新型コロナウイルスによって、日常は変わってしまった。

街はゴーストタウンになったし、買い占めのせいでトイレットペーパーなんて久しく見ていない。

どうしよう、そろそろピンチなんですけど……。

 

我が家のトイレットペーパー事情はさておき、今日わたしがみなさんと考えたいのは、「オンライン教育」についてだ。

 

続々と臨時休校が決まり、オンライン教育の需要は日増しに高まっている。

そんななか、YouTubeをはじめとして、オンライン上には玉石混合の教育コンテンツが溢れているのが現状だ。

 

だからこそ、今回はみなさんに

「素人」による「無料」の「教育」コンテンツに対し、わたしたちはどれだけの「正しさ」を求める権利があるんだろう?

と聞いてみたい。

 

オリラジあっちゃんの教育動画が炎上したワケ

実はこのテーマについて、いつか書こうとは思っていた。

中田敦彦氏(オリラジのあっちゃん)が『YouTube大学』と称し、教育系コンテンツをアップしてたびたび炎上しているのがずっと気になっていたからだ。

 

炎上している理由はかんたんで、「内容が一部正しくない」から。

中田氏は、「中田敦彦が『教育系YouTuber』として、学べる動画を毎日更新」という概要通り、政治、経済、歴史、宗教などについて、参考文献をもとに解説する動画を毎日配信している。

話のプロだけあって内容はわかりやすく、チャンネル登録者数は200万人を超えている(4月21日現在)。

 

しかし彼の解説には誤りがあるとして、その分野に詳しい人たちがたびたびまちがいを指摘しているのだ。

くわしくは、「『責任持った発信が大事』と話す中田敦彦がYouTubeでフェイクを流す問題点」「中田敦彦 youtube大学の間違いや指摘集」などをどうぞ。

 

その一方で、中田氏擁護の声もある。

たとえば

・まちがっていようと多くの人に興味を持たせることが大事。あとは自分で調べればいい

・素人の無料コンテンツってわかったうえで見るんだから自己責任

・文句があるなら自分で正しい動画をあげれば?

・本を紹介しただけだからまちがっているのは本の著者

というように。

 

「内容がまちがっている」という指摘に対し、「まちがっててなにが悪い」という反論は最強だ。最強すぎる。

 

でもまぁ、擁護派が言いたいこともわからなくはない。

本来、「ネットなんて鵜呑みにするな」がネットリテラシーだからだ。

信じるかどうかは自己責任。あくまで無料の動画。

でも「教育」というカテゴリーで、それは許されるんだろうか?

 

まちがいを放置する教育コンテンツは許されるのか

教育というのは、「所詮ネットだから信じるかどうかは自己責任」という主張がまかり通るか、非常に微妙なジャンルだ。

当の中田氏は、「動画のためにゼロから勉強している(だから専門家ではない)」としたうえで、「(まちがいを指摘するコメントは)勉強になる」と語っている(「【㊙︎裏話】”中田敦彦のYouTube大学”の真実を語ってくれました」にて)。

 

そういったスタンスもあり、擁護派には

「まちがいを指摘してよりよいものにしていけばいい(最初から正しくある必要はない)」

という人も多い。

 

ただそれは、中田氏がまちがいの指摘を受けて訂正し、正しい知識を広める努力を惜しまないことが大前提として成り立つ主張だ。

誤りを指摘されているにもかかわらず、それを放置したまま動画投稿を続けているのだから、「正確性を二の次にしている」と批判されるのも当然だろう。

(もし中田氏が誤りについて訂正、謝罪していたのであれば、ソースつきで教えていただけるとありがたい。わたしは確認できなかった)

 

『中田敦彦の読書記録』ならお目こぼししてもらえただろうけど、チャンネル名が『YouTube大学』なわけだし、本人も「教育系YouTuber」を自認しているわけだし。

 

それならやっぱりちゃんとすべきじゃない?と思う。

とはいえ、中田氏は実際のところ教育者でも研究者でもないし、動画はあくまで無料。

わたしたちは彼に、どれだけの「正しさ」を求める権利があるのだろう?

 

デタラメ教育動画も「嫌なら見るな」で話は終わり?

今回はわかりやすい例として中田氏の動画を挙げたけれど、わたしは別に、彼のチャンネルの良し悪しを判断したいわけじゃない。

ただ、「素人」による「無料」の「教育」コンテンツに対し、どれだけ「正しさ」を求めるかについてみなさんの意見を聞きたいのだ。

 

「学ぶきっかけになれば正確さは二の次でいい」のか、「素人とはいえ教育の側面があるなら正しい情報を伝えるべき」なのか。

「無料の動画に正しい情報を求める方がおかしい」のか、「発信する以上可能な限り正しさを保証する義務がある」のか。

「正しいものを見たければ有料教育サービスを使え」なのか、「知識を広めたいのであれば無料でも正しいことが前提」なのか。

 

そうそう、少し前、医療まとめサイトが問題になったのを覚えているだろうか。

医療サイトなのに書いてるのは素人、なおかつ低賃金。

ドメインパワーで検索上位を占領していたが、オカルトまがいや医学的にまちがった情報のオンパレードで大炎上、閉鎖に追い込まれたあのサイトだ。

 

オンラインで教育を受ける機会が増えれば当然、カネの匂いを嗅ぎ取ったオトナたちが、正しさを二の次にした教育コンテンツをバンバン垂れ流すだろう。

あの医療まとめサイトと同じだ。

 

わたしたちはそんな教育コンテンツに対し、SNSで指摘して苦い顔をする以外、なにもできないんだろうか?

「嫌なら見るな」の一言で黙らなきゃいけないんだろうか?

 

「信じた人がバカをみる」教育コンテンツがまかり通っちゃいけない

わたしはネットコンテンツに対し、

「発信者はできるだけ正しい情報を伝えるべきだけど、情報の取捨選択は視聴者がすべき」

だと基本的には思ってる。

というか、たいていの人はそう思ってるはずだ。

 

でも「教育」を謳ったコンテンツであれば、ほかのコンテンツとはちがい、視聴者は「正しい情報を心掛けろ」と少し強めに要求してもいいんじゃないか?とも思う。

だって、それを教材にして勉強する子どもがいるかもしれないんだから。

 

「正しくなくてもいい」

「ネットなんてそんなもん」

と、大人がデタラメな教育コンテンツを認めてしまうと、それをもとに勉強する子どもたちが困るじゃないか。

その子どもたちに対して、「信じたお前が悪い」とは言いたくない。

 

ネット情報を鵜呑みにするのは危険だけど、だからといって「信じるかどうかは自分次第だから誤った情報を広めてもOK!」にはならない。

 

事実、中田氏の動画には

「わかりやすい」

「勉強になった」

というように、それをもとに勉強したという人たちのコメントがたくさんある。

そうなると、見逃せないでしょう。ねぇ。

 

素人でも無料でも、「教育」は可能なかぎり正しくあるべき

オンライン教育の必要性が取りざたされ、その環境整備が急務となっている現在。

教育コンテンツに関しては、「これをもとに勉強する子どもがいる」と考えて監視するのが、大人の役割じゃないかと思う。

「素人だから」「無料だから」というのが、「教育コンテンツ」において正確性を保証する努力を怠る免罪符になってはいけない。

 

人間だからだれにでもまちがいはあるけれど、できるかぎり正しい情報を伝える努力はすべきだし、誤りを指摘されたら訂正する必要がある。

それが面倒だというのであれば、そもそも「教育」に手を出す資格はない。

手を引いたほうがいい。

「教育コンテンツがまちがってても許される」はちょっとちがうよ、やっぱり。

 

現在学校に行けない子どもたちや不登校の子、転校して授業についていけない子、塾に行くお金がない子……オンライン教育を必要としている子どもたちはいくらでもいる。

そういった子たちにネットリテラシーを教えることは大前提として、「素人だろうが無料だろうが、教育に手を出すなら正しい情報を伝えるべき」だ。

「まちがっていてもそれが学ぶきっかけになればOK」なんて適当な教育、あってたまるか。

 

いやさ、もっと正直にいうと、まちがった情報を広めて、誤りを指摘されても無視してお金を稼いでる人を、野放しにしたくないんだ。

それが許されたら、誠実に時間と手間をかけてコツコツ正しい情報を広めてる人がバカみたいじゃん。

 

そういう人が報われるようにしないと、医療まとめサイトの二の舞になる。

「解説がまちがってても訂正せず、今日も元気に動画投稿して広告収入ゲットだぜ☆」というのは、わたしは認めたくない。

 

良質な教育コンテンツがより多くの子どもたちに届くよう、わたしたちはもう少し強気に、「教育を掲げるなら正しい情報を」と求めていいし、デタラメ教育コンテンツを認めない姿勢をもってもいいと思うんだけど、どうだろうか。

それがいくら、素人の無料動画であろうとも、それが「教育」を掲げるかぎり。

 

 

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【著者プロフィール】

名前:雨宮紫苑

91年生まれ、ドイツ在住のフリーライター。小説執筆&写真撮影もやってます。

ハロプロとアニメが好きだけど、オタクっぽい呟きをするとフォロワーが減るのが最近の悩みです。

著書:『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち』(新潮新書)

ブログ:『雨宮の迷走ニュース』

Twitter:amamiya9901

Photo by:jason wilson