しばらく会っていなかった友人に再会すると、あれ? 雰囲気が変わったな。と思うことがある。

「実は転職したんだ。」

目の前に座る人物の、肉体そのものは変わっていない。新しい恋人ができたわけでもない。どこかへ引っ越したわけでもない。変わったのは職場だけなのに、中身は別人のように感じる。

 

それだけ職場環境は人の雰囲気に影響を与えるということだ。

わかりやすいところで言えば、服装や持ち物は影響されやすい。

コンサルタントというカタイ仕事をしていた時代は、バリバリのスーツに身を包み、カツカツと鳴るヒールを履き、ガラガラのキャリーケースを引っ張っていた。周りの同僚も似たような服装だった。

一方、Webマガジンのフリーライターという現在は、ボーダーのシャツに履き古したジーパン。歩きやすいスニーカーを履いて、Macbook Air・iPhone・Kindleの三種の神器が詰まったリュックを背負う。身近な人も、大体同じような服装だ。

スニーカーにリュック=that’s my style. なんて強いこだわりがあったから、今の仕事を選んだわけではない。たまたま周りの人たちがゆるい服装をしているから、私もスニーカーにリュックで働いているだけ。

 

多くの人は、程度の差こそあれ、身近な人の影響を最も受けやすい。

服装だけでなく、何より思想への影響を見過ごすことはできない。

一緒に働いていると、読んでる本がかぶったり、書く文章が似てきたり、口癖まで似てくることがあり、恐ろしくなる。ここまで影響を受けるのならば、誰と付き合うかで将来の自分は決まるな、と思ってしまう。

 

では「誰と付き合うか」という重要な決断は、どうやって行えば良いのだろう。

 

友人との付き合いは無理する必要なし。

徒然草 「友とするに悪き者、七つあり」 に学ぶ友人関係

一緒に仕事を出来る友人もいれば、遊ぶだけで一緒に仕事はしたくない、と言う友人もいて、「友達付き合い」は様々な人間関係の縮図とも言える。

さて、友人は、家族の次に近い存在なので「友人の選び方」はおそらく重要である。

「朱に交われば赤くなる」と言ったことわざがあるように、友人の影響は大きい。また、Dropboxの創業者であるドリュー・ヒューストンは、「あなたは、あなたの周りにいる最も近しい人(サークル)5人の平均だ」と言う。

しかし、「友達の選び方」など、そもそも正解があるのだろうか?

最近、友人と仕事相手の境界線はほとんど曖昧になってきているんじゃないかと感じる。

名刺交換をすればそのままFacebookで友達申請し、プライベートで繋がっていく。逆もしかりで、中学の同級生が起業するから、一緒に新しくビジネスを行う。そんな話をしょっちゅう聞く。

であれば、友人選びはかなり重要だ。

「友人関係は、無理をするものではないし、「真の友情」などといったロマンのあるものではない。「すごい人」も友達として不適格だ。「打算的でも」いいから、適度な付き合いをしよう

 

誰と付き合わないか、で決める

誰と付き合うべきか、という視点で考えると、選定のための判断基準が無限に出てきてしまう。

それよりも、誰と付き合わないかを考えたほうが、実用的だ。

例えば、飲み会に誘われて行くべきか、行かないべきか。今の上司について行くべきか、転職すべきか。このお客さんと永く付き合うべきか、そろそろ取引を終わりにすべきか。

いちいち迷う必要はない。軸が決まっていれば、素早く意思決定できる。

 

「あわない人」とは一緒に仕事しない、という鉄則。

勘違いしやすいが「合わない」というのは「嫌なことを言う」とイコールではない。厳しく、嫌なことをいう人でも、合う人はいる。

その場合は「あの人、嫌なことを言ってくれるけど、まっとうだな」と感じるはずだ。

しかし、合わない人には、何を言われても響かない。言っていることも空虚に聞こえる。「この人は結局信用できない」と感じるはずだ。

誰でも、付き合いが長くなれば本能的に「この人は信用できそうである」という判断ができる。子供ですらできる。

合わない、というのは本質的に「この人物は信用出来ない」というシグナルを感じ取っているのであり、無理して付き合ってもそれが解消されることは稀である。

まっとうではないな、信用出来ないな、と感じる人と無理して働く必要はない。それは努力の問題ではない。思想の問題、考え方の違いに起因するものであり、解決不能なものだ。

 

そーゆー自分は、付き合いたいと思われているの?

「友人を選ぼう」とか、「誰と付き合ないかが大事だ」とかウダウダ言ってみたものの、そもそも自分は選べる立場にいるのだろうか。

ソシャゲーのガチャをベースに考える、最善の婚活戦略

出会いがないと嘆く人は多い。そういう人は、このまま同じような生活を続けても結婚できそうな人と出会える確率は、ほぼゼロだろう。ここで役に立つのがネットワーク理論についての知識だ。

ネットワーク理論に6次の隔たりという概念がある。これはどんな人間でも6人隔てれば、全世界の人間と繋がれるという概念だ。これによれば、一般人でも安倍首相だろうがオバマ大統領だろうが誰にでもつながれる可能性がある。

(中略)

だけど多くの人が、よき伴侶に出会えずに困っている。

何故か?それはあなたがネットワークの片隅にいるからである。ネットワーク理論も6次の隔たりも理論的には正しい。だが、あくまでその恩恵を預かれるのはネットワークの中心となる存在と強固な関わりを持つものだけである。

(中略)

最後に非常に大切な事を強調しておくが、あなた自身が人に紹介されても恥ずかしくない立派な存在になる事が最も大切だ。どんなに素晴らしい人脈があなたにあろうが、あなた自身が悪質な商品なら商売は成立しない。

結局どんな業界であれ、自分の頭で戦略をキチンと練って真面目に行動し続けるものが最後に勝つのだ。

どこかの本で、三流の人は三流同士で固まる、と読んだ。なぜなら三流の世界はプレッシャーもないし、努力もしなくていいし、何より楽だからだ。

自分は将来どうなるのか。その答えは周りの友人を見渡せば、案外簡単にわかるかもしれない。

 

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・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
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・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
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(2025/6/2更新)

 

(文:大島里絵 https://www.facebook.com/rie.oshima.520


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