「イノベーション」は業界の構造を変え、消費行動を変え、そして世界を変える。
多くの企業は、イノベーションを起こすことを目指して新規商品や事業を興すが、成功できるのはほんの一握りの企業だけである。
なぜ、「イノベーション」は困難なのだろうか。
それは、「既存顧客のいうことを聞きすぎる」からである。
というのが、上で紹介した「教育×破壊的イノベーション」の著者であるクレイトン・クリステンセンの主張だ。
一般的に、企業は既存の顧客からほとんどの収益を得る。したがって、既存顧客を満足させるために、商材やサービスの改良を続ける。
この場合において、勝敗のほとんどは財務的な強さや、規模によって決する。
しかし、その中で重要な事が見落とされる。
すなわち、ピーター・ドラッカーが言うところの「どれほどメジャーなサービスや商材であっても、それを使っていない人のほうが多い」という状況が生じるにも関わらず、既存顧客にしか目を向けなくなる。そして、そこからイノベーションは発生しない。継続的な改善があるだけである。
例えば、SNSの最大手であるフェイスブックの会員数は約5億人である。
しかし、世界人口は約72億人であることから、利用しているのは世界の人口の10%にも満たない。
フェイスブックは、既存の利用者のために様々な改良を重ねていくだろう。
しかし、ある日突然イノベーションは起きる。
どのように起きるのか。クリステンセンはこう述べる。
「既存企業が従来販売していたものには劣る製品やサービスを市場にもたらすことで、従来の軌跡を破壊する。この種のイノベーションは性能面で劣っているため、既存の顧客には使うことが出来ない。だがより手頃で使いやすい製品を生み出すことから、既存の製品を使うことが出来なかった人たち-無消費者と呼ぶ-には役立つ」
つまり、
「単純で、要求の厳しくない用途に対応した、性能の劣る製品が出現する」
ということになる。
Facebookは高度なソフトウェアであるが故に、使いこなすことは難しい。
しかし、写真を共有したり、メッセージを送るといったニーズは、SNSを使いこなせない人々の中にも確実に存在する。そういう意味ではLINEは、Facebookに比して、より多くの顧客を獲得する見込みがある。
しかし、LINEでは、Facebookに慣れた人々は満足できない。したがって、Facebookはその高度さ故に、LINEに対抗できない。すでに、若年層の間ではFacebookよりもLINEの方が遥かに多く利用されている。
イノベーションは、より機能を絞り込んだ、低コストで、従来の顧客ではない人々を対象としたサービスから始まる。
こういった考え方もまた、重要であろうかと思う。
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