あけましておめでとうございます。令和最初のお正月をどのように過ごされているでしょうか。

年末年始の連休の長さに違いはあれど、日々忙しい皆さんにとって、家族とゆっくり過ごせる特別な時間であることに変わりはないと思います。

 

本日は、そんなお正月にこそ考えたい、家族との時間の過ごし方についてお話させていただきます。

 

 

私は長男が生まれた際に4ヶ月半におよぶ育児休暇を取得し、文字通り家事・育児に没頭しました。

そして、家事・育児をがんばる人に対して敬意を示したいとの思いから

「やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた」(サンマーク出版)

という書籍を書くに至りました。

 

そして、この期間を経て、もう一つ大事なことに気づきました。

それは、自分の振る舞いが、家族の「常識」を形づくっているという事実です。

 

昔から「子どもは親の背中を見て育つ」と言いますが、自分の存在を「子どもの常識を形づくる環境」と捉えることで、家族との過ごし方、働き方、生き方のすべてが一変したのです。

 

私が得た気づきの一部をご紹介することで、周囲から期待されるがゆえに仕事に打ち込んでしまう皆様にとって、新たな気づきを得られればうれしいです。

 

子どもにとって「親の姿」は世界の常識

 お正月で思い出されるのが、結婚して始めてお正月を迎えた時の「年越しそばの食べ方」です。

私と妻の家庭では、この年越しそばの食べ方が違っていたのです。

 

我が家では大晦日の夕食は家族で鍋を囲み、夜中の12時を回り「あけましておめでとう」という挨拶を終えた後に、つまり新年を迎えた後に、そばを食べていました。

どの家庭もそういうものだと思っていたので、夫婦での年越しも当然そうなるものだと思っていました。

 

しかし、大晦日の夕食の準備の話をしていても、会話がかみ合いません。それもそのはず、妻の家庭では、まさに夕食の時に、年越しそばを食べていたのです。

そこから、どちらが正しい年越しそばの食べ方なのかでひと悶着するわけですが、最後は「あなたの家の食べ方は、年明けそばじゃない」という鋭い指摘を受け、妙に納得したことを覚えています。

 

しかし、そう指摘されるまでは、まさか自分が年越しそばではなく、年明けそばを食べていたとは疑いもしませんでした。

 

年越しそばの食べ方は一例なのですが、自分が育ってきた家庭での常識は、その人の常識になり、それがそのまま世界の常識であるように錯覚してしまいます。

その観点からすると、行動だけではなく、価値観も偏見も先入観も、育ってきた家庭における両親の振る舞いから大きな影響を受けていると言えます。

さらに言えば、家庭でのあらゆる振る舞いが、意図するか否かは別として、家族の環境の一部になってしまっているのです。

 

もちろん、子どもが成長する過程で自ら考え方が更新されることも、反面教師として学ぶことも多分にあると思います。

しかし、その土台となる常識をこれからの時代に合わせてアップデートしたいと思うならば、両親の家庭での振る舞いを見つめ直すことが先決なのです。

 

夫婦の「助け合う姿」はあらゆる教育を含んでいる

 そのなかでも非常に重要なのが、両親が助け合っている姿であると思います。こうした姿を見せるだけで、人生において大事な多くのことを伝えることができるのです。

 

例えば……

・違った個性の2人が助け合うこと

・何に困っているのか話し合うこと

・話し合いによって、お互いが納得できる答えを導くこと

・性差に対して敬意を持ち、補い合う姿勢を持つこと

・家庭も、仕事も、平等に行うこと

・大人だって不完全なんだと気づくこと

 

数え上げれば切りがないのですが、両親という最も身近な男女が同じ方向を向かって進もうとする姿には、数多くの示唆が含まれています。

もちろん、一緒に長い時間を過ごす夫婦にとってケンカは絶えず、我が家も例外ではないのですが……。

 

そのなかで、具体的な行動として今日からできるのが、父親も母親と同じように家事・育児に積極的に参画することです。

母親が家事を一手に担っている家庭で育った子は、将来、女性が家事を一手に担うことが当たり前と思うことになります。

 

その一方で、父親と母親が協力し合いながら暮らしている家庭では、父親が家事を行うことこそが当たり前と思います。

その結果、家庭という生活の土台を支える負担が分担されることで、お互いが仕事や趣味、好きなことに使える時間が増えるようになるはずです。

 

世界経済フォーラム(WEF)よって発表された最新のジェンダーギャップの調査によると、日本の男女平等度は153カ国中121位と、散々な結果になっています。

 

もちろん、政治や企業による課題が大きいのですが、その根底には、いまだ固定化された家庭での男女の古い役割観が横たわっているように感じます。

政治や企業で大きな判断をしながらも、家庭という単位で取り組めることがあることを忘れてはならないと思います。

 

家庭教育を考える暇があったら、家事・育児をしたらいい

 私も子どもの教育に関しては大きな関心を寄せています。自分が育った時代と比べると、できることの選択肢が増えており、その情報量に右往左往する日々が続いていることも事実です。

 

そこで、私はひとつの割り切りをしました。それは「適切な家庭教育を考えよう」という姿勢を捨て去り、とにかく自分が家事・育児に積極的に参画することを決めたのです。

もしかすると、それは「意識低い系」の教育なのかもしれませんが、自分の身近な人に対する敬意を持ち、最も小さな単位で助け合いながら生き抜いていく術を知ることは、これから最も大事になるサバイバル教育になると考えるようになったのです。

 

その延長線上で、働くことと家庭とのバランスを見直す「ワーク・ライフ・バランス」ではなく、家庭での時間を中心に仕事の在り方を考える「ライフ・ウィズ・ワーク」の考え方に移行しました。

そして、仕事の時間と場所を自分でコントロールできる環境を得るために、転職も経験しました。

 

実際に日々てんやわんやしている家事を「名もなき家事」より、いくつかご紹介します。

 

 

 

 

「10年後の常識」はいま作られている

今後、世界を取り巻くテクノロジーはさらに進化していくでしょう。その進化に比例するように、教育の選択肢が増えていくことは疑いようもありません。

そこで、子どもにどのような教育を提供するかという選択と決定は、さらに難しくなると思います。

 

そこで大事になるのが、先にも述べた通り、子どもたちが主役になる時代の常識、つまり10年後の常識に対して、現在の自分の行動が影響を与えてしまっているという視点を持つことです。

そのなかで、普遍的なものに注力するのか、激変していく潮流に注力するのかは、それぞれの家庭で判断があるのだと思います。

 

こうした状況のなか、我が家では、最も普遍的な「家庭の安定」を軸とした教育を行うことを決めたのです。

その結果、誰もが見落としがちな

 

家族が笑顔で過ごせることは決して当たり前ではなく、その背景には家族全員の努力が必要であること

 

というメッセージを理解してほしいとも願っています。

家族や家庭の重要性が再確認される年になってほしいという希望を込め、新本年最初の記事を私の好きな言葉で締めたいと思います。

 

「帰るべき家があるから、人は遠くまで行ける」

 

今年一年が、みなさんにとって、良い年であることを願っています。

 

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(2020/1/15更新)

 

【著者プロフィール】

梅田 悟司(うめだ さとし)Satoshi Umeda

コピーライター

1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。

2016年から2017年にかけて、4カ月半におよぶ育児休暇を取得。当時を振り返ってTwitterに投稿した「育休を4ヶ月取得して感じたこと」が大反響を呼び、累計1200万PVに。

直近の仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、リクルート「バイトするなら、タウンワーク。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション・ディレクターなどがある。

著書にシリーズ累計30万部を超える書籍『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)ほか。

横浜市立大学客員研究員、多摩美術大学非常勤講師。