一体どんな指示を出すべきだったのだろうか。

 

本質的に「聞きにこない人」は

・聞くべきこと

・自分で判断していいこと

の境界線が曖昧なまま働いている。だから、上のようなトラブルを起こす。 しかし、現場だけを責める訳にはいかない。 なぜなら、上司も「自分で考えろ」とか「こんなことをいちいち聞くな」と部下に言っているからだ。

 

この状況を解決するためには、上司は2つのことを徹底しなければならない。

 

・上司は現場での判断基準を提示

例えばタイトルや骨子については相談すること、表現や表記のみで内容に関して変更がない箇所は 各自で判断して良い、など。判断基準を提示する。

また、作業指示をする時に部下に質問させ、「〜で作業が止まったら報告せよ」など 幾つか例を上げてすり合わせをしておくと、かなりスムーズに事を運ぶことができる。

 

・部下に保守的に報告、記録させる

判断基準がない、あるいは逸脱した、と思うときには必ず「上司への問い合わせと、問い合わせ内容の記録」をやるよう要求する。 ここに関しては保守的に考え、「誤解があると困るので、先回りして確認しよう」という習慣をつけさせること。

「こんなことはいちいち聞くな」とは絶対に言ってはならない。いちいち聞かれるのが困るのであれば、基準を提示すべきだ。

 

「報連相を徹底せよ」というのは、現実的には以上の2点を上司と部下で何度か行い、ある程度の共通認識を形成することだ。

 

最近ではプロジェクト単位で動く仕事も多いため、必ずしも共通認識が醸成される土壌があるとは言えない。 その場合、どんなことはリーダーに報告し、どのようなことはメンバーが自分で判断して良いのかをあらかじめ詳細に決めなければならない。

 

プロジェクトマネジメント世界標準であるPMBOKにて、「変更管理マネジメント」が重要な位置を占めているのは偶然ではない。

「たかが判断基準」と思う方も居るだろうが、 実は仕事のクオリティを左右する、かなり重要なポイントだ。心してかかりたい。

 

 

【お知らせ】
Books&Apps及び20社以上のオウンドメディア運用支援で得られた知見をもとに、実際我々ティネクト(Books&Apps運営企業)が実行している全48タスクを公開します。

「成果を出す」オウンドメディア運営  5つのスキルと全48タスク
プレゼント。


これからオウンドメディアをはじめる企業さま、現在運用中の企業さま全てにお役に立つ資料です。ぜひご活用ください。

資料ダウンロードページはこちら↓
https://tinect.jp/ebook/5skills48tasks/
メールアドレス宛てに資料が自動送信されます。

ティネクトの事業・サービス詳細はこちら

 

Books&Appsで広報活動しませんか?

安達裕哉Facebookアカウント (安達の最新記事をフォローできます)

・編集部がつぶやくBooks&AppsTwitterアカウント

・最新記事をチェックできるBooks&Appsフェイスブックページ

・ブログが本になりました。