前回、同調圧力に負けてはならないという記事を書きました。そして実は、この同調圧力により多くの人が苦しんでいます。

なぜでしょうか。それは自己を表現する場の欠如にあります。

本来人間は自己表現したい生き物

日本には自分を表現する場所が欠如しています。自己表現をする術を学んでこなかったが故に自己表現の仕方がわからない。といっても良いかもしれません。

自分の感情の殺し方は教わっても、感情を上手に表現することは教わらないのです。

しかし、人間というのはそもそも自己表現したい生き物ではないでしょうか。

なにかしらのかたちで自分を表現する術を見出すことが大切なのだけれど、多くの人がそれができていない。それ故に、生きている意味が見出せず、生きる希望を失う事態になってしまうと私は感じます。

中南米で感じた自己表現の重要性

私は海外を一人で旅した時、圧倒的に自己表現をする中南米の選手たちと、そこに生活する人たちの姿にサッカーの本質を見出しました。

それは、サッカーが上手いとか下手だとかそんなことよりも自分の感情を表現することの重要性です。

日本では感情を抑えろと教わります。自分を犠牲にしてチームの為にプレーしろと教わるのです。しかし、中南米ではまったく逆です。

私はサッカーで大切なのはピッチの上で自分で見て、判断して、行動すること、つまり自立することだと思っています。常に主体的でなければならないわけです。そのようなマインドを育まなければサッカーを楽しむことはできません。

人生も同じです。自分の感情を殺して生きてはいけないのです。私たちが育まなければならないのは上手に自分を表現することなのではないかと思うのです。

自分を主体的に表現していくこと

作家の吉本ばななさんの言葉に「大人になんかならなくていい、自分自身になってください」という表現があります。

みんな自分以外の何かになることに必死だと思うのです。私自身もそうでした。

立派な人間にならなければならない。しっかりしなければならない。ちゃんとしなければならない。そのようなプレッシャーを常に感じていました。問題なのは自分が自分自身に課したプレッシャーではなかったことです。

自分を主体的に表現していくことが幸せな人生を歩むことに繋がるならば、これではいけません。世の中はこういうものだという勝手な押し付けが人の好奇心を、主体性を殺しているのだと思うのです。

定められた答えを出すための教育は発展していると思います。答えのある問題を解くために、いかに導いていくかというスキルに長けているかもしれません。しかし、自分自身を導いていく為に必要なのは自らが出す「問い」なのだと思うのです。

だからこそより主体性を育むことが大事なのです。

「直感を大切にする」という言葉をよく成功者は口にしますが、つまり自分が感じることを大切に生きようということなのだと思うのです。

本当に大切なのは社会に適応することではなく、自分自身に適応することなのだと思います。社会に適応するために一生懸命頑張る前に自分自身に適応しなければダメなのです。

自己表現のサポートをすることが教育の本質

私たちは子供たちに、その子の表現をつくっていくサポートをしていかなければなりません。なにかを教えることの本質はそういうことなのだと思います。

私たち大人の仕事は、子供たちの好奇心を育て、主体性を育んでいくことなのだと思います。自分を上手に表現できたら幸せはやってくるのです。

サッカーの本質を追求する旅はつづく

 

【安達が東京都主催のイベントに登壇します】

ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。


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ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。

<2025年7月14日実施予定>

投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは

借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。

【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである

2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
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・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる

3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください

(2025/6/2更新)

【筆者プロフィール】

KEI IMAI
桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏(現川崎フロンターレ監督)にサッカーの本質を学び、同時期にスエルテジュニオルスで育成年代のサッカーの指導に携わる。

その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国現在都内で働きながらブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、育成年代の現場の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。

・大人になってから学ぶサッカーの本質とは http://keikun028.hatenadiary.jp/

・筆者Facebookアカウントhttps://www.facebook.com/kei.imai

・筆者Twitterアカウントhttps://twitter.com/Keivivito