先日、近隣に挨拶まわりしたことを報告(Airbnbホストやめますか?あなたがAirbnbを本当によいものだと思っているのならば、やるべきことがある。)しましたが、その時ちょっと気になっていることがありました。
それは「民泊」に対してネガティブなイメージを持っている人ばかりではなく、むしろ「民泊」をやってみたいと思っている人が少なからずいたことです。
現在「民泊」と聞くとビジネスのイメージが先行するのではないでしょうか?
投資利回りとか高収益とか、グレーにかこつけてボロ儲けしてんでしょ?みたいなイメージ。それは認めたくないけど、あながち間違ってはないと思います。
しかしAirbnbにはそう言ったイメージとは別の側面があって、一部いいイメージを持っている人たちがいるのも事実です。
それは海外で一度「Airbnbゲスト」として利用したことがある人たちです。
海外旅行した時にAirbnbを使って、人の家に泊まってそこのホストにとてもよくしてもらった、というような経験を持っている人たちです。
そういう人は「こんなに簡単に人の家に泊まれちゃうんだ。Airbnbってスゲー。インターネットスゲー」っていうイメージを持っていて。また、できれば自分でもAirbnbホストをやってみたいと思うのです。
では、そういう人たちが日本に戻ってすぐにAirbnbホストをやる気になるか?というと、さすがにそんなことにはならないです。
ですよね?そう、やらない理由ならいくらでもありますから。
例えば、副業禁止、嫁(もしくは旦那)が絶対反対、忙しくて時間の融通きかない、そもそも今以上に稼ぐ必要がないなどなど、いざ自分がAirbnbホストやるとなるとやらない理由が山ほど出てきます。
それでも、一部すぐにはじめてしまう人たちがいて、海外旅行を機に会社を辞めちゃった人だったり、もともと何らかのビジネスをはじめることに敏感な人たち(フリーランサーとか自営業の人たち)です。つまり自分の時間を比較的自由に使える人たちです。
私がAirbnbホストをしていたこの2年、自宅でAirbnbホストをやっている人の多くがそのような人たちだったと思います。
そのような人とは別に、不動産のプロの人たち(とがっちり手を組んでやっている人も含む)やシェアハウスのオーナーがいます。
そんな中、この半年間で状況は大きく変わりました。政府主導で「民泊」が議論されることで、Airbnbを筆頭とした「民泊」の実態が次々と明らかにされていきました。
特にトラブルネタは皆の関心を大いに集めることとなりました。その結果それが本当の姿をあらわしているかどうかは別として、多くの人にとって「民泊」はあまりいいイメージは持たれなくなってしまいました。
自分の経験に照らし合わせると残念な世論ではあるんですが、その状況は受け入れざるを得ません。だからこそ、近隣への挨拶まわりをはじめたわけです。ところが
「真理は現場にある」
とは誰が言った言葉かは知らないですが、そんなことをしていると少なからずAirbnbをはじめてみたいと言っている人がいることに気づいたのです。そんな人がすぐ近くに住んでいたのです。
「あ、近くでやってんすね。まさかって感じです。僕も海外旅行の時よく使っているんですよ。どれくらい儲かってんすか?」
「家賃分くらいの収入にはなりますよ。まあ旅人と一緒に住んでる感じです」
「へー自分もやってみたいと思ってたんですよね。今度相談に行っていいですか?」
「いいですよ。ぜひ来てください」
というわけで、ごく近くに住んでいる方がが本当にウチに相談に来たのでした。
日本にあるそう多くないグローバル企業として有名な某大企業に勤める20代後半の若者です。
彼曰く「会社とは別に、自分でお金を生み出すってことをやっていきたいんですよね。」
この一言は、考えさせられるものがありました。今の若い世代にとって、この意識は大変重要な意識だと思いました。
「終身雇用なんて信じるな」「年金は破綻する」なんてことが、無責任に言い散らかされている状況があるわけですが、どちらにしろそれは若者のせいじゃないし、どうなるかなんてそれこそ多くの若者には全くわからない。どうすればいいのかって誰も教えてくれない(特に会社の人は)。
だからこそフツーの前向きな若者、それこそ大企業に勤める若者だって、そんなクソッたれな不条理は相手にせず、自分で生きる道を探さなきゃいけないって、フツーの若者だからこそ思うわけです。
で、このAirbnbホストと言うのは、サラリーマンだったり主婦だったり、はたまたフリーターや仕事をリタイアした年配の方でも、普段自分の住んでいるところで簡単に始めることができるところがいいところです。
それでもAirbnbが投資目的ならそれは不動産業になっていかざるを得ないし、おもてなしを極めるならそれは宿泊業でしょう。
しかし、自宅でホストをやる分に関しては、宿泊業というほどでもなく、もちろん投資でもなく、スペースを必要としている誰かと自宅の一部をシェアすることで、家賃分をシェアしてお互い助け合いましょうってくらいのものです。
そして、それこそがシェアリングエコノミーの真骨頂でしょう。
既存のもの、それはスペースだけにとどまらず、その人の持っているローカル情報、人によくしてあげたいという気持ちだって、それが今までとはまったく違う形で活かされて、それがお金になる。で、今は気づいてない人の方が圧倒的に多いので思った以上にお金になる。
それは原初的な起業家精神そのものとも言えるわけで、大企業に勤める若者が、自分でお金を生み出したいといってAirbnbホストをはじめるのはとても自然なことだと思いました。
「自分でお金を生み出したい」
以前なら、いい会社入りたいとか、出世したいとかっていうのが、成功のステレオタイプだったわけですが、いくら平和な世の中であっても企業とか社会の仕組みだとかが本質的に永遠な存在ではないことを、知識としてだけでなく、肌身で知ってしまった若者の多くが、外部に依存しないで生きる方法を、漠然と考えはじめているんじゃないかなって思いました。
そして、私はというと、偶然知ってしまったこの Airbnbを通して、若者だけでなくシェアリングエコノミーの価値観を理解し、自分の人生をよりよくしていこうとしている人たちを応援していきたいな、と改めて思った次第です。
“「会社とは別に、自分でお金を生み出すってことをやっていきたいんですよね。」という若者が訪ねて来た Airbnb日記 vol.189”
おわり(Vol.190へつづく)過去のAirbnb日記一覧
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

ティネクト代表の安達裕哉が東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。
ティネクトでは現在、生成AIやマーケティング事業に力を入れていますが、今回はその事業への「投資」という観点でお話しします。
経営に関わる全ての方にお役に立つ内容となっておりますでの、ぜひご参加ください。東京都主催ですが、ウェビナー形式ですので全国どこからでもご参加できます。
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
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We Love AirbnbというAirbnbの楽しさを皆と共有し発信するためのWLAホストコミュニティを運営しています。
Airbnbお得クーポン | 新規ホスト登録ボーナス(5400円) / Airbnb旅行クーポン(25ドル)