こんにちは。jinjerマーケティングチームの小口です。
おかげさまで、多くの反響をいただいておりまして、本当にありがとうございます。
本日は余談なのですが、我々はHR NOTE(HRノート)という人事担当者向けのメディアを運営しておりまして、まだリリースして半年ちょっとで、まだまだ未熟な部分も多いのですが、おかげさまで経営者や人事の方々から「記事見てるよ」と嬉しいお声をいただくようになりました。
そんな中、時々「数値目標はどれくらいですか?」と聞かれることもあります。
その時にはこう答えています。
「チームとしての考え方として、まずはHR NOTEにKPIなどの数値目標を持たせないようにしています。」
通常、オウンドメディアは「1年で数万ないし数十万ページビュー」といった数値目標を持っているところが多いと思いますが、我々は目標値についてはむしろ、「今はまだ設定しないほうが良いのでは?」と思っています。
なぜ数値目標を設定しないのか
「何で目標値がいらないのか?」の説明の前に、少しHR NOTEの当初の構想について、お話します。
実はHR NOTEは、今のようにオリジナル記事をどんどん作成して、ガリガリ運営するつもりは当初、ありませんでした。ブログ記事のような感じで、週に1~2記事を投稿して「何かよくわからないけど、jinjerのブランディングにつながればいいな」と思っていた程度です。
そんなとき、専務から「編集長兼ライターだ」と、根本さんが紹介されてきました。
ただ、根本さんもメディア運営は初めてで、ライターをやったことすらない。ただ、よくわからない熱意だけは持っていたような記憶があります(笑)。
そこから何度か打ち合わせを重ね、「丁度良い機会だから」と、思い切ってHR NOTEを本格的に育てていこうと意思決定をしました。そしてHR NOTEのコンセプトを『人事の役に立つメディアとなる』とし、コンセプトの実現に向けて何をすべきかの棚卸しをチームのメンバーで行い、その中の一つとして、「KPIを捨てよう」と決めました。
理由は大きく3つです。
1.「誰でもいい」わけではなく、できるだけ「人事の仕事をしている人」にHR NOTEのファンになって欲しかった
2.人事に関する質の高いノウハウとなるようなコンテンツを貯めたかった
3.新しい試みをいろいろ試したかった
最初は何をすべきかわからずに、失敗ばかりで、今も手探りの部分はありますが、やりながら「こうしたほうがいいんじゃないか」と、日々改善を繰り返しながら現在に至っている感じです。
私がオウンドメディアの数値目標を捨てた、3つの理由
一つ目の理由はシンプルです。メディアのコンセプトは「人事の人たちが困ったとき、覗きに来てくれる」なのでそれを実現するため、「見られた量」ではなく「誰が見ているか」がHR NOTEにとって大事だと考えています。
ページビューやセッション数を目標にすることは大切ですが、そこだけに因われてコンテンツの方向性を見失っては意味がない。「通りすがりの人」が閲覧してくださって、ページビュー数が増加することも非常に嬉しいことなのですが、人事の方々にファンになってもらわないとHR NOTEのコンセプトからはずれてしまいます。我々は、迷ったらコンセプトに沿っているかというところに立ち返るようにしています。
だから、ページビューやセッション数の数値目標はあまり気にせずに、まずはコンセプトにぶれない記事をつくることを心がけています。未だにブレることがたまにありますが・・・。
二つ目は、人事に関する質の高いノウハウコンテンツを貯めたかったことです。
外部のライターさんを頼って、“辞書的なコンテンツ”を大量に揃えることは可能ですが、
「それで本当にHR NOTEは存在意義があるのか」という話になりました。
まずはHR NOTEを知ってもらうために、「他のコンテンツと何か違うな」と思ってもらう必要があって、そのためにどうやったら差別化できるかを考え、「独自性があって、読んで面白い」いわゆる良質な記事をつくっていこうとなりました。ただ、そんなにたくさん量産できない。ついつい、目先のページビューを稼ぎたくなる気持ちもあるんですが、「急がばまわれ」の精神でやりました。
そして大事な三つ目です。数値目標を持つと確実に「守り」にはいってしまう。それが嫌でした。
つまり「確実に数字が取れること」しかやらなくなってしまう。よくあると思います。しかも当時は、何が良くて何がダメなのか、全く見当もつかなかったので、とにかく多様な切り口で記事をつくってみようとなりました。
なので、我々はいろいろ試しました。
「インタビューコンテンツは読まれるか?」
「HR系のイベントの出展企業を紹介してみるのはどうか?」
「HRTech領域のサービスを大量にまとめてみるのはありか?」
「海外のトレンドに人事は興味があるのか?」
・・・などなど、思いつくことはとりあえずやってみました。
おかげで、「自称恋愛偏差値30の独身アラサー男が社内恋愛はアリかナシか調べてみた」のような、中途半端にウケを狙ったためにPVがあまり伸びずに、ただ根本さんが痛い人になってしまったという黒歴史記事がある一方で、
「採用管理システム比較|国内ほぼ全ての採用管理システムまとめ」のような人事の方から大きな反響をいただいた記事もできました。
HRTechに関するサービスのまとめ記事の評判が良かったので、一時期我々全員が「まとめ職人」みたいになったこともあります。
まあ、それも当たり外れが大きかったのですが……(笑)。
ただいずれにしろ、「考えながら、楽しみながら、走る」ということだけは忘れずに、高みを目指してやるってことはすごく大切じゃないかな、と思っています。
まだまだ未熟な部分が多く、試行錯誤しながらにはなりますが、これからも既成概念に囚われずに、人事の方に面白いと思ってもらえるコンテンツをつくっていきたいと考えております。
それでは、今日はこの辺で。
国内・海外の最先端HR情報メディア「HR NOTE」