早いもので2021年も終わる。
今年は個人的には激動の年だった。
荒波に揉まれているうちに気がついていたら一年が過ぎ去っていたかのような日々だった。
人生、若い頃にしかできない類のものがいくつかあるとは思うが、今年の局面はまさにそういう類のものだった。
乗り切れてよかった。本当にそう思う。まだ全然終わりそうにないのがチト辛いっちゃ辛いが。
この時期になるとインターネット上に「2021年にやってみた・買ってみた良かったもの」という記事がポツポツあがるが、僕はこれが結構好きでよく読む。
というわけで僕も書いてみようかと思う。
やってみて良かった事
・ランニング
やってみて良かった事1位はランニングである。
以前にも4ヶ月ほど走ってみてアレコレ思いついた事を書き綴った記事をこちらに寄稿したが、始めてから7ヶ月ほど経過した現在でもランニングは継続中である。
現在は毎朝4:30に起きて10キロ(1時間程度)走ってから出勤している。
やり始めの頃は毎日10キロなんて絶対にムリだと思っていたが、人間成長するものである。
幸いにして故障には悩まされてはおらず、膝の痛みのようなものは抱えずに済んでいる。
ランニングのメリットを端的に言えばメンタルに効く事だ。
実際に実験で抗うつ作用がある事が確かめられているというが、体感的にもかなりランニングは精神にいい。
ついでに肉体もかなり絞られるので、心と身体で一石二鳥である。
<参考 脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方>
そんな素晴らしいランニングではあるけれど、とにかく始めるのも辛いし続けるのも辛いのが難点だ。
僕はメンタルをゴリゴリに削られたのがキッカケで走ることを継続できたが、特に追い込まれてもいない人が毎日走り続けるのは逆に難しいように思う。
ランニングを趣味にするにあたって一番大切な事は「とにかく四の五の言わずに半年続ける」という事だ。
半年ほど走れれば体力や肉体が追いついてくる。そうすると「効率の良い走り方の模索」のような面白い領域にコミットする事が可能になるのだが、そこに至るまでは残念ながら楽ではない。
自分がよく通う美容院のスタッフは筋トレが趣味でムキムキな方なのだけど、筋トレも趣味にするには半年~一年ほどの期間が必要だという。
半年~一年ほど継続できれば周りの人が褒めてくれたり、自分でも自分の身体をみて楽しくなってきたりするらしく、またボディビルの大会に出るといった目標も出てくるのだそうなのだけど、残念ながら多くの人はそこに至る前に脱落してしまうそうだ。
ランニングにもそういう傾向はある。僕がこの寒空の下でも毎日淡々と走り続けられるのも「いま走るのを辞めて元に戻ってしまうのが勿体ない」という理由が非常に大きい。
逆サンクコストとでも言えばいいだろうか。
たぶん、もうフルマラソン完走も狙えるだろう。
この歳になってから新たな記録にチャレンジできるような趣味を一つ持てたのは本当によかった。
・早起き
やってみてよかった事の第二位は早起きだ。かなり時間の使い方が効率よくなったように思う。
夕食後のダラダラとした時間や深夜のインターネット徘徊など、夜には夜にしかない素晴らしい魅力がある。
それを否定するつもりは全く無いし、またシンプルに早起きは辛い。特にこんな寒空の中だと尚更である。
それでも早起きになってよかったなと思うことは多い。
朝に時間を作れたお陰で、このクソ忙しい中でも運動の時間を作る事ができているし、幸いにして読書量や記事執筆量も何とか維持ができている。
早起きになるコツは環境だ。
自分の時間がなくなるだとか、どうしてもやりたい事があるというような熾烈な環境に身が置かれないと、人は夜の魅力や惰眠の気持ちよさには絶対にあがらえない。
自分自身は早起きになって良かったと思うが、今のムチャクチャな環境に置かれなかったら絶対に早起きにはならなかったと思う。
早起きも逆サンクコストのようなものがあるので恐らく一生このまま継続する事になるとは思うが、何も追い込まれていない人を早起きにスイッチするのは正直難しいと思う。
ランニングも早起きも、その必要があれば必然的に”する”羽目になる。もし幸運?にも貴方にそういう時が来たら「素晴らしい習慣をインストールする機会に恵まれた」とでも思って淡々とそれを受け入れよう。
買ってよかったもの
・骨伝導イヤホン
買ってよかったもの第一位は骨伝導イヤホンだ。
僕は2万円するAfterShokzを使っているが、別にどれでもいいと思う。
もともと耳に何かモノを入れるという事があまり好きではなかった。
特に最近流行りのゴムで出来たイヤピースみたいなイヤホンが僕は本当に苦手で、なんでこんな不快なものが主流になっているのかサッパリわからなかったぐらいである。
そんな僕にとっては骨伝導イヤホンは福音のようなものだった。
耳に物を入れなくてもいいという事は最高に素晴らしい。
また、このアイテムはランニング等のアクティビティとも相性も抜群である。
耳の穴が塞がらないので周囲の音が聞こえる。
知り合いはこれを使いつつ家事・育児をやっているらしいが、そういう使い方もアリだろう。
・サロモン トレイルブレイザー 20L
買ってよかったもの第二位はサロモン社の山登り用のリュックである。
もともとは山登り用に買ったものなのだが、使いやすいので日常生活でもすっかり愛用している。
この商品がいいのは胸と腰にリュックを固定できる点だ。
それまでは普通のリュックを使っていたのだが、そこそこ重量がかさばると肩周りがどうも痛くなる。
それが腰固定になっただけで、もうサクサク動き回れるのである。
リュック自体も軽く、また山登り用にカスタマイズされてて使いやすい。
値段も6000円程度と安いのがありがたい。
最近出た吉田カバンのニュートンというリュックも西川布団のmuatsuという技術をショルダーストラップに使用した「荷物が軽く感じる」摩訶不思議なバッグでメチャクチャ面白いのだが、これは値段が4万円超と全くお財布に優しくない。
お金が余っている人にはニュートンがいいのかもしれないが、個人的にはサロモンのトレイルブレイザーで十分である。
走っても荷物がブレないというのも評価ポイントだ。
・Echo Show+SwitchBot
買ってよかったもの第三位はAmazonのEcho Show+SwitchBotである。
Echo Showのサイズは小さいので十分である。大きいのも試してはみたが、特に利便性は増さない。
ところで皆さんはAppleのSiriやAmazonのアレクサといった音声作動型のコンピュータを実生活に上手に取り入れられているだろうか?
実はこれが意外と敷居が高くて難しい。僕もアレクサを電源で動く電池要らずな天気予報がみれる時計ぐらいにしか長い間使えなかったのだが、重い腰を動かしてSwitchBotを導入したら…これがなかなか便利なのである。
声で家電を動かせるというのはシンプルに便利である。証明のオン・オフやエアコンの電源のコントロールを音波でもってやれるという体験は、なかなかに未来感が溢れている。
もうちょっと時間がたったら全ての家電が声で動かせるようになるとは思うのだが、そのつなぎとしてEcho Show+SwitchBotの組み合わせをやってみるのは悪くはない。使う側にセンスがかなり求められるのが難点といえば難点か。
なお、Echo Showのその他の使い方としてはタイマーが便利である。「アレクサ、タイマー1分」というのが便利すぎて、僕は家庭のキッチンタイマーを全く使わなくなってしまった。僕は筋トレメニューであるプランクの時間設定などに使っている。
・BALMUDA The Gohan
買ってみて良かったもの第4位はBALMUDA The Gohanだ。
これは炊飯器なのだけど、ある特殊な条件下においては無類の強さを誇る。それは玄米炊飯だ。
僕は健康や減量を目的として家では玄米を食べているのだけど、玄米食を継続するにあたって最も大切なのは米の種類ウンヌンよりも圧倒的に炊飯器の力だ。
白米と違って玄米は炊飯器の種別での炊きあがり方がマジで全然変わる。玄米をボソボソしたものだと思っている人がもし居たとしたら、それは単に炊飯器が合ってないだけだ。
BALMUDA The Gohanで炊いた玄米はツヤツヤでパラパラとしてて、既存の玄米の感じとは全く違う。Amazonのレビューでは賛否両論が吹き荒れているが、こと玄米の炊飯力という意味においては突出している。
また、浸水の必要性がゼロなのもこの炊飯器の素晴らしい点だ。一般的には玄米は美味しく炊く為に一日ほど浸水させなくてはいけないのだけど、BALMUDA The Gohanは一切の浸水の必要性がない。というか浸水させない方がむしろ美味しいぐらいである。
チャーハンのようにパラパラな玄米を一度食べたら、もう普通の炊飯器には戻れないのは間違いない。値段は新品だと4.5万円とちょっと高いが、幸か不幸かAmazonのマーケットプレイスではかなり安価で投げ売りされてるので、是非とも試してみて頂きたい。
あえてマキシマリストになる
2021年にやってみた・買ってみた系で良かったのはこの辺りだろうか。参考になりそうなものがあったら、是非とも導入してみて欲しい。
大量生産・消費社会と言われるようになって久しい現代だが、日々新しいテクノロジーや文化を生活を導入するのは簡単ではない。
日々痛感するのだけど、新しい生活をやるのは本当に難しい。
それまで慣れ親しんでいた生活を続ける事は実に簡単だ。節約という観点からすれば、新しいものを生活に取り入れないのはむしろ良い事だともいえるかもしれない。
最近は物質に囲まれすぎる事の不自由さからの脱却を目指してかミニマリストのようなライフスタイルを選択する人も多い。記憶に新しい所では、こんまりメソッドの一大ムーブメントは「捨てられない現代社会」への一つの回答として大いに盛り上がりをみせた。
シンプルなのは良いことだ。また、部屋もキチンと整理されるにこしたことはない。断捨離道を通じてミニマリストとなり、モノに人生をコントロールされないようになる事で得られるものは多いだろう。
だが…そんな時代だからこそ、あえて文化の暴飲暴食を行い己をアマルガムが如く様々な物を合成・合成・合成し、マキシマリストをやる事に意義のようなものを僕は見出すのである。
よく言われる事ではあるがお金は死後の世界には持ち込めない。金は使ってこそ、その価値を発揮する。
単純に物欲を満たすような使い方は個人の心をあまり肥やしてはくれない。けれど新しい何かを取り入れる事ができたら、お金はお金では買えないものとなって、個人の心を開拓してくれる。
常に己のフロンティアを広げる事を目指そう。リアル人生ゲームに課金しないだなんて、あまりにも勿体ない。
あえてマキシマリストをやり、2022年もまた楽しくやっていこうではありませんか。
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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)
【著者プロフィール】
都内で勤務医としてまったり生活中。
趣味はおいしいレストラン開拓とワインと読書です。
twitter:takasuka_toki ブログ→ 珈琲をゴクゴク呑むように
noteで食事に関するコラム執筆と人生相談もやってます
Photo by Chander R