子供たちにサッカーを教えているとこんな光景をよく目にしました。

・靴紐を結べない子どもを見兼ねてお母さんが代わりに靴紐を結んであげる

・靴下を上手に履けない子をお母さんが手伝ってあげる

よくある光景だと思います。

多くの大人は子供だからしょうがない、できないのが当たり前と思っているでしょう。大きくなったらいつのまにかできるようになる。と漠然と考えているのでしょう。

私もそうでした。しかし、そんな私の考えを覆したあるエピソードがあります。

サッカークラブのバイトのある日のこと。ヘッドコーチのKさんが靴紐を結べない幼稚園児たちに

「自分でどうにかしなさい。結び方なんて間違っててもいいからどうにかして園庭に集合」

と言いました。

そしてお母さんたちにも聞こえる声で

「なんでもお母さんにやってもらってるようじゃサッカーなんてできないよ」

「それにお母さんにサッカー行きなさいって言われたから来てる子も帰っていい。」

「自分がやりたいと思わないなら来なくていい」

と言い放ったのです。

そのKコーチは子供を子供扱いしない人でした。それは幼稚園児だろうが関係なかったのです。

子供を子供扱いしなかったら驚くほど成長した子供たち

その日から驚くことに、靴の紐を結べる幼稚園児が少しづつ増えていったのです。そして、お母さんたちも変わり始めました。

子供の靴紐も結んであげることなく、子供に最後までやらせるようになりました。お着替えに時間がかかっている子供を見兼ねて手伝っていたお母さんも最後まで自分でやらせるようになりました。

そして、そういったことがサッカーにも良い影響を与えたのです。

いままで積極的にボールを追いかけなかった子が自分からボールを追いかけるようになったり、口数の少なかった子が積極的に話しかけてくるようになったりと驚きの変化を遂げたのです。

自分で主体的に行動するということを覚えると子供はみるみる成長するということがその時わかりました。

スポイルとは 「本来持っている良い性質を損なうこと」

私はちょうどその頃、ジュニアサッカー指導者向けの本を読んでいた時に「スポイル」という言葉を知りました。

スポイルとは「甘やかしてダメにすること」「本来持っている良い性質を損なうこと」だそうです。

私は前述した「子供を子供扱いしなかったコーチのエピソード」が頭に浮かびました。

当たり前だと思ってやっていたことが実は子供の本来持っている良い性質を損なっていたんだなと感じました。つまり子供のサポートをしていたつもりのお母さんたちは子供を「スポイル」していたのです。

子供の主体性を育むこと

子供は大きくなったらいつのまにかなんでもできるようになる。と漠然と考えてしまいがちですが、よーく考えてみると、子供ができなかったことができるようになる瞬間というのは、自分でやろうと決意したときなんです。自分の意思で決めた時なんです。

いつも誰かがやってくれるような状況に甘んじている限り、できるようになることはなりません。

「みんなができるようになってきて自分もできなきゃ恥ずかしい」そんなちょっとダサい理由でも自分でやろうと決めた瞬間にできるようになるわけです。

幼稚園児でもやらせればできるようになるんです。本当の愛は子供に主体性をもたせることです。子供が自分で考えて行動できるように促すことです。

子供の為に何でもかんでも与えてしまうと自分で考えて行動することができなくなってしまいます。サッカーの基本はここなのです。

主体性を持っていること。自立していること。この土台がないかぎりサッカーを心から楽しむことはできないのです。

そしてそれは人生も同じです。

サッカーの本質を追求する旅はつづく

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(2024/1/22更新)

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