はじめまして。
8/10に書籍『SNSマーケティング7つの鉄則』を出版する、室谷・飯髙・鈴木です。
本書は、「自分がバズるかよりもいかにUGC(ユーザーによるクチコミ)がバズるか」へのコペルニクス的転回の話や、変化の激しいSNSマーケティングにおいて変わらない大切なポイントであるクチコミのつくり方、成果につながる運用体制の構築などについて、徹底解説した1冊です。
この記事では、タイトルにも採用している「SNSマーケティング7つの鉄則」をダイジェストでご紹介します。
鉄則1:トリプルメディアで資源配分するとSNSの打ち手が見える
SNSマーケティングにおいても、打ち手(戦術)は、戦略と結びついている必要があります。そうでなければ、得たい成果を得ることは難しいでしょう。
鉄則1では、間違ったKPI設計やSNS戦略策定の流れを紹介した上で、SNS活用をトリプルメディア(オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディア)で分解し、資源配分を行うことの重要性について解説します。
鉄則2:「言及在庫メソッド」がUGCを爆増させる
鉄則2では、SNSマーケティングの総本山とも言えるアーンドメディア活用について、深掘りします。ポイントは「いかにUGCを生み出すか」「いかにUGCを活用できるか」「UGCを活用するための戦略を作れるか」です。
まずは、自社の商品やサービスがUGCを活用しやすい特性かを把握する必要があります。「言及在庫メソッド」というホットリンク独自のメソッドに則って、UGCを爆増させる方法を紹介します。
鉄則3:単体のSNSアカウント運用は失敗する
「中の人運用」だけがSNS活用ではありません。重要なのは「自社のマーケティング施策全体の中で、SNSをどう位置付けて活用するか」です。
SNSアカウントの運用方法を単体で設計せずに、全体を俯瞰して、全体最適な運用方法を設計しましょう。自社の発信ばかりを繰り返す「中の人運用」の考えから脱却し、「いかにUGCが生成され、広がるか」という観点に立った運用への転換を目指します。
鉄則4:プラットフォーム特性の理解が動画を伸ばす
これまでのSNSではテキストや画像コンテンツが主流でしたが、通信環境の進化により、近年では動画プラットフォームを活用する企業が増えています。
とくにショート動画とライブ配信は、新たなマーケティングの手段として取り入れられており、Z世代に向けた施策としても注目されています。しかし、「流行っているから」という理由で動画活用に取り組んでも、動画の強みを最大限に引き出すことはできません。
鉄則4では、TikTok・YouTube Shorts・Instagram Reelsの特徴や、ショート動画・ライブ配信・長尺動画の使い分けについて解説します。キーとなるのは、プラットフォーム特性の理解です。
鉄則5:インフルエンサーはフォロワー数で選ばない
鉄則5で伝えたいのは、ずばり「フォロワー数だけでインフルエンサーをキャスティングしていないか、振り返りましょう」です。
インフルエンサーマーケティングを成果につなげるために、まずはインフルエンサーが担う役割を理解する必要があります。インフルエンサーの役割についても、トリプルメディアで整理するとインフルエンサーの活用シーンがつかみやすくなります。「社員のインフルエンサー活用」「案件としてのインフルエンサー活用」「リレーションを深めてUGC自然発生」に分けて解説します。
鉄則6:プラットフォームごとの「法律」が変われば対策も変える
現在はレコメンド主体のSNS・デジタルプラットフォームが台頭し、SNSの情報は「フォローして得る」から「レコメンドされる」へ変化しています。さらには、TikTokのように「ショート動画×レコメンド」というかけ合わせによって、急成長しているプラットフォームもあります。
レコメンドが主体になると、フォロワーが1,000人いても、自分の投稿が1,000人全員に届くわけではなくなります。収益性を重視するプラットフォーム側の思惑としては、ユーザーに使い続けてもらうために、なるべく「良いコンテ ンツ」を届けようとします。
プラットフォームに「良いコンテンツ」としてピックアップされるためには、各プラットフォームの「法律」を理解し、向き合う必要があります。その具体的な方法を解説しています。
鉄則7:組織のスキルアップがSNSマーケティングを成功させる
ここまでは戦略や施策について解説してきましたが、鉄則7では「成果につながるSNS運用体制を、どのように構築するか」を述べています。
SNSが顧客接点の一丁目一番地になりつつある一方で、多くの企業では経営戦略やマーケティングとSNSが分断しているように感じます。鉄則3でも触れた通り、単体のSNSアカウント運用は成功しづらく、トリプルメディア観点での活用や、他の媒体との一貫性も重要です。
だからこそ、マーケティングの全体像がわかる人材を、SNSマーケティングにも絡ませる必要があります。鉄則7では「SNSマーケティングスキルマップ」を用いて、組織づくりやSNSマーケティングの実践において、どのような専門知識を学ぶべきかを紹介します。
最後に
今の世の中は、手法論に走りがちです。手法はもちろん重要ですが、どのような仕組みでクチコミが生まれるか、自社商品はどんなタイプのSNS運用が適しているのかなど、根本から見つめ直す姿勢も必要です。
Tipsに踊らされる前に本書を読んでいただくと、「この手法はこういう形で利用できる」と切り分けて考えられるようになるはずです。
SNS運用に悩んでいる方やこれから取り組む方、そして、上司を口説き落としたい方も、一度騙されたと思って本書を読んでみてください。SNSの全体像を、俯瞰で捉えられるはずです。
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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)
【著者プロフィール】
室谷 良平
株式会社スノードーム 代表取締役
https://twitter.com/rmuroya
函館高専情報工学科卒。オリンパスメディカルシステムズ、ネットリサーチ企業、人材ベンチャーでのマーケティング職を経て、2019年に株式会社ホットリンク入社。2022年に同社マーケティング本部長就任、BtoBマーケティング・広報・インサイドセールスを統括。SNSコンサルティングにも従事。2023年7月にマーケティング支援と人材育成を行う株式会社スノードームを設立。著書に『1億人のSNSマーケティング』『現場のプロが教える! BtoBマーケティングの基礎知識』がある。北海道長万部町出身。
飯髙 悠太
株式会社GiftX 代表取締役
https://twitter.com/yutaiitaka
2014年株式会社ベーシックにて、マーケティングメディア『ferret』を立ち上げ、執行役員に就任。2019年株式会社ホットリンクに入社し、執行役員CMOに就任。2022年6月に「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftXを共同創業し、「おもいが伝わる、ほしいを贈れる」選び直せるソーシャルギフト「GIFTFUL」運営。現在、企業のアドバイザーやマーケティング支援も実施。著書に『僕らはSNSでモノを買う』『BtoBマーケティングの基礎知識』『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』。
鈴木 脩平
株式会社ホットリンク 執行役員 アドテクノロジー事業・CNS事業担当
https://twitter.com/suzuki_shuhei
エン・ジャパン株式会社や楽天株式会社(現・楽天グループ株式会社)、KDDI株式会社を経て、2018年に株式会社ホットリンクに入社。ファッションメーカーや出版社、決済サービスを扱う企業などに、SNSマーケティングのコンサルティングを実施。現在は執行役員として、アドテクノロジー事業・CNS事業を担当。
Photo:Koukichi Takahashi