この記事で書きたいことは、大筋下記のようなことです。

 

・「自慢話」と「実績アピール」は、コンテンツとしてはそれほど変わらないような気がする

・ただの大げさな「自慢話」であっても、興味がある対象による自慢話であればコンテンツとして面白い

・求められない状態・場面で話してもウザいだけ、という点ではどちらも同じ

・重要なのは「相手は自分に関心を持っているか」の把握

・自慢話でウザいと思われたくない人は、まず相手の中に「自分に対する関心」を育てた方が良い

・「私はあなたに興味があります」というやり取りで少しずつお互いの許容範囲を広げていくのがその一つの方法

 

以上です。よろしくお願いします。

 

さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、後はざっくばらんにいきましょう。

 

先日、雨宮紫苑さんのこちらの記事を拝読しました。

「実績紹介」と「ただの自慢話」を混同している人、多くないですか?

 

大変僭越ながら記事のポイントを抽出・要約させていただきますと、

 

・「実績アピール」というものは一歩間違えるとただのいけすかない自慢話になってしまって、相手の反感を買いやすい

・自慢話にならない実績アピールをする為には、「他人下げ」や「自慢してない風自慢」を避けることが重要

・「他人下げ自分上げ」にならないようにしたいのなら、感謝の気持ちを素直に、謙虚に表現していくべき

 

といった点になるかと思います。

 

雨宮さんのおっしゃることは全体としてもっともだとは思っておりまして、「自分上げに他人下げを交えるべきではない」という点については特に首肯するところです。

何かを上げる時に他の何かを下げる論法って、敵を作ってしまう可能性が高くって基本リスキーですよね。自分でもやってしまいがちなので気をつけないとなーと思っています。

 

ただ、記事の本筋からはちょっと外れるんですが、「実績アピールと自慢話って、実際のコンテンツとしてはそんなに大きな違いはないんじゃないかな?」とは思いました。

 

もちろん客観性の有無やら、聞く側にとってのメリットの有無やら、定義に沿って多少区別出来る部分もあるとは思いますが、それにしたってそこまで明確な線引きが出来るものでもありません。

結局のところ「自分のアピール」であることはいずれも同じで、言い方を間違えれば他人下げになってしまう点も、TPOを間違えたら嫌がられるという点も同じ。

 

仕事における自己アピールだって、TPOをわきまえていなければ「こいつ何言ってんだ?」と思われてしまうし、逆に主観的な自慢話だって「面白い!」と感じて思わず聞き入ってしまうことはあるわけです。

web上でも、「これ、冷静に考えるとただの自慢話だよな?」というコンテンツでも、色んな人から絶賛されるコンテンツってありますよね?

 

自慢話は、面白いコンテンツになり得る。けれど、反感を買ってしまう場合もままある。

 

となると、考えるべきなのは「実績紹介」と「ただの自慢話」を分かつポイントはなんなのか、ではなく、「人は何故「鼻につく自慢話」をしてしまうのか?」「どうすれば反感を買うことなく、面白い自慢話が出来るのか?」というテーマではないかな、と思ったのです。

 

***

 

まず、当たり前の話として、「「自慢話」に不快感を感じるかどうか、決めるのは聞く側であって話す側ではない」という大前提があります。

 

別に自慢話だけの話ではなく、どんなコンテンツでもそうですが、読む人、聞く人によってコンテンツに対する感じ方は様々で、Aさんが面白がってくれた話をBさんも面白がってくれる保証はこの世のどこにも存在しないわけです。

どんなに「鉄板のコンテンツ」と思っていてもてんで刺さらない人はいますし、逆に自分では「しょうもない話」と認識している話に馬鹿笑いしてくれる人もいます。

 

「何でこの話が受けないんだ?」と思った経験も、「何でこの話がこんなに受けるんだ?」と思った経験も、恐らく誰でもお持ちでしょう。コンテンツを絶対値で数値評価出来れば話は早いんですが、残念ながらそんな計測基準は存在しません。

 

ブログを書いていて一番身に染みるのもここで、100%の読者に「面白い」と感じてもらうのはどうあがいたって不可能ですし、逆に「どうだったかなー?」と思いながら送信ボタンを押した記事でも、大抵10%や20%は「面白い!」と言っていただけるものです。

 

「他人下げ、自分上げ」にしたって、「不快に感じる人が多い」というだけで、相手によっては必ずしも不快に思われないかも知れない。逆に、客観性のある具体的な実績アピールだって、相手によっては単に「自慢話うぜーな」と思われてしまうかも知れない。

 

「評価のトリガーを結局自分は持っていない」という認識がまずは重要なのであって、必ずしも「ただの自慢話」が悪い、というわけではない。

 

ここまでは当然のことですよね。

で、次に重要なこととして、自慢話を面白く聞くための最大のトリガーは「話し手に対する関心」である、ということがあります。

 

これも単純な話で、人間が何かのコンテンツを面白く感じるには「聞く姿勢」が重要であって、聞く耳を持っていなればどんな面白い話だって刺さりゃしないわけです。

同じ内容の話でも、関心を持っている人の話であれば思わず聞き入ってしまうし、全く知らない人が話していても「ふーん」となってしまうこと、これも誰にでもありますよね。

 

興味を持っている相手がしてくれる話は、聞く姿勢をとりやすいし、面白く感じやすい。

話し手に対する興味、関心というのは、コンテンツを受け取る上での重要なポジティブ要素なのです。

 

まして、自慢話というのは、「自分自身」を主要な素材とするコンテンツです。興味がない人からの自慢話なんて、大抵の人にとってはこの世で一番どうでもいいでしょう。

逆に、元々相手に興味があって、「もっとこの人について知りたい」と思っているならば、主観的な自慢話でも面白く聞こえる道理です。

 

以上二つの話を併せると、「自慢話をうざいと思われたくないなら、相手が自分に対して関心を持っているかどうか、というのを気にした方が良い」ということになります。

 

***

 

実を言うと、しんざきは自慢話に対する忌避感がないというか、他人の自慢話を結構楽しく聞けてしまう性質でして、何の面識もないおっちゃんがよく分からない自慢話をしていても割と飽きずに聞けてしまうのですが、それはそれとして「自慢話ばかりで周囲から忌避されてしまっている人」がしばしば観測されることは分かります。

 

そういった人が何故自慢話ばかりするのかというと簡単な話で、「相手が自分に関心を持っているかどうか気にしていないか、あるいは関心を持っていると思い込んでいるから」です。

相手が喜んで聞いてくれると思い込んでいるから、受信側のスタンスを気にせず自慢話をしてしまう。ここで初めて「TPOをわきまえない自慢話」が発生します。

 

偉い人やお年を召した人が、時にTPOをわきまえない自慢話を繰り返してしまうのは、「自分に対する関心」についてのアンテナが鈍ってしまっているから、という側面もあるんですよね。

関心を向けられることに慣れているから、自分への関心を持たない人に気付かない、ないしそういう人の存在を気にしない。

 

ただこれ、必ずしも「相手の気持ちに鈍感」だとは限らなくって、コミュ力お化けみたいな人が、一種の戦略としてやっていることもあるんですよね。

つまり、「9割にウザイと思われても、1割が聞いてくれればいい」というような、一種の「数うちゃ当たる」作戦を平然と遂行出来る人も世の中にはいるわけです。

 

確かに戦略としては正しくって、母数が大きければ「ただの自慢話」を喜んで聞いてくれる人だってその中には含まれているわけで、100人と話して10人仲良くなってくれれば十分すぎるくらいだし、自分に無関心な人に嫌われたって痛くもかゆくもないでしょ、というロジックは非常によく出来ています。ブログやSNSでもこういう戦略を使われている人はいます。

 

とはいえ、「なるべくならウザいと思われたくない」という普通の人であれば、「自慢話をする際、まず「聞き手の自分に対する関心」は把握しておいた方がいいし、表面的にでも関心を示してくれているかは確認した方がいい」という話になります。

 

じゃあ、「自分に対して関心を持ってもらう」為には何をすればいいのでしょう?

 

これも方法論は様々であって、あまり一言で言えることでもないんですが、ひとつ一番「打率が高い」方法を挙げるとすれば、「自分も相手に対して関心を持つこと」「相手に対して興味をもっている、と伝えること」があります。

 

結局「関心」や「興味」って好意とニアリイコールであって、人間と人間のやり取りって「私はあなたに対して興味をもっています」という表明から始まるんですよね。

そして、自分に関心をもってくれている人には好意を抱きやすくなるし、自然と関心ももてるようになる。そうすると、相手の「自慢話」に対する受容器も育っていく。

 

「興味をもって欲しいなら、まず相手に興味をもちましょう」

「尊重して欲しいなら、まず相手を尊重しましょう」

 

という、これもある意味当たり前の話です。

 

もちろんこれが一方通行になるのもまずくって、「相手に興味をもっている」という疎通確認って、お互いに少しずつ許容範囲を広げながらやるものです。

 

挨拶や雑談ってその為にあるとも思うんですが、ここでは

 

「人間同士のコミュニケーションには、「興味」のハンドシェイクが必要」

「興味のやり取りをしながら、少しずつ相手の関心を育てていくことで、自慢話を面白く受け取ってもらえる可能性が高くなる」

 

ということを一つの結論にさせていただきたいと思います。

 

繰り返しになりますが、別段「自慢話は避けるべき、ないし慎重に行うべき」と言いたいわけではなくって、「一般的には、自慢話でウザいと思われたくないならちゃんと段階を踏むべき」という話であって、個人的には自慢話を聞くのは好きなので、しんざきと飲んだりお話をする時には遠慮なくガンガン自慢話をしていただければと思います。よろしくお願いします。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

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(2024/1/22更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

Photo:Marek Studzinski