はあちゅうさんというインフルエンサ―の方が過去に受けたセクハラ被害を公表したことで、「セクハラ問題」がにわかに注目されることとなった。

わたしは幸いセクハラ・パワハラだと思うような場面に遭ったことはないのだが、まわりには「体を触られた」「無理やり酒を飲まされた」といった体験を持った友人が結構いる。

 

一方で、「実は自分は加害者になっているのでは……」と心配している方もいるんじゃないだろうか。

 

これから、忘年会や新年会などの職場飲み会が増えるシーズンになる。酒の席ではハラスメント問題は特に起こりやすい。

そこでわたしなりに、「ハラスメント加害者にならない5つの心構え」なるものを考えてみた。

 

「これが正解だ」というわけではないが、この記事をきっかけに「職場飲み会でセクハラ・パワハラ加害者にならないように気をつけよう」と思っていただければ幸いだ。

 

1.とにかく触らない

1番に来るのはこれだ。とにかく触らない。ムダに近づかない。

なにも、「話すときに1メートル離れましょう」なんて極端なことを言うつもりはない。飲みの席なら、となりの人と至近距離になることもあるだろう。それでも、接触はできるだけ避けるべきだ。

酔っぱらって肩を抱くだとか、太もも同士が触れ合うだとか、そういう接触を不快に思う人は多い。もんだり撫でまわしたり引っ張ったり、なんてのは論外である。

触らない。これは心構えというよりは鉄則だ。

 

2.社長の子ども相手に同じ言動ができるか?

セクハラ・パワハラ問題で厄介なのは、あくまで「相手が不快に思ったか」で判断されるところにある。

 

そこでわたしは、「これはハラスメントになるのか?」と迷った時に、「社長の子どもに同じことができるか」という基準で考えるといいと思っている。

 

相手が社長の娘だったとしたら、「今日の服は露出度高いね」なんて言わないし、相手が社長の息子なら、「そんなんじゃ結婚できないぞ」なんて言わないだろう。

下ネタをふっかけたり、みんなの前で叱ったりだってしない。裸踊りだってさせないし、イヤがっているのに2軒目に無理やり連れて行くこともないだろう。

 

「社長にチクられたらまずい」と思うのであれば、それは相手を下に見ているときにだけに行う言動であり、ハラスメントと呼べる。

迷った時には、この基準で一度考えてみることをおすすめしたい。

 

3.強制せずに相手が「NO」と言える提案を

セクハラやパワハラというのは往々にして、目上の人が目下の人になにかを強要するというパターンが多い。

ならば、強要せずに相手の意志を聞けばいいのだ。

 

「酒を飲め」ではなく「もう一杯飲む?」、「もう一軒行くぞ」ではなく「もう一軒行く?」と聞く。

相手が拒否したときはそこで引き下がり、しつこくしたり、「なんだよ」と突っかからない。

 

命令形を避けるだけで、セクハラ・パワハラは結構減るはずだ。

もちろんここには、新人の一発芸や接待方法など、慣例や伝統として存在している妙な村ルールも含まれる。

 

一方で、先輩は強制のつもりがなくとも後輩が空気を読んで拒否できない……なんてこともあるかもしれない。

それに対しては、先輩が率先して自分の提案と逆の質問をするといいんじゃないだろうか。

「もっと飲もうぜ! あ、でももうやめておく?」

「もう一軒行きたいけど、帰りたい?」

 

こんな感じで拒否の選択肢も与えれば、後輩としても「じゃあやめときます」と言いやすい。

 

4.自分の価値観でモノゴトを測らない

セクハラ・パワハラ問題の根源にあるのは、加害者側の「自分もこうして育てられた」という考えだと思う。

だから「俺の時代はこうだったからお前もこうすべき」「お前に目をかけているから厳しいことを言うんだ」なんて自分理論になるわけだが、これもまたNGだ。

 

だれだって他人の価値観を押し付けられたら反発したくなるし、いい気持ちはしない。

日頃から中が良ければ「先輩の指導」としてアリかもしれないが、そうでないのなら、ただの迷惑な説教だ。

 

「3」で書いたことを応用して、押し付けるのではなく、「俺の時代はこうだったけど、君たちはどう?」とか、「どう教えるのがわかりやすい?」みたいに、後輩に率直に聞いてみるといいんじゃないだろうか。

立場上相手が素直に答えてくれるかはわからないが、少なくとも「君の意見を聞いて受け入れる姿勢である」ということは伝えられる。

 

5.SOSサインを決めておく

ここまで記事を読んでくださった方は、なんやかんや言って加害者にならないように日頃から意識している方だと思う。

だが最大の問題は、「パワハラ・セクハラは被害妄想だ」という暴論で、加害者であることを認めない人の存在だ。

 

こういう人がひとりいるだけで、職場飲み会はブチ壊しになる。

そこでちょっとした提案だが、飲み会の席でのSOSサインなんかを決めておくのはどうだろう。

たとえば、胸の前で両腕をクロスさせて「×」のサインを作るとか。

 

本当は「やめてください」の一言でコトが収まればいいのだが、「そう言わずに」とゴリ押しするハラスメント気質な人は、残念ながらいるものだ。

それでもなにかしらのサインがあれば、まわりの人が手を差し伸べられる。

 

「いやぁーもう酒飲めないです」と笑いながらそのサインをしている人がいたら、まわりの人が「それ以上酒を勧めるなよ」と一言言ってあげる。

「その話題はやめましょう!」と×サインを出している人がいたら、まわりが話を変える。そんな感じだ。

 

「やめてくださいよ~」「無理ですって~」という言葉だと、ノリなのか拒否なのか、他人は判断できない。

まわりがスマートに手助けするためにも、SOSサインはあってもいいんじゃないだろうか。

 

職場飲み会はみんなで楽しむもの

本当はこんな心構えなんかを書かずともそれぞれが意識すればいいのだが、意識や価値観の違いでセクハラ・パワハラになってしまうこともある。

だからこそ、「これはNGにしますよ」というのを決めておくのは、ひとつの注意喚起になるんじゃないだろうか。(特にゴリゴリの体育会系企業)

 

職場飲み会は、全員が楽しめるものにしなくてはならない。それができないなら、そもそも職場飲み会なんてしない方がマシだ。

後輩は接待要員でもなければ、ホスト・ホステスの方のような人を楽しませるプロでもない。自分の欲望を満たすために後輩を利用しようとすれば、それはハラスメントになる。

 

この記事をきっかけに「健全な飲み会化」を目指す人が増えてくれるといいな……なんて思っている。

 

というわけでみなさん、よいお年を!

 

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システム開発やITコンサルティングを経て、
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現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。

岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。


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(2026/01/19更新)

 

【プロフィール】

名前:雨宮紫苑

91年生まれ、ドイツ在住のフリーライター。小説執筆&写真撮影もやってます。

ハロプロとアニメが好きだけど、オタクっぽい呟きをするとフォロワーが減るのが最近の悩みです。

ブログ:『雨宮の迷走ニュース』

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(Photo:Kotaro Akama